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鷹槻れん

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#契約結婚
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「戻りました」
修太郎さんのお顔から目をそらさずにそう言うと、彼は一瞬驚いた顔をなさった。
「更衣室で何かありましたか?」
小声で問いかけていらっしゃるのへ、「中本さんにしっかりしなさいって背中を押していただきました」と答える。
「そうですか」
ふっと柔らかく相好を崩されたのを見てホッとして、「あと、折につけ高橋さんからも沢山ためになるアドバイスをいただいていたので……」と続けると、途端修太郎さんの表情が厳しいものに変わる。
「彼にも?」
ほんの少し声音も低く、不機嫌さをにじませた印象で。
「しゅ……塚田さん……?」
思わず恐る恐る呼び掛けたら、「会議室に移動しましょう」と、おもむろに立ち上がった彼から、険しい顔で別室への移動を促されてしまう。
私は彼の豹変ぶりが理解できなくて、ただただ戸惑った。
それでも「はい」と答えて後に続いてしまったのは、修太郎さんのことが好きで好きでたまらないから。
どんなに怖いオーラをまとっておられても、私は彼に惹かれずにはいられない。
都市計画課のフロアを出てすぐ左手、『小会議室28』と書かれた部屋の入り口にかかったプレートを、修太郎さんは無言で「使用中」になさった。
そうしてから扉を開けると、中へ入るように目で訴えていらして……私は請われるままに彼の前を通って部屋に入る。
部屋の中はブラインドが下ろされていて、朝の陽光に照らされてはいるけれど、何となく仄暗かった。
長方形の室内の、南側一面にホワイトボードが置かれていて、部屋一杯にロの字になるように長机と椅子が並べられている。
いかにも会議室然とした雰囲気に圧倒されつつも、電気……と思って後ろを振り返ったら、修太郎さんが入っていらした。
何故か眼鏡を外しておられる彼に、軽い違和感を覚える。
「……?」
と、彼の後ろで扉が閉まる音がして、次いでカチャリ……と小さな施錠音が聞こえてきた。
「しゅ……塚田、さん?」
二人きりではあるけれど、一応職場。私は無言で近づいていらした彼を見上げると、名前を呼びそうになったのを咄嗟に訂正して、苗字のほうで呼び直した。
裸眼のお顔を見慣れていないので、少し緊張してしまう。でもやはり修太郎さんの眼鏡を外されたお顔にはどこか懐かしい既視感もあって――。
ふと視線を転じると、机上に綺麗に畳まれた修太郎さんの黒縁眼鏡が置かれているのが見えた。
「日織さん、二人きりの時は修太郎《名前》を呼ぶようにと、何度言えば分かるんですか?」
不機嫌そうな声でそう言われて、いきなり腰をギュッと引き寄せられる。
そのままあごを上向けられて、
「修……っ、……んっ」
驚いて発した「修太郎さん」の声は、半ばで彼の口付けに封じられてしまった。
舌まで差し入れていらっしゃる激しいキスに、私は修太郎さんの気持ちが推し量れなくて混乱する。
先日は何となく理解できたと思っていた呼吸のタイミングも、あまりに性急な彼の求めの前には太刀打ちできなくて……。
「んっ、ふ、ぁっ……」
苦しくてギュッと目をつぶったら、口の端からどちらのものともつかない唾液が流れ落ちてあごを伝わった。
「日織さん……」
唇を離された折に切なくささやかれた修太郎さんの声音に、私は閉じていたまぶたをゆっくりと開く。
私の口元を濡らす唾液を片手で優しく拭ってくださると、腰を抱く修太郎さんの手がゆるゆると下方へ伸ばされる。
腰からお尻のラインをゆっくり、その手触りを味わうように下りてくる修太郎さんの大きな手の感触に、私の身体はビクッと震える。
それは悪寒などでは決してなく、いわゆる甘美な快感に近くて、思わず「はぁ……」と熱い吐息が口をついてしまった。
そのことに驚いて慌てて両手で口をふさぐと、修太郎さんにその手を絡めとられてしまう。
そのまま両手を一纏めにするように片手で縛められた私は、会議室の机に突っ伏すような形で動きを封じられる。
「しゅう、たろぉさん……?」
臀部を後ろに突き出すような格好になってしまって、私は戸惑いながら彼を振り返った。
修太朗さんは私の問いかけなんてまるで聞こえないとでも言うように黙殺なさると、シフォン素材のスカートの上から私のヒップラインを撫でていらっしゃるから。
サラサラとした布地が、修太郎さんの手の動きに合わせて上下するたび、太腿や膝裏にスカートが擦れて、その感触がくすぐったいような心地いいような、何とも言えない刺激に変わる。
「ん、っ」
手で口を塞ぐことのできない私は、ギュッと目をつぶると、鳥肌がたつようなそのゾワリとした感覚に、懸命に耐えた。
時折、柔肉をギュッと揉み込むように彼の指先がまろい皮膚に食い込む。その痛みですら甘やかな快感に変わるようで、私は必死で両足に力を入れてその刺激を怺える。
と、お尻の谷間に沿うように、修太郎さんの指先が背後から前の方へ伸びてきて……。
「しゅう、たろうさんっ、ヤメ、ッ……」
彼が目指す場所が直感的に分かってしまった私は、腰を揺すりながら修太郎さんの動きに一心不乱に抗った。
でも、そのせいで開いてしまった太腿の隙間を、自らの片膝で割るように修太郎さんが立ち位置を変えていらした。
コメント
2件
ひおりちゃん、大丈夫かな😭
ああもう、修太郎さん…!眼鏡外して施錠って、不機嫌の理由が高橋さんへの嫉妬って分かってるのに、日織ちゃんが全然抗えなくて、でもやっぱり惹かれちゃう感じがたまらなかったです🥀💔 豹変したのに甘美な快感を与えられて、戸惑いながらも拒みきれない空気感がすごくリアルで…つい読む手が止まらなくなりました。次が気になります…!