「雨のいたずら」
「じゃあ、今日はこれで終わりです! わからないことがあれば、私か石田先生までお願いします!」
生徒会の定例会が終わると、役員たちは一斉に席を立った。
夏のオリエンテーションは1か月後に迫っていて、今日は分担や担当を割り振る日だった。
「ちな。 バイトだから、先帰るな」
「あぁ、うん。 お疲れ!」
侑が小声で耳打ちし、私は笑って頷いた。
あの日……。
「子供じゃない」と言われた翌朝、侑が家の前で私を待っていた。
目が合った途端、近付きたくても身がすくんだ私に、侑はふっと微笑んだ。
”ちな、ごめん”
神妙というより、弱ったような笑顔を向けられ、私ははっとした。
急いで首を横に振ったけど、侑の悲しげな瞳は忘れられない。
それ以来、侑はまるでなにもなかったかのように接してくれる。
蒸し返したくなくて、私も同じように接しているけど…******
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