テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※リンバス要素がバリバリあります。初見さんが分からなさそうな用語は一応説明しますが気になったらもっと調べてね!!なんなら好きになって!!
※設定としてはソードもメディもK社職員(研究員)です。どうやってソードがK社職員になったかは……聞かないでもろて……
あとメディは…ただのK社職員ではないです。技術解放連合に関わってる人っていうね……K社職員を装ったグレーというよりブラックな存在だけど……
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K社。
誰もが憧れる巣の一つ。エリートしか入れない、特段頭が良くないと通らない巣。
なんとか僕も色んな巣に履歴書を送ってなんかよく分からないけどK社に受かった。なんでなんだろ……ま、受かったしいっか!
仕事は大変だけど、生活も巣の外で過ごすより全然いいし、お金もちゃんと稼げるからこの生活には満足してる!しかも友達もいる!最高だよね!!
その友達とはメドキット。あ、先輩はつけなきゃね。僕が入社するよりも前に居る先輩で、白い髪で短く結っていて、片目は髪で隠してる。無愛想だけどすごく優しいんだ。オフィスに居ない時が多いけど、出張とかで忙しいんだろうなぁ……
最近はずっと最優秀賞……なんだっけ。最優秀のなんかを取りつづけているサブスペースさんの愚痴ばかりを聞く。凄いみたいなんだけど、裏が酷いらしいとか。わざわざ揚げ足取ってくるとか、とにかく嫌な先輩?みたい。僕は仲良く……なれるのかな?
「……あ、いけない!そろそろ出席しないといけない会議があるんだった。急がなきゃ!」
そう思って会議室に向かおうとした瞬間、サイレンが鳴り始めた。最近は技術解放連合っていうところがここのK社を襲ってくる。だからサイレンはあまり聞きなれないものじゃない。日常茶飯事って言ってもおかしくないぐらいだ。
でも今日は……異常だ。いつも対処する職員たちが床に倒れている。回復アンプルを受けてるのにコレはおかしい。傷だったら絶対すぐに治るはずなのに。
見慣れない機械達が襲いかかってくるのを頑張って避けながらエレベーターに乗った。もしかしたら最上階に……先輩がいるかもしれないから。そしたら助けを呼べる!
「すみません先輩!!騒ぎが大きすぎて……え?」
エレベーターのドアが開いたとともに助けを呼ぼうとした。でも……その先に見えたのは閲覧室じゃなかった。それは……
「……壇香梅…?」
壇香梅に囲まれた、和風の庭と古屋。空は青く済み、花びらが風とともに散りゆく……とても近未来な会社の雰囲気にはそぐわない、自然的な場所だった。
次に目に入ったのは、庭に壇香梅の木らしきものと古屋の縁側にあぐらをかいていた謎の人物。その木らしきものはよく見ると……メドキット先輩が言ってたサブスペースさんだった。壇香梅の木が混じって……死んでる?
「サ、サブスペース、さん……?し、死んで…る?」
触れようとしたら、謎の人物が口を開いた。
?「…ソイツは死んだ。私が殺したからな。」
その声は紛れもなく、メドキット先輩だ。よく見ると、体の右半分は壇香梅に侵食されており、頭の上のクリスタルも同じく侵食されていた。そしていつにも増した死んだ目。
「先輩……なんでこんな事を…?」
メディ「……アイツはずっと目障りだった。いつも最優秀賞、最優秀賞。エリート気取りで自己中心的。思想も合わない。挙げ句の果てには技術が全てだとか言い放つ……もう限界だった。」
先輩は、ほとんどの言葉を吐き捨てるように言っていた。顔には嫌悪感しか写っていない。
メディ「……それで、どうして上に上がってきた?どうせまた騒ぎが起きてるんだし避難しないといけないんじゃないのか。」
「それが……職員も全員死んじゃって……研究員達が機械に襲われちゃってて……それで先輩に助けを求めて……」
必死に状況を説明していると、重い溜息が聞こえた。陰鬱そうな、あからさまに嫌そうな溜息だった。
メディ「……はぁ。残念だが私は何も出来ない。奴らは技術を粗く使いすぎた。自業自得だ。」
「なんで…!人が死んでいるんだよ!?早く止めないと…!」
メディ「どうせ死ぬのは技術に目がない人間だけだ。それに…このテロを指示したのは私だ。」
「え…?」
開いた口が塞がらない。ずっと、あのサイレンを鳴らしていた元凶を操っていたのは、先輩だった?言われても納得せざるを得ないのがすごく嫌だ。
メディ「……ずっと言ってなかったな。私はメドキット。技術解放連合を統べ、人々に技術がなかった古き良き時代を取り戻す為にいる。」
「技術解放、連合……」
メディ「K社の奴らからはずっと嫌な目で見られたもんだ。新たな技術を生み出す会社に異分子が現れるなんて普通はありえないからな。でもそれも終わりだ。理事長が降参すれば、後は壊せばいい。そうすればK社の技術は無くなったも同然になる。」
「…意味が、分からないよ……!そんなことしたら皆の生活が…!」
メディ「…大丈夫、ただ元に戻るだけだ。昔の古き良き、平和な時代になるだけだ。」
「古き良き、って…!それって今までの技術で溢れた生活を無かったものにしようとしているだけじゃ…!」
もっと反論しようとしたら、壇香梅が纏った扇で口を止められた。壇香梅のえ辛い香りで思わず咽せてしまった。
メディ「…お前にはきっと分かると思ってるよ。じゃなきゃここまで生かしてない。だから頼む、お願いだから…」
香りとともに眠気がする。壇香梅に睡眠効果はないはずなのに……
メディ「今は、眠ってくれ。後で全てを見せてやるから。」
ダメだよ、先輩。やっちゃダメ。昔みたいに生きたくない人たちが。
メディ「……きっと、今より良い世界になるから。」
ダメだよ、先輩。
最後に見たのは、あまり見たことのない、先輩の儚い笑顔だった。
あるK社の研究員のソードと技術解放連合リーダーのメディの話。
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