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ーーはじめに
・このノートは私、松村北斗以外のいかなる者も見てはいけない。
・もし、見つけてしまったとしても開かない、もしくは捨てること
最近演じている役がどうにも自分と重なってしまって、なんだか気持ちが落ち着かないので1度ここに全部書いて気持ちを整理しようと思う。
まあ、整理すると言っても10年も前に区切りの着いた話だけれど。1つ切り替えを作るってことで。
今演じているのは25年間1人の女性を愛し続け、ずっとずっと見守って、助けてきたある男の話。
俺はそんな助けるだとか見守るだとか大層なことは出来なかったけど、ずっと長く一人の人のことを好きだという所にある種のシンパシー的なものを感じた。
初めて会った時から、多分少しは好意を抱いていたんだと思う。
第一印象は、「俺とは住む世界が違うんだろうな」
俺は田舎から出てきたから、こう、なんだ、キラキラしたものに憧れがあったんだとおもう。
白くて、細くて、うーん、まあファンがよく言うような言葉で形容するのは少し癪だけど、美しいって言葉がいちばん良く似合う人。
後から父親が京本政樹だとか、社長のスカウトだとか知ったけれど別に驚きはしなかったな。他の人とは纏う空気が違うような雰囲気を感じていた。
もちろん、この芸能の世界で”二世”っていう肩書きは良くも悪くも周りに影響を与えた。言われもない悪口を俺も沢山聞いた。
そして歌もダンスも顔もよかった彼は周りの人を腐らせる力を持っていた。俺がよく聞いたのは「あいつは才能も、個性も、この世界で通用するような顔も持っているから、俺なんかが頑張ったってもう無理なんだよ。」
これ何人から聞いたかなぁ、まあ少なくとも5人はいた気する。 でも俺はこれに頷けなかった。俺がいつも目で追いかけていた彼は本当に努力を欠かさない人だったから。
歌やダンスが上手いのは人の数倍努力をしているからであってそんな努力もしないのに同じ土俵にいるようなことを言うなよ。
1度、カッとなってこんなことを言ってしまったっけ。あいつ元気かな、今はどこで何してるんだろう。
もちろん話しかけたかった、憧れの先輩だったから。でも俺はやっぱコミュニケーションは得意じゃないし、話しかけるなんて敷居が高すぎてもってのほかだった。
でも、段々一緒に仕事をする機会も増えて、ちょっとずつ話せるようになった。
仲のいい後輩になれてきたとき、完璧だと思っていた彼はだいぶ抜けてるところがあって、ボールを蹴ったり投げたりするのが苦手で、片付けができなくて、ちょっと目を離したらひとりでなんかやってて、、沢山気づくことがあって、一つ一つ、気づいていく度にもっと知りたい、他にはどんなところがあるんだろう、って、どんどん底がない沼にハマっていくみたいだった。
そんな時に、ネットでBLって言葉を知った。
ボーイズラブ、男同士の恋愛。初めてそんな概念を知った、男同士で恋愛していいもんなんだって思った。その日、俺のこの気持ちに名前が着いたような気がした。
それから、より一層一つ一つの行動が愛おしくて、もうダメだった。
一緒に服を買いに行ったり、話したり、仕事したり、全部が俺のキラキラした思い出になった。
どんどん好きになる。好きになったらあっちは困るんだろうけど、もう止められなかった、他の人に笑いかけて欲しくなかった、話して欲しくなかった、誰も取らないで欲しかった、俺の事だけ見てて欲しかった。
でも彼の性格だから、色んな人に甘えて、ちょっかい出して、頼って頼られて、それが思春期真っ只中の俺にはちょっとキツかったな、一人で耐えようと思っても顔に出ちゃうぐらいもうキてて、気持ち悪がられるのも覚悟で樹に相談してみた。
あいつもあいつで優しいんだよ、親身になって聞いてくれちゃってさ、俺もその気になっちゃってもうほんとに全部話しちゃって。樹は応援してくれた。なんなら俺の事ちょっと特別扱いしてると思うとまで言ってくれた。
これを鵜呑みにしちゃったのが行けなかったんだな、変に自信がついてしまったんだと思う。
彼に何を言われても変に深読みして、一喜一憂して、でも1晩たったらまた好きって溢れて、若いってこういうことだよな。あっちも同じ気持ちだとだんだん思い込み始めちゃって、もうカップルですみたいな顔で隣を歩いてた。ほんとに恥ずかしい。
で、何日かは忘れたけど、まあ多分収録の日。珍しく楽屋に俺とあの人しかいなくて、馬鹿な俺は神様がくれたチャンスだと思い込んだ。
ちょっと話があるんだけど、で、始まって
なんて言ったかはもう覚えてないけど、反応は嫌という程覚えてる。
優しい彼は、俺を気持ち悪がったりしなかった。いや、してたかなぁ、分かんないけど。でも、抱擁もしてくれはしなかった。「そっか、、ありがとう、気持ち伝えてくれて。でも、おれ、北斗のことほんとに友達として大好きだから、友達としていたくて、、あの、ごめん気持ちに答えられなくて。 」
焦って焦って必死に紡いだ言葉は彼の優しさが溢れていた。でも、その優しい言葉でも俺を斬るには十分だった。
今思えば本当に自分勝手な行動だ。相手の気持ちを全く思いやれていなかった。でもその時はほんとにああもう気持ち悪がられた、嫌われたとしか思えなくて、接し方が分かんなくって、変に距離を置いていた。でもそれがあっちのためだとも思っていた。自分に告白してきた男なんて気持ち悪いに決まってるから。
でも、ほんとにどんな運命なんだか知らないけど同じグループになった。
ますますどう居ればいいのか分かんなくて、最初の頃はもうメンバー全員嫌いっていうか、苦手って言うか、多分キャパオーバーだったんだろうな。
で、なんか不仲でいじられたりして。俺以上にあっちが可哀想だよ、全部俺が勝手にやって、勝手にいじられて。でもそれにのってくれるのが、俺の好きな優しいところだった。
正直、振られても気持ちは変わらなかった。そりゃ1度はやめようと思って頑張ってみたけどやっぱり気持ちってのは変えようと思って変わるもんじゃなくて。
それに、今まで以上に近くにいるもんだから今まで知らなかったところも時々あったりして、ほんとに、喋れなくなった。喋ったら溢れてしまいそうで。
樹には告白以降相談はしていなかった。だけど察したのか、いつでも話は聞くと何度も言ってくれた。俺は話せなかった。これを相談したら振られたっていう事実をまた突きつけられるよう で怖かった。
まあそこからはずっと好きなのは変わりない。見る度に可愛いとも、美しいとも、かっこいいとも思う。俺を見てほしいとも思う。でもさすがに俺も大人になって、職業病なのかも知んないけど芝居も上手くなって、気持ちを隠せるようになってきたから、ちょっとずつ話せるようになってきた。
今はもういてくれれば幸せだし、一緒に仕事ができてるってだけでも満足だ。付き合いたいなんて思わない。ただ、ただ一緒にSixTONESとして人生を終えれたら俺にとってそれが一番の幸福だと感じる。
まあこんなところかな。自分で書いてて本当に恥ずかしかったけどなんとなく向き合えたような気もする。
俺の幸せは京本大我が幸せであることっていう、再確認も、できたと思う。
これからの人生、どうなるかは分からないけども俺と京本の線があるとしたら多分平行線だと思う。交わることは、きっとない。
でもメンバーっていう、限りなく近い距離で京本がいつか他の人と幸せになって、京本の人生を歩んでいくのを見れたらそれはそれで、まあ、俺の人生の最骨頂なのかなとも今は思える。
じゃあ、まあこないと思うけど、 またこれを読み返す日まで。
松村北斗
草(腐)。
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らびゅ🫶💕〜!
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コメント
1件
拝読しました。松村北斗さんの一人称で綴られたノート形式、心の内がひたひたと伝わってくるようで胸が締め付けられました。特に「平行線」という表現に、彼なりの諦念と、それでも隣にいられる幸せを噛みしめる複雑な感情が詰まっていて…。好きな人の優しさが逆に刃になる瞬間の描写も、本当にリアルだった。大人になった今も変わらぬ想いを抱えながら、ただ同じグループでいられるだけで満足だと思えるその距離感に、切なくも温かい気持ちになりました。素敵な作品をありがとうございます。