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イサギくんとのハプニングから数日。

某自動手記人形のアニメにハマってしまい、オールをキメてしまったある日。



「……(クッソ、良い作品すぎて泣く&オールナイトで目が死んでる…)」



作画も最高だしストーリも最高だし非の打ち所がない。どうして今まで出会わなかったんだ。

…でも流石にオールはやりすぎたか?今までにない醜悪な顔を選手たちに晒すのはあまりにも厳しい。まあこれまでも醜悪な顔だったんですけどね。今更もっと不細工になっても誰も気にしないか………いやでも”女”は捨ててはいかん。せめて目の腫れは治そう。


選手たちが全員試合に出て行ったのを見計らい、食堂にある水道へ向かう。



「えっと…氷くらいならあるかな…?なかったら水で冷やそ。」



寝不足でふらついてしまう。マネ業まだ残ってんのに。…1時間だけ寝てあとはバリバリ働こう。そうしよう。

取り敢えず保冷剤を取ろうとするとそこにはいない筈の人がいた。



「…………チギリくん。」


「…ロア?」



えええ何でここここに…?!何となく雰囲気を見ると手首を抑えている。多分ディフェンス中かGK中にでも捻ったのだろう。



「えと、怪我?手首捻ってるよね…?テーピング、湿布、持ってる、使う?」


「ははっ、何で片言なんだよ笑じゃあお言葉に甘えて。」



久しぶりに人と話して片言になってしまった…でも笑ってくれたしいいか。いつも持っているポーチからテーピングと湿布を取り出す。



「…(おっと。)」


「………!」



まずいまずい、マッキーのインク漏れで汚れたハンカチが出てきてしまった。ポーチの中で漏れ出てくるとかもはやテロだよね。おかげでポーチの中は赤いインクで汚れてしまっている。



「チギリくんって左利きだよね…?左手捻ってるし、私なんかでよかったら、やろっか…?」


「…おう、頼む!」



ん?なんか間があったような?まあそりゃそうか。不細工に触られるよか可愛い子に触られる方がいいもんね。でもこれが仕事なんだ。我慢してくれ。



「…………………(チギリくんの手、綺麗だなぁ。)」


「…………」


「…ん、できた。ごめんね、あんまり上手じゃないけど…試合、頑張って。」



苦しすぎる無言の時間も終わって処置が終わった。終始チギリくんが私の顔見てて辛すぎる。今絶賛醜い顔してるのにそんなにジロジロ見ないでくれ。



「ありがとな。ん?……おい、目ぇ腫れてんぞ。大丈夫かよ…」



嘘でしょ。バレてた?!まあやっぱりか。死ぬほど腫れてるもんな。化粧したみたいに真っ赤だし。まあでもこれは自業自得なので。



「…うん、大丈夫だよ。」


「…そーかよ。じゃ、俺行くな。」


「あ、うん。… ……」



なんか微妙な顔をして去っていったチギリくん。そんなにこの空間に居たくなかったのですか泣

取り敢えず保冷剤で冷やそ。













千切side







クッソ、しくじった。

ほとんど未経験のディフェンスで思いっきり倒されて着地をミスり、手首を捻るという、何ともダサすぎる珍事態。イガグリには笑われるし。あとで殺す。


ていうかこういう怪我ってどうすればいいんだ?足のケアならずっとやっているが手首となるとどう処置すればいいのかわからない。一先ず冷やそうと食堂へ行くと聞き慣れた声が聞こえた。



「………チギリくん。」


「…ロア?」



いつも俺らのことサポートしてくれるマネージャーか。確か名前はロア。てか何であんなに慌ててんだ?

すごい慌てようを見ていると何かに気づいたように俺に恐る恐る話しかけてくる。


「えと、怪我?手首捻ってるよね…?テーピング、湿布、持ってる、使う?」


怪我のことにすぐに気づくって…元から細かいところに気づくよなと思っていたが驚く。っていうか…


「ははっ、何で片言なんだよ笑じゃあお言葉に甘えて。」


面白いなこいつ。緊張してんのか?

そこらへんの椅子に座ってポーチからゴソゴソと何かを取り出そうとしているのをボーっと見ているとポーチから赤く染まったハンカチが出てきた。


「………!」


…あの赤いの…血液か?すぐにしまわれてよく見えなかったがポーチの中まで赤い色で染まっていた気がする。そもそもあのハンカチに付いているのが血液だとしたらとんでもない量だ。

驚いていると何ともなかったかのように話しかけるロア。処置をしてもらっている間もあのハンカチが気になりすぎてずっとロアを凝視してしまっていた。


「…ん、できた。ごめんね、あんまり上手じゃないけど…試合、頑張って。」


いつのまにか終わっていたテーピング。考えてもわかんねぇし、本人に直接聞くのもアレだし、取り敢えず潔か國神に相談してみよう。

お礼を言って立ち去ろうと再び顔を見るとロアの目が腫れているのに気づく。それを心配すると明らかに何かを隠したように大丈夫と答えるロア。

…お前は一体、何を抱えている…………?


「…とりま潔と國神に聞くか。」


控え室へ続く通路でそう呟いた。

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