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ジリジリジリジリ…
鳴る目覚まし時計を止める。
「この時計でもそろそろ起きるのが辛くなってきたな…」
僕はいつだって新しい物を追い求めてきた。聞き慣れた目覚まし時計で起きるのは朕には無理だ。
ベットから降り、洗面所へ向かうごその時にも僕のこだわりがある。
逆立ちで向かうのだ。
一見苦行だが目も覚めるし誰もやらないだろうと言う愉悦感に浸る。
歯を磨き、顔を洗い流し、髪を整え、半裸になり身体の垢を擦る。
こんなことしてる人間はいない。
だが私はする。
俺には必要なのだ。
朝ごはんは食べず、走り駅のキオスクに向かい見たことのないパンを買って食べる。
味はどうであろうと始めての物に妾は目を輝かせた。
「アラタくーん!おはよー」
「おはよう、カコ」
カコは我の彼女だ。新しいものを求めるわしに初めてできた彼女。飽き始めてる。
「今日は何食べてるの?」
彼女は僕の常に新しいものを求める趣味に興味を持ってくれている。
今朝のことを話すと彼女は子供のように目を輝かせている。気分は良いが、妾には甚だ疑問だ。
なぜなら、彼女はかわいい
といわれている。
吾はその辺については無頓着で興味はないが、なぜ僕なような一般的に言う『変人』と付き合っているのだろうか。
彼女の真意は分からない。
私が聞いても彼女は答えてくれないのだ。
僕は彼女と改札をとおり、駅のホームへと降りていく。
朝だからだろう。サラリーマンや学生などが多い。
顔を覚えてしまった人だっている。ここだけは不変的で普遍的で嫌いだ。
「アラタ君、ごめんちょっとだけ待ってて!」
「わかったよ」
彼女は友達の方へ走っていった。
「ちょっと、頭が痛むな…」
ふと言葉をこぼすと共に目眩がした。
視界が霞む。目をつむり鼻筋をつまみ自分を労ると瞼の裏に視える景色があった。
(カコが死ぬ…)
視えたのは、走ってくる電車に飛び込む彼女だ。確かに僕は非日常を求めているがこんな世界は望んでいない。
「アラタ君、ごめんね!」
彼女は戻ってくると友達のことを話し始めた。
さっきの景色が頭が離れない僕は彼女の話など聞いていなかった。
[まもなく2番線に電車が参ります。]
待っている電車の到着を知らせてくれるアナウンスが流れた。
走ってくる電車、変にさっきの情景とマッチしているように見える。咄嗟に彼女の手を掴むと、
「やっと、握ったくれたね」
彼女の笑い、僕の視界は暗闇に包まれた。