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一章 春が咲く 一話 魔法使いの君
今よりも、遥か昔。この世界には、魔法使いが存在していた。
魔法使いは、嘘つきだ。人の理想を、押し付けられて。誰もが持っているはずのものを、願う。
なんて、哀しい。
そんな、人生。嘘を、つき続けた。呪われ哀しき少女、桜月羅宇。彼女は、失うべき存在ではなかった。
これは、一緒にいるからこそ言えたことだ。彼女の、弟子として。
現代よりも約700年前。1300年に、黄金に輝く鐘が鳴る時、赤子が生まれた。その時は、気づかなかった。
その、あどけない赤子は。狂い咲くことに。そのきっかけとなった。出来事は、僕が話そう。
だって、彼女を一番知っているのは”この、僕だから”。
ときは、1312年。彼女は、立派な魔法使いになっていた。魔法を扱える。だから、周りからは、嫌悪されていた。
僕は、その真逆で。無理に合わせて、嘘をつき続けた。それが、静かな引き金になってしまった。
いつも通り、青い髪をなびかせ。桜色の瞳を開ける。その桜色の瞳に写ったのは、美しい女の子だった。
闇をも取り込む髪。憂いが輝く瞳。見惚れてしまった。
彼女とは、初めてあったわけではない。これは、彼女が、10歳時。
僕が、一人でひいな遊びをしていたら、彼女は。青いスカートを、ふわりとゆらし。
「君も一人なの?一緒に遊んでくれない。」
憂いが輝く瞳を震わせ、僕の瞳を見つめてくる。
彼女のその笑顔を忘れられなかった。不器用で、お人形を作って。笑いあった笑顔を。
忘れられるはずがなかった。
彼女は、覚えているかな。忘れているだろう。彼女は、殿方と結婚して。
魔法とは、無縁に生きていくんだから。
でも、君との逃避行は。だめだとわかっていたのに、やめられなかった。
ただ、君と過ごせたから。時の歯車が、30°を向き始めていた。