【ut side】
shoちゃんがshpくんをお風呂に入れてくれてる間に、パチンカスから連絡が来た。
まぁそもそも、名前を聞くのと、義母に文句を言うのが目的でこっちから連絡したのだが…。
(『』はメールの内容です。)
ut『なぁ、弟くんの名前って何?何て呼べばいいか分からんねんけど』
父『適当に呼んどけ』
ut『そんなわけにもいかんやろ、仮にも弟やねん』
父『shpらしい』
『これでいいか』
ut『うん』
父『放っておけ』
『迷惑はかけないよう、何もかも1人でしろと育てられているようだ』
『何もしなくても1人でできるはずだ』
ut『shpくんの部屋は?』
父『そんなのあるわけないだろ、そこらへんに寝かせろ』
ut『んなことできるわけないやん』
『shpくんにしとる事虐待やで?』
父『躾の一環だ』
『あいつが言うことを聞かないから躾をしているだけだ』
『変なことはするなよ』
この他にも本当に父親かと言いたくなるほど、やばい発言をする。
ut「はぁ…ほんまに…」
そう呟いた時、shoがshpくんを連れて、リビングへ戻ってきた。
ut「あ、おかえり~気持ちよかった?」
shpくんは何も言わない。
そういえば、この子、最初から何も言わんな…。
そんだけ警戒心が強い、って事やろうな。
ut「shpくん、俺らの服、ぴったりやな」
sho「あ、shpくんって言うんや?」
ut「らしいで~あいつに聞いた。」
俺らは父親の事を、「父さん」などと言わない。
俺はあいつ、shoはパチンカスと呼ぶ。
やから俺が「あいつ」というだけでshoに通じるのだ。
sho「よし、じゃあshpくん!次は一緒にshpくんが作ってくれたカレー食べよ!!」
shoはそう言うけど、shpくんは無反応だ。
何より眠たそうにしている。
sho「た、食べたくない、?」
shpくんは静かに俯いて頷く。
sho「で、でも、食べな…」
ut「shoちゃん、無理強いするのはよくないで」
sho「で、でもさぁ…」
shoちゃんの気持ちは分かる。
元気になってほしい、という気持ちと、助けたい、という気持ち。
きっと、shoちゃんは助けたいって気持ちの方が強いんだろうな…。
ut「…shpくん、一口だけ食べへん、?」
「一口食べたら寝てもいいからさ?」
そう言うと、shpくんは頷いた。
sho「よし!!」
shoはshpくんを抱っこして、台所の椅子の一つに座らせる。
ut「いただきま~す」
sho「いっただきまーす!!」
俺のお皿から一口より少し多めにカレーを取り、別の小さいお皿に移す。
そして、スプーンをもう一つ出し、shpくんの前に置いた。
ut「食べてええよ?」
shpくんは小さな手でスプーンを持ち、カレーをすくう。
そして、口に運んだ。
sho「ん、うま!!!今まで食べた中で一番うまい!!!」
俺もカレーを口に運ぶ。
カレーは甘口だった。
しかし、なんというか…本当に5歳児が作ったのかと疑うほど、優しい味だった。
会ってもいない2人の兄のために、頑張って作ってくれたんだな…。
俺が5歳の時は何してたやろか…。
料理なんてほとんどした事ないな。
一口より少し多めのカレーを食べ終えたshpくんの頭を撫でる。
ut「ほんまにめっちゃ美味しい。作ってくれてありがとな?」
shpくんの身体は少々硬直していたが、顔は少し穏やかになっていた。
sho「いや、ほんまにうまい!!!」
そう言いながらカレーを食べるshoはもう3杯目を食べ終わりかけていた。
sho「ご馳走様でした!!」
「じゃあ歯磨きして寝よ~!!」
shoはさっきみたいにshpくんを抱っこして、洗面所に行った。
……これからどうしようか。
もし、あいつらが帰って来て、このような生活が続いた場合、俺らは大学生になった時、家を出るだろう。
その時に、shpくんも連れて行こうか。
今から小学生になる子ってどれくらい金が必要なのだろうか…。
ut「…バイト、増やすか。」
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