私はよく、とある殺人鬼さんに依頼をします。
殺人鬼さんは、見合う報酬を出せばなんでもしてくれました。
そして何時でも、頼んだことを完璧にこなしてくれるのです。
「殺人鬼さん。また依頼していいですか?」
殺人鬼さんは無口です。でも、頷いたりしてくれるので聞いてはくれています。
「クラスのね。悪い男の子がいるの。その子を殺して欲しいの」
殺人鬼さんは頷きます。
すると殺人鬼さんは、手をこちらに向けてなにか欲しがるようにしていました。
これは報酬をあげる時の、殺人鬼さんの行動です。
「今回は、殺人鬼さんは何が欲しい?」
殺人鬼さんは紙とペンを取り出し、スラスラとなにか書き始めました
「お 手 紙 ?」
殺人鬼さんは頷きます。
どうやら今回はお手紙が欲しいみたい。
「わかった!じゃあ、殺人鬼さんが今回のお仕事している間に書いてもいい?」
殺人鬼さんは嬉しそうな素振りで頷きます。
よっぽどお手紙を貰うのが嬉しいみたい
「なら!今回もよろしくお願いします! 」
殺人鬼に、どんな手紙書こうかな〜!!
「殺人鬼さん。また依頼してもいいですか?」
殺人鬼さんは頷きます。
今回も受けてくれるようです。
「今度はね、うちのおばあちゃんを殺して欲しいの」
殺人鬼さんは今回のターゲットを聞いた途端少々嫌な素振りをします
「お願い!!報酬は弾むから!!!!」
殺人鬼さんは渋々、頷いてくれます
「ありがとう!!殺人鬼さん!」
今回の報酬は、ぬいぐるみでした。
「殺人鬼さん。今回も依頼していいですか?」
殺人鬼さんは頷きます。
「今回はね…相談に乗って欲しいんだ…」
そう、殺人鬼さんは殺し以外にも色々してくれるので今回はお悩み相談を依頼しました。
「友達…なんだけど、最近うまが 合わなくてモヤモヤするの 」
殺人鬼さんは興味津々に反応してくれます
「それでね…その友達最近、喧嘩したわけじゃないけどあんまり話してなくて…。
話そうと思っても…相手が他の人と話してるの」
殺人鬼さんはうんうんと、頷いてくれます
「殺人鬼さん。どうすれば前みたいに…仲良くなれるかな?」
殺人鬼さんは悩むポーズでじっとしています
すると、殺人鬼さんは紙とペンで何かを書き始めました。
遊びに誘ってみれば?
「確かに!?やってみるよ!!」
殺人鬼さんは嬉しそうです。
「ありがとう!!殺人鬼さん!!」
今回の報酬は、インスタント麺でした。
殺人鬼さん
殺人鬼さん
サツジンキさん
「さつ…ジンッき…さん」
…
「また…イライ…いいですか。」
殺人鬼さんは頷いて いるみたいです
「コロシテ」
…
「私を…コロシテ」
殺人鬼さんは、ぎゅっと私を抱きしめます
「ありがとう…」
背中には、包丁が刺さっていました
今回の報酬は、何もいりませんでした
昨晩未明、とある女子高校生の遺体が自宅で発見されました。
凶器に使われたのは包丁で、背中から刺されている状態で見つかっており犯人は未だ捕まっていません。
彼女の部屋からは、大きなぬいぐるみとインスタント麺、そしてとある手紙があり、手紙にはこう書かれておりました
殺人鬼さんへ
いつもありがとう!!あなたのおかげでいつも救われています!
これからもよろしくね!!
○○より
現在この手紙に書かれている殺人鬼について、警察は調査を続けていますが現在何も手がかりは見つかっておりましはせん。
さて、次のニュースは…━━━━━━━━━━━━━━━
とある主婦の話
あの子?あーこの前自宅で死んじゃった子?
あの子はねーとってもいい子だったわね。
いつも挨拶してくれるしお上品でね〜
え?何か不自然なことはあったかって?
うーん。
あ、でも。なんかあの子、おばあちゃんのこと苦手ってぽかったわね〜。
何度かあそこのおばあちゃん見たことあるけど、あれは家の中じゃ絶対裏があるタイプの人種ね
なんで分かるって?
1回あの子。登校前におばあちゃんと出くわしてるとこ、あたし見ちゃったのよね〜
そしたらあの子!!いつもの笑顔から一変!!真顔でまるで人形みたいになっていたわ!!
あれはゾクってしてしまったわね…
まぁ、あたしが知ってるのはこれぐらいかしらね?
とある友達の話
え…?
○○のことですか…
えぇ、よく遊んだりしてました
○○の不自然だったとこ…ですか?
えー…あ!
ちょっと、まだはっきりとしたことではないんですけど…
○○、多分いじめられてたんだと思います
確証は…ないんですけど
私塾で早く帰らないとだし、ココ最近あんまり○○と休み時間いなかったから…
でも傷とか、顔とかがなんか疲れきってて、ある人物を見ていやそーな、恐怖した顔をしたんです
クラスの、男子なんですけど…
元々その人、かなりのいじめっ子で悪ふざけで色んな人からかったりいじめてたりしてたらしいんです
多分、○○が標的にされたんだと思います
もう、今更言ってもおかしいですけど
あの時、どうしてそばに居てやれなかったのか
あの時、どうしたのって声掛けていればって
四六時中ずっと考えるんです
…でも○○
最近遊んだ時こう言ってました
私と疎遠になってるのを相談したら遊びに誘ってみたらって言われて、今回誘ってみた!!って
元々、○○は友達あんまりいませんでした
だから一体誰に相談したんだろう?って
ふとおもったんですけど
その時は久しぶりの○○元気そうな顔みて、あんまり追求しませんでした
ほんと、なんであの時
もっと一緒に居てやれなかったんだろう
○○
私の人生は、我慢だらけだった
ルールを守っても、人に優しくしても、真面目でいても、たまにふざけても
誰かに責められて、笑われて
我慢するしか無かった
あんな人たちみたいになりたくなかったから
でも
限界はある
だから私は、頭の中であることをすることにした
それは
殺すこと
嫌だな、そう感じた人たちを私は頭の中で次々に殺して言った
そうすると、私の中にもう一人できた
私の殺人鬼
そう、ワタシが出来た
ワタシとは話せないけど、意思疎通は出来た
だから私がいっぱいおしゃべりしたり、殺しの依頼を報酬をあげる代わりにしてもらった
心がスッキリした
私と同じことを考える人がいて、共感してくれて
嬉しかった
だから、私を虐めているやつも殺して
大嫌いなおばあちゃんを我慢して殺ししてもらって
相談に乗ってくれて
他にも沢山ある
けど全部嬉しいもので、私はひと時の安堵を得た
だけどそれも、長続きしない
最近いじめが酷くなった
おばあちゃんが私に嫌なことを頻繁にしてくる様になった
冤罪をかけられた
無視をされた
嫌われた
全部嫌になった
大好きな友達も家族もクラスメイトも
全部が全部
嫌になった
だから今度は、自分自身を依頼した
ワタシに私を殺してって
お願いした
ワタシはわかってくれた
最期に私をハグでしてくれて、そして殺してくれた
あぁ、ワタシには感謝しかない
本当に
本当にありがとう
殺人鬼さん
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