ある年の夏 、朝からセミが鳴き、少しベタついた体にイライラしながらお昼すぎに起きる。
これが、最近の僕の習慣だ。
一日中特にすることは無いが、風呂に入り、ご飯を食べ、部屋を片付ける。
世の中で当たり前とされていることをする。
それから、瞑想をする。
高校2年生の頃から、学校生活や人間関係がしんどくなって学校に行かなくなった。
不登校というやつだ。
両親は、しんどいなら別にいいよと言ってくれていたが、夜中にリビングから聞こえる母親の泣き声には少し申し訳ない気持ちが溢れた。
でも。学校には行かない。
行きたくなかった。
その時から、よく目を閉じて寝っ転がり、瞑想をするようになった。
自分の部屋の窓を開けていると、風がすごく優しく僕にあたって通り過ぎていくように感じた。
だから、瞑想が好きだ。
自分だけの世界で、誰も何も僕の邪魔をしない。
だから、好きなことを考え、好きなように物事を捉え、想像することができる。
とても心地がいい。
瞑想をしていると、毎回扉が頭に浮かぶ…。
何も考えないでいようとしても、目の前に、扉は現れる。
その扉は僕の前で、分厚いドアを開けるかのようにゆっくりゴゴゴゴゴォォと音を立てながら開く。
扉の中は、真っ白で、まるで雲に包まれているかのように空気がふわふわしている。
中に入り歩き回ると沢山の扉がある。
その扉は、必ずしもどこかに繋がっている訳では無いのだ。
壁であったり、上り下りの階段、何かの場所につながっていたりする。
その階段を登った先が、暗かったりとてもキラキラしていて、まるで宝箱の中にいる宝石になった気持ちになれる所もある。
僕が今まで見てきた扉は、明るく輝いている扉だけだ。
輝いている扉の中は、僕の大切な出来事が詰まっていた…。
そう、あの日は何だか気持ちが
高ぶっていたんだ……。
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