テラーノベル
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角砂糖
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「っ……、うっ、あぁっ……!」
二日目の朝――まだ夜の帳が完全に上がりきらない薄暗い密室の中で、小柳は鈍い頭痛の残る頭を揺すられながら、苦悶のうめき声を漏らしてゆっくりと瞼を持ち上げた。
視界に飛び込んできたのは、昨日と変わらない天井と、部屋の壁や床に這う不気味な術式の紋様だ。それらは生き物のように微かに明滅し、小柳の妖力と体力を容赦なく削り取っていく。
「……起きたか、オオカミ。よく眠れたやろ?」
低い関西弁の囁きと共に、すぐ間近に叢雲の顔があった。ベッドの縁に腰掛けた彼は、どこか冷ややかな、それでいて底知れぬ熱と執着を孕んだ瞳で小柳を見下ろしている。
小柳は荒い息を吐きながら、反射的に身を退こうとした。しかし、手首には相変わらず冷たい手錠がかけられ、びくともしない頑丈なベッドのフレームにガッチリと固定されている。逃げ場など、最初から存在しない。
「……カゲツ、お前……っ! ふざけんな、その鍵さっさと開けろ……っ!」
「朝からそんな威勢ええ声出せるんやな。昨日あんなにめちゃくちゃにされて、頭も強く打っとるくせに……まだその尖った気性、全然折れてないんか」
冷淡でありながら、内側にドロドロとした独占欲を煮詰めたような声色で、叢雲はあざけるように微笑んだ。
小柳は頭の奥でガンガンと割れるような痛みに顔を歪めながらも、野生のそれのような鋭い牙を剥き出しにして威嚇する。
「ざけんな……! こんな真似して、許されると思ってのかよ……っ! お前ら、全員まとめて……っぐあ!」
怒声を上げようとした瞬間、叢雲はそのあごを容赦なく掴み上げ、強制的に自分の方へと顔を向けさせた。逃げることも、顔を背けることも許さない、有無を言わせぬ力加減だった。
「痛っ……! 触るな、気持ち悪い……っ!」
「許してほしいなんて最初から頼まれとらんわ。お前が勝手に逃げ回るから、こうやって僕の言うことしか聞かんように、身体の芯まで叩き込まなあかんねん」
言い終わるやいなや、忍びである叢雲の素早い手際によって、小柳のシャツの合わせ目がビリリと音を立てて無残に引き裂かれた。
「っ、おまっ……何すんだよ、ふざけんな……っ! 勝手に服破りやがって、おい、クソが……!」
「うるさいな。汚い言葉ばっか吐いて、ほんまに鳴き声以外のいらん声が多いわ」
冷たく言い放つと、叢雲はポケットから黒いゴム製のボールギャグを取り出した。
「オオカミなんてな、吠えるだけの口は塞いどくのが一番お似合いやねん。ほら、口開けや」
「はっ……? おい、カゲツ、そんなもん突っ込むんじゃ……っんぐ……!」
激しく首を振って拒絶しようとした小柳だったが、忍びの巧みな体捌きであっさり顎を固定され、容赦なく口の中にボールを押し込まれてバックルを背後で留められる。
「んっ……ふっ、うぅーっ……!」
唾液が伝い、言いたいこともまともに発せられなくなった小柳の口内からは、ただ情けない水音とくぐもった抗議のうめき声しか漏れ出さない。
その無様な姿に満足したように、叢雲は冷ややかな笑みを浮かべ、さらに小柳の太ももを容赦なく押し開いた。
「おとなしく僕の言うことだけ考えさせてあげるからな……っ」
「んぐっ……ふ、うぅ……っ!」
小柳は必死に身をよじり、押し開かれた太ももを閉じようと力を込めたが、叢雲の指はまるで鉄の爪のように食い込んで動かない。
忍びとして鍛え上げられたその手は、小柳の抵抗などまるで子供のあがきのようにしか感じさせなかった。
「ほら、また無駄に力入れて……そんなんやから余計に締め付けられて苦しなるんやで」
叢雲はわざとらしく耳元で囁くと、空いた方の手を小柳の腰から尻へと滑らせ、ぐっと持ち上げるようにして体勢を整えていく。
「んぅっ……! ふ、うぅー……っ!」
口を塞がれた小柳の抗議は、ただ鼻にかかったくぐもった音になるばかり。目尻にじわりと涙が滲み、怒りと屈辱で顔が紅潮していくのが、薄暗い部屋の中でもはっきりと見て取れた。
「ええ顔やん。そうやって涙目で睨んでくるとこ、嫌いやないで」
叢雲はにやりと笑うと、ボールギャグのせいで閉じられない小柳の口元から伝う唾液を、指の背でぬぐうように撫で上げる。
「っ……んん……っ!」
小柳が顔を背けようとすると、その顎をもう一度強く掴まれ、無理やり正面を向かされた。叢雲の目は笑っているのに、奥底には有無を言わせぬ冷たい光が宿っている。
「ええか、小柳。お前がこれから感じるのは痛みやない。お前がこれから覚えるんは、僕の与える快感だけや」
「んっ……! ふざ……けんな……っ」
言い返そうとしても、口の中のボールが邪魔をして言葉はただの曖昧な音に潰される。それでも小柳は目だけは絶対に屈しないとばかりに叢雲を睨み続けた。
「強情やなあ。まあ、その方が折り甲斐があるっちゅうもんや」
叢雲は小柳の膝裏を抱え込むようにして、一気に両足を折り曲げさせた。太ももの内側から尻までが無防備に晒される格好になり、小柳の全身がびくりと跳ねる。
「ふっ……うぅっ……!」
「ほら、力抜き。……じゃないと、お前が苦しむだけやで」
その声はどこか優しげですらあったが、指先は容赦なく小柳の中心へと伸びていき、まだ何も触れていないというのに、期待と恐怖で小柳の腰が小さく揺れた。
「……もう、感じとるんか」
叢雲はわざと小柳の耳に息を吹き込むように囁き、指先でうっすらと汗の滲んだ下腹部をなぞる。その動きはじれったいほどゆっくりで、触れそうで触れない絶妙な距離を保ちながら、皮膚の上を滑っていく。
「ん……っ、んん……!」
「声、我慢しても無駄やで。どうせこれから、もっと聞かせてもらうんやから」
叢雲の指が小柳の中心に触れた瞬間、小柳の背中が弓なりに反れ、くぐもった悲鳴が漏れた。その反応を見て、叢雲は満足げに目を細める。
「ええな、そういう素直な反応は嫌いやないで」
「……っ、ん……ふ……っ!」
「んっ……うぅ……っ!」
中心を執拗に扱き上げられながら、小柳は必死に声を殺そうと唇を噛みしめたが、ボールギャグに遮られて歯を立てることすらままならない。唾液が顎を伝い、シーツにぽたりと落ちる。
「ええ声やん。もっと聞かせてみいや」
叢雲は小柳の反応を楽しむように、片方の手を小柳の胸元へと這わせた。引き裂かれたシャツの間から覗く肌は汗でしっとりと濡れ、薄暗い灯りの下で艶めかしく光っている。
「ここ、触ってほしいんやろ?」
(っ……! ちが……っ)
否定しようとした小柳の声が、突然ひときわ高く裏返った。叢雲の指先が、ぷくりと立ち上がりかけた乳首を、わざと爪の先でかりかりと引っ掻くように刺激したからだ。
「んんんっ……! ふぅ……っ!」
「ん?、ええ反応や。乳首だけでこんなに感じるんか」
(ちが……ぅ…んっ……!)
違う、と否定したいのに、叢雲の指が乳首を摘み、こりこりと捏ね回すたびに、小柳の腰が勝手に跳ねてしまう。中心への愛撫と同時に与えられる二重の刺激に、小柳の思考はじわじわと白く霞んでいく。
「こっちも、ちゃんと可愛がったらなあかんな」
叢雲はそう言うと、もう片方の乳首にも指を伸ばし、両方同時に摘み上げるようにしてぐりぐりと押し潰した。
「ひっ……! んぐ……ぅうっ……!」
痛みと快感の境目が溶けるような感覚に、小柳の背中が大きくしなる。ボールギャグの隙間から、抑えきれない唾液がぼたぼたと溢れ、顎から首筋を伝って鎖骨の窪みに溜まっていく。
「口塞がれて、よだれ垂らして、乳首いじられて、ここも触られて……。ほんま、みっともなくてええわあ」
「ん……っ、んん……!」
「そんなに首振って否定しても、身体は正直やで。ここ、もうびちょびちょやんか」
叢雲の指が、小柳の先端をぬるりと撫で上げる。くちゅ、という濡れた音がやけに大きく響いて、小柳は羞恥に目の前が赤くなるのを感じた。
「……っ、ううぅ……っ」
「ほら、乳首ばっかり責められて、そんなに感じるんか。ここと、ここ、どっちがいいか自分で選ばせたろか」
叢雲は小柳の乳首を弾くようにしながら、中心を扱く手の速度を不意に緩めた。焦らすような緩慢な動きに、小柳の身体がもどかしさで小さく震える。
「……んっ、んん……!」
「どっちがええか、指で教えてみい。お前の口は、今は使えんやろ」
その言葉に、小柳は悔しさで目の奥が熱くなった。だが、体中を駆け巡る疼きはごまかしようがなく、小柳は震える手をそっと持ち上げ、叢雲の腕に縋るように触れた。
「……へえ、両方か。欲張りやなあ」
叢雲は意地の悪い笑みを浮かべ、乳首を摘み上げる指にさらに力を込めた。
「ええで、たっぷり可愛がったるわ。その代わり、お前の鳴き声、もっと聞かせてや」
「んんんっ……! ふぁ……っ!」
暗い部屋に、くぐもった泣き声と濡れた水音だけが、いつまでも響き続けた。
「ふう……っ、ふうぅ……っ」
ようやくボールギャグを外された小柳は、がくがくと震える膝を抱え込み、壁際に追いやられたまま荒い息を繰り返していた。汗と唾液と涙と、自分でもよくわからない体液で全身がぐしょぐしょに濡れている。
「今日のところはこれくらいにしといたるわ」
叢雲はそう言うと、乱れた着物の襟を直しながら、壁にもたれかかって座り込む小柳を見下ろした。
「なにが……これくらいだ……ふざけんな……」
「ふざけてへんよ。初日やから、これでも加減したほうやで」
「やっていれてないやろ」
「いれ…っ!?」
叢雲はしゃがみ込むと、小柳の顎をくいと持ち上げる。力の抜けた小柳の顔は、先ほどまでの抵抗の意志が嘘のようにぐったりと疲れ切っていて、目元は赤く腫れぼったくなっていた。
「調教ちゅうのはな、一朝一夕にはいかんの。お前が素直に僕の言うことを聞けるようになるまで、毎日少しずつ、身体に覚えさせていくんやで」
「毎日……だと……?」
「せや。今日はまず、オオカミの口を塞いで、乳首とここをちょっと可愛がっただけや」
叢雲の指が小柳のまだ敏感な胸の先端を軽くつつく。それだけで小柳の肩がびくりと跳ねた。
「っ……やめ……」
「それから、オオカミに教えたルールは三つや」
叢雲は指を一本ずつ立てながら、淡々と言葉を紡いでいく。
「ひとつ、僕らの言うことには従うこと。ふたつ、逃げようとしたら罰を与えること。みっつ、感じたら素直に声を出すこと」
「そんなルール……誰が……」
「守れんかったら、どうなるか……わからせたるのが調教や」
叢雲は立ち上がると、部屋の隅にある小さな棚から何かを取り出した。じゃらりと鎖が擦れる音がして、小柳の背筋に冷たいものが走る。
「今日は最初やから、軽い枷だけにしといたる」
そう言って叢雲が手にしていたのは、細い鎖のついた革製の首輪だった。黒く艶やかな革には、小さな銀の金具がついていて、それが冷たく光っている。
「首輪………? ふざけるな、そんなもん……!」
「お前が逃げ出さへんようにするためのもんや。これも訓練の一環やで」
小柳が抵抗しようとするよりも早く、叢雲の手は慣れた動作で小柳の首に革の首輪を巻きつけていた。かちりと金具がはまる小さな音が、妙に部屋に響く。
「っ……外せ……これを……!」
「嫌や」
叢雲は首輪から伸びる鎖を、壁に打ち込まれた頑丈そうな金具に繋ぐ。鎖は小柳が部屋の中を這い回るくらいの長さは
あるものの、扉まではとても届かない。
「これでオオカミは、僕の許可なくこの部屋から出られへんようになった」
「くそ……っ、こんな……!」
小柳は首輪に手をかけて必死に外そうとしたが、後ろで留められた金具はびくともしない。鎖を引っ張っても、壁の金具は微動だにしなかった。
「明日はもう少し……別のことも教えたるわ。せやから今夜はゆっくり寝とき」
「待て……っ! おい、どこに行くんだ……!」
コメント
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ま〜マ〜ジでで最高でした!続きめちゃくちゃ楽しみです。待ってます☺️
あ〜〜〜もう読んだ読んだ!!😭💕💕 3話も一気に読んじゃったよ…!!叢雲くんの関西弁×執着のコンボがもうエモすぎてヤバい……「折り甲斐がある」ってドS発言でしょこれ!!小柳くんの強情なとこと、でも身体は素直に反応しちゃうとこのギャップがね、たまらんのよ……😭💘 首輪付けられちゃって「明日は別のことも教えたる」って続きの伏線、気になりすぎて発狂しそう!早く次読みたいよ〜!!朔夜先生、尊い作品ありがとうございます…!!🌸💫