fwak
女体化注意
幸せじゃないです。
続編希望があれば続編作ります。
希望ある場合はコメントにて…教えてください……
赤いメッシュ
端的に言えば水色の瞳
高くも低くもない身長と、声。
どこぞのスポーツ少年のような格好をした俺。
それが三枝明那。
俺は、俺じゃないといけない。
自分らしくいるために、俺はバーチャルライバーになったのだから。
「じゃお疲れ様でしたー!!!」
3時間程つけた配信を切る。
グッ…と両腕を上に伸ばして伸びをする。
肩と腰がバキバキと音を立てた。痛いけど気持ちい。身体がほぐれた気がした。
ピロン
スマホが音を立てる。
なんの通知だろう?と、スマホスタンドに立てているスマホを手に取りロックを解除した。
…ふわっちからだ。
「……飯」
それは、ふわっちからご飯の誘いだった。
ふわっちと、ご飯……
ご飯のことを考えるとお腹がすいてきた。
折角だからふわっちとご飯に行こう!…ふわっちにも、会いたいし?
ほぼ二つ返事で連絡を返し、わざわざふわっちが家まで迎えに来てくれることに決まったので
スマホをポケットに入れて部屋を飛び出す。
洗面所の前で、髪を整える。
だって、これからふわっちと会うのだ。
見て居られない姿で彼の隣に立つのは随分と勇気がいる行動だ。
ふわっちの隣では、最高に綺麗な自分で居たい。
だって、好きな人には綺麗に見られたいじゃん?
「……よし、!!」
髪を整えたので、折角なら着替えようか…とも思ったが、やめておいた。
…この服を脱ぐと、俺じゃなくなる気がして。
どうしても、私服で他のライバーと会うことだけはダメだった。
俺のイメージが崩れると困るから。
俺は、俺じゃなきゃダメなんだ。
俺は、三枝明那じゃないと。
三枝明那じゃない俺は、きっと受け入れてもらえないから。
そんなことを考えているうちに、ふわっちが来た。
チャイムの音が家に響いたため、荷物を持って玄関に向かった。
「ふわっち!」
『あきな~、お疲れ!』
「お疲れ!!!行こうぜ!」
ふわっちの腕を取って歩き出す。
いつも通りにゃはは、と笑ったふわっちは
今日会った出来事を沢山話してくれた。
…やっぱり、ふわっちといる間は酷く落ち着く。
落ち着きすぎて、逆に怖い。
店に着いた。
どうやら個室ですでに予約していたようだった。
すんなりと案内された俺たちは、完全個室の所で酒を飲みだした。
ふわっちと話すのが楽しくて、グイグイ進むお酒。
お酒自体久しぶりだったので、尚更楽しかった。
随分と進むペースがはやかったのか、トイレに行きたくなった。
「まじふわっちといるのさいこう…!!!ごめ、俺トイレいってくるわぁ」
『トイレ?いっといれ~!!』
「ぶはッ!!まじでおもしろくない」
そう言いながら俺は席を立ってトイレに向かった。
右、左…と歩くとトイレを見つける。
中に入り個室の扉を閉めると、ポケットからスマホを出そうと漁った。
「…あれ?」
ない。
スマホが、ない。
一先ずトイレをすましてから再度ポケットを漁ったが、やはりない。
家に置いてきたのかなぁ…?
なんて、お酒が入って頭の回らない状態で必死に考えた。
「…とりあえず戻ろ~」
トイレから出て、ふわっちの居るところまで戻る。
ここの居酒屋、個室には扉が付いているから本当に完全個室で良い。
しかも結構防音だからわりと騒いでも問題ないのが嬉しいポイント。
ふわっちよくこんな所知ってるよな~!
引き戸を開けて、「ただいま帰りましたぁ~!!」なんて、ふわふわとした言葉で紡ぐ。
…だが、なんの反応もない。
可笑しいな…と思いつつ、ふわっちのことを見た。
「ふわっちぃ?…あれ、俺のすまほ…ここにあったの?てか、なんで見て…」
ふわっちは、部屋の出入口側に座っていた。
俺は奥側。
俺が部屋に入るときは、ふわっちの背中しか見えないのだ。
赤いスマホケースを持ってるふわっちを見て、俺のスマホだと確信した。
ふわっちの肩からスマホをのぞくと、それはまゆとのメッセージだった。
…まゆ、?
「…え」
まゆ?
まゆずみ、かい…?
おれの、秘密をゆいいつしっている、しんゆう……?
それを理解した途端、ふわっちの手からスマホを取り上げる。
ふわっちの顔が見れない。
息が、上がる。
汗が、止まらない。
ねぇ、ふわっち
ふわっちは今、どんな顔をしているの?
『…あき、な……』
「ッ」
ふわっちが、俺の顔を見る。
見るに堪えない、俺の顔。
青ざめて、震えて、冷や汗が出て、瞳を見開く俺の顔を。
『あき、な……あきなって、
____女の子、だったの…?』
その言葉を聞いて、俺の中の何かが崩れた。
ばれちゃった。
今まで、まゆしか知らないかったのに。
手に持ったスマホが震える。
それを見ると、まゆからメッセージが入っていた。
【不破くん?まって、明那のスマホみたの?】
【ねえ不破くん】
【まゆ、ふわっちにばれちゃった】
それだけ送って、スマホをポケットに入れた。
『明那…なんで、なんで隠してたの…』
「……」
ふわっちの言葉にすぐは答えられなかった。
だって聞きたくないでしょう。
今まで親友のことをだましていた奴の言葉なんて。
信じられないでしょう。
まゆはわかってて、自分は知らなかったこの状況が。
「……ごめん、ごめんね、ふわっち…」
『…そんなに、俺のこと信用できないの?』
「ッちが、」
『もういいや。』
その言葉は、今の俺を壊すのには十分すぎた言葉で。
俺の、心が壊れるのも当たり前で。
鼻の奥がツーンとする。
視界が歪む。
ふわっちの顔が見れない。
いや、逆にその方がいいかも。
それでも、泣いてる顔をふわっちには見られたくなかった。
だって、こんな俺より泣きたいのはふわっちの方でしょ…?
袖で涙を拭って、ふわっちの顔を見る。
『…!明那、泣いて』
「___ごめんね、不破くん。」
あぁ、ふわっちの最後に俺はどう映ったかな。
もう親友どころか、友達も失格だなぁ。
何かを言おうとするふわっちを待たず、財布からお金を取り出して机に置く。
幸い持ってきた荷物はスマホと財布だけだったのでそのまま部屋を飛び出した。
後からふわっちの声がする。
『ッ明那、待って、明那!!!!待てって!!』
ふわっちは追いかけてこれないでしょ?
お会計、済んでないもの。
俺はただひたすら走った。
これからどうしようかなぁ。
俺は、もう一人の親友に…いや、たった一人の親友に連絡を入れた。
【もう、これからふわっちと関わるのやめる。】
【ライバーも、このままじゃ出来ないや。】
俺は、俺で居られない。
あたしは、もう男性の【三枝明那】じゃ居られない。
あの時点で理解されないなら、さっさと消えてしまおう。
綺麗なあの人の記憶に、汚いあたしはいちゃいけないから。
よく頑張ったね、【三枝明那】
でも、もう頑張らなくていいんだよ。
もう、いいの。
もう、だいじょうぶだから。
結局、誰も理解できないししないんだから。
もう、消えてしまおう。
「ばいばい。」
コメント
2件
やばい、、、好きすぎる。続編欲しいです!!!!
めっちゃ好きです…明那が女体化してるなんて最高です!!