テラーノベル
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チャイムと共に、1限目の数学の授業が始まる。
松田先生は、生徒達にプリントを配り、黒板に静かに公式を書き始める。
陸斗は、開始5分で置いていかれてしまう。
陸斗はこの時、自分が数学が苦手だということを改めて実感した。
焦る陸斗を窓際の席から横目で見つめているのは、桃髪の生徒、市古桃子だった。
「(……焦ってる…もう置いていかれたわけ?……ダメダメね。松田先生とは釣り合わないわ)」
そう思い、今度は黒板に公式を書いている松田先生に視線を向けます。
「(…それにしても…、松田先生、今日もカッコいい〜♡)」
桃子は、“はぁ…”と、ため息を漏らします。
そんな桃子のことは知らず、陸斗はプリントの問題を焦って解いていきます。
でも、考えても考えても問3は分かりません。
「(…分からないな…)」
陸斗は少し緊張しながら、手を挙げます。
「せ、先生…!わからない問題が………」
その瞬間、教室中の生徒の視線が陸斗に集まります。
「…え!?」
陸斗は何が起きたか分かりません。
ふと窓際の桃子に目がいきます。
「…チッ…なに神聖な松田先生に質問してんのよ!!!転校生のクセに!!」
桃子がそう思ってるのが、陸斗には痛いほどわかります。
松田先生は、静かに振り向き、陸斗のほうを向きます。
今まで、授業中に質問してくる生徒なんて一人もいませんでした。
なぜなら、松田先生は生徒達にとっては神聖すぎる存在。質問することなんて許されないと、
無意識に、勝手に思い込んでいるからです。
ですが、今視線の先にいる生徒、陸斗は違う。勇気を出し質問してきている。
「…分からないのは、どの問題だ?」
その松田先生の陸斗への問いかけに、教室全体がざわめきます。
「嘘だろ…!!あの松田先生が…!?」
その声で溢れます。桃子も、驚きを隠せません。
「うっそぉ……!」
陸斗は、松田先生の問いかけに慌てて答えます。
「え、えっと…問3です…!」
その言葉を聞くと、松田先生はプリントにある問3の図形をそっくりそのまま、
鮮やかに美しく、なおかつ素早く黒板に書き、あり得ないほど分かりやすく教えていくのです。
その教えのおかげで、陸斗は問題がわかるようになっていきます。
「(こ…こんなに分かりやすいの…初めてだ。……!あの先生…ホントに何者…?)」
その後、あっという間に授業が終わります。
ホッと一息つく陸斗に、楓が話しかけます。
「陸斗君、大丈夫?さっきはびっくりしたよね、急に教室中の視線向けられて…」
「え、あ!大丈夫だよ…!」
と、言いつつも、まだ驚いている陸斗である。
そして陸斗と楓に近づく生徒。それは桃子だった。
「ちょっと。転校生さん?」
「貴方、進藤陸斗とか言ったかしら?松田先生に問題教えてもらったからって、調子乗るんじゃないわよ」
桃子は機嫌悪そうに陸斗を見下ろします。
「市古さん!そんな態度はないんじゃないの?」
楓は怒って桃子に注意します。
「け、喧嘩はやめて…へ、平和にやろうよ!ね?」
陸斗は仲裁しようとします。
桃子はプイッと顔を背けます。
「(何よ何よ何よ!アタシに指示するなんて!絶対許さないんだから!)」
陸斗はいつのにか、桃子に敵視されてしまったのである
コメント
2件
まさかの松田教
松田先生を教祖に新しい宗教開いてたくさん搾取しましょ(((((( 桃子ちゃんかわいい…