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いつも着ていた綺麗な羽織
紺のような、群青のような、そんな色。
だけど、花の香りがする
凄く落ち着くような香りがするんだ。
君の香り、
僕がまだ五つの頃、君はもう六つで
虐められて泣きついた時にも
甘えたくて抱きついた時にも
その羽織を羽織っていて
頭をふわりと撫でてくれていた。
そして、鈴のような声で
「晴、だいじょーぶ、だいじょーぶ、」
と言ってくれていたっけ。
長尾にも藤士郎にも、やっていたっけ。
大人のような子供のような
君は、凄く不思議な人だった。