第7話 開幕
※N年前のお話
あの後、後処理をして ころん先輩を家まで送った。
ころん先輩はずっと笑顔でいてくれたけど、時々 笑顔を枯らして瞳を震わせていた。
💙「ありがとね。色々。」
❤️「いやいや..あんな状態だったら助けるに決まってますし、!」
💙「あはは、確かにそうだね、笑」
💙「でも ほんとにありがとう」
💙「あのままだったら、僕 今頃すごいことになってたかも..」
俺は耳が良かったから奇跡的に気づけたけど、気づけなかったら 今頃..
壊れる寸前。いや、もう壊れているほどまで痛めつけられていたかもしれない。
あの状態でも 見るのが辛いほどだったのに、これ以上なんて、もう..
❤️「ほんとに、っ気づけて良かったです、」
💙「ちょっとー、泣かないでよ~!」
止めることができない涙を、ころん先輩は優しく手拭ってくれる。
その手は、少し震えていた。
❤️「すいません、っ ありがとうございます、」
💙「ほんとに、莉犬くんは泣き虫なんだね」
💙「そんなに 他人のために涙流してたら すぐ涙が枯れちゃうよ?」
❤️「いいです、。ころん先輩のためなら、」
ころん先輩は 驚いた後 笑顔になった
❤️「逆になんで 泣かないんですか、!?」
💙「えへへ..」
💙「それこそ、ほんとに涙が枯れちゃって、。」
確かに。家に送る途中も瞳が震えるだけで涙という涙は出ていなかった。
💙「もう、襲われた瞬間から..枯れてたから。」
また 遠い目をする。
💙「..ぁっ、ごめんね!こんなに家の前で話しちゃって、!」
❤️「いえいえ、全然っ」
もう 空は橙色に染まりきっていた。
💙「じゃ、また学校でね、!」
❤️「はいっ」
先輩は、俺ところん先輩のお互いの姿が見えなくなるまで ずっと手を振り続けてくれた。
ー
次の日
憂鬱な4時間目が終わり、昼休みの時間になった。
俺は いつものメンバーで昼ごはんを食べようとした。
友「莉犬ー??早く食べよーぜ!」
❤️「ちょっと待ってっ」
友「早くこねーと先食べちまうぞ」
❤️「今行くから!ちょっと待ってって!」
いつもと同じような会話をしている時。
何やら クラスがざわざわとしていることに気がついた。
❤️「..みんなどうしたの、?」
友「たしかになー、なんか女子がざわざわしてるよな」
友「すごい 扉近くに集まって誰かを囲んでるよね」
❤️「有名人かなんかが来たんかな~?」
クラスの大半の女子が扉の近くに集まって1人を囲んでいる。
ちらっと見えたその1人の髪は水色に輝いていた。
❤️「…ころん先輩、?」
友「..え?あの、!?!?」
❤️「ほら、あの髪..」
友「ぅおお!ほんとだ!ころん先輩じゃん!」
友「なんで俺ら1年のクラスに?」
友「誰かを呼びに来たんじゃね!?」
友「いいな~ころん先輩に呼ばれるやつは幸せ者だよな~」
ころん先輩は、この学校の王子様と言っても過言では無い。
女子にはもちろん、男子からの人気もすごいのだ。
❤️「だね~」
ま、俺には関係の無いことだけ
💙「ぁ、莉犬くん!!」
❤️「へ!?」
囲まれている 女子の間から俺に向かって手を振ってきた
友「え、莉犬呼ばれたよな!?」
❤️「やっぱ呼ばれた、!?聞き間違いじゃないよね?」
❤️「ち、ちょっと行ってくる!」
俺はダッシュで 女子の間を潜り抜けてころん先輩の元へ向かった。
❤️「..どうしたんですか、!?」
💙「やっときてくれた~」
💙「ほら、前に『また学校でね』って言ったでしょ?」
❤️「そうですけど..」
💙「だから来ちゃった!一緒にお弁当食べよ?」
前の件で お話を兼ねてお昼ご飯を一緒に食べるみたいだ。
もちろん食べたいのだが..友達は..
友達に視線を送ると、大きな身振り手振りでOKを出してくれていた。
急いで走ってきたので 俺はお弁当を手に持ったままだった。
❤️「はいっ 食べましょっ、!」
💙「やった!じゃあこっち来て~!」
❤️「おわっっ!」
先輩は 俺の手首を掴んでどこかへ走っていく。
ついた先は屋上前の階段だった。
❤️「こんなところ..いいんですか、?」
💙「んー多分いいでしょっ」
💙「前から使ってるし、?」
❤️「さすがですね..笑」
💙「流石 って失礼じゃない!?」
💙「僕をなんだと思ってるの!?」
でも、先輩は 先生にも気に入られているだろうから、こういう場所を使ってても怒られないだろうな。
❤️「ごめんなさいごめんなさい!冗談ですって!」
💙「はぁ、良かった、笑」
優しい笑みを浮かべて 冗談らしく胸を撫で下ろした。
💙「ほら、座ってよ?」
❤️「はい..っ」
屋上に続く扉の前の階段に俺らは座った。
体がくっつくほどの近さで、この近さでご飯を食べるのは少し恥ずかしさを感じる。
❤️「..はむ、っ..ん..」
💙「..笑」
❤️「え、なんかありました!?」
💙「いや、美味しそうに食べるなぁと思って、笑」
💙「自分が作ったご飯を 莉犬くんに食べてもらったら幸せだろうな~、笑」
❤️「先輩の手作りを食べれる方が幸せだと思いますけどね?」
💙「そう?」
💙「じゃあ、僕の手作りご飯食べてみる?」
そう言って、先輩はお弁当を差し出してきた。
❤️「え!これ先輩が自分で作ったんですか!」
💙「そうだよ~」
💙「さすがでしょ?笑」
❤️「..! さすがです、笑」
💙「んふ、ありがと」
イケメンが微笑むと、何故こんなにも絵になるのだろうか。
不意にも「かっこいい」と思ってしまった。
💙「今日はね~卵焼きが上手くできたんだ~」
❤️「そ~なんですかっ」
💙「ほら、あ~」
❤️「え!?」
💙「ん~、やだった、?」
先輩からのあーんに嫌という気持ちは全然ない。それよりも 恥ずかしいという気持ちがあった。
首を傾げている先輩はとっても可愛くて、
❤️「ぃい..です、」
その可愛さに押されて負けてしまった。
💙「んへ、やった、!」
💙「はい、あ~」
❤️「んっ」
❤️「んむ、っ..」
口の中に甘みの強い美味しさが広がった
❤️「めっっちゃ美味しいですっ!」
💙「ほんと!嬉しいな~!」
そう言って微笑む先輩は、いい意味で 前の出来事があったようには見えなかった。
❤️「..あの、今日の目的って..」
💙「ぁ~、そうだった、」
💙「前のことで話したくて、っ」
❤️「ですよね~」
それ以外の目的があるとは思わないし。
あーんをされて..「俺と世間話がしたくて誘ったのかな」と少し浮ついていた自分が恥ずかしい。
💙「ですよねって何さ、笑」
❤️「そのまんまの通りです笑」
💙「だとしたら 言い方悪いぞ~笑」
❤️「えへへ、ごめんなさい、笑」
これが まともな状態での初めての会話だとは思えないほど、先輩とはとっても話しやすい。
💙「ん~とさ?あの、僕がやられてた人達覚えてる?」
❤️「あの..7人ぐらいの人達ですか、?」
💙「そうそう。」
💙「そいつらさ、僕の中学生の同級生なんだよね」
❤️「なるほど..」
💙「..で、僕をいじめてきてたやつ。」
❤️「..へ、?」
先輩が虐められる姿は想像がつかない。
誰にでも好かれて、王子様みたいな人が..。
そもそも、今は高校生だ。
なぜ、中学生の人が..?
💙「中学生の時の僕はさ、親とか~先生とか、友達とか 色んな人に好かれるためにいっぱい努力してたの。」
💙「その努力のおかげで 毎日の学校生活はとっても楽しかったよ」
💙「でも..その7人は僕の努力が許せなかったんだって。」
❤️「それって、みんなから人気者の先輩が気に入らなかったってことですか、?」
💙「多分ね」
💙「ほんとに子供だよね、笑」
❤️「ガキすぎますね..」
💙「で、僕ひとりを標的にして7人でいじめてきた。」
💙「誰にもみられない教室に放課後連れていかれてさ、殴られて..やらされて..の繰り返し。」
中学生とは思えないほどのいじめ。聞いているだけで胸が苦しくなる。
もっと..それよりも軽いいじめを想像していた。
💙「でさ、僕はみんなに好かれようと努力してたから、いじめられてる なんて誰にも言えなかった。」
💙「それを利用してあいつらのいじめはどんどんエスカレートしていった。」
❤️「例えば..?」
💙「例えば..?なんだろな、」
💙「..あー、デリヘルとして稼ぎに行ったことはあったよ。」
💙「やられるだけやられて、稼いだお金はもちろんそいつらの。」
❤️「酷すぎる…」
💙「ほんとに、なんで周りの人に相談しなかったのかなって思ってるよ。」
❤️「え、卒業するまで..ですか?」
💙「うん..笑」
💙「いじめられたのが1年の最後ぐらいで..そこから卒業までずっと言わなかった。」
❤️「あほじゃないですか..!!?」
💙「今思うとね笑」
この微笑みの裏にはたくさんの事を抱えていた。
先輩の人柄の良さが裏目に出てしまうこともあるなんて、衝撃だった。
💙「..で、前やってきた理由はさ?」
❤️「はい..」
第7話 閉幕
変なところで切ってすいません!!そして投稿久しぶりすぎてすいません!!
このお話で、青の中学生時代はあかせることが出来ました、!
まだ前の出来事が起こった理由などはあかせてないので次のお話で明かしていこうかなと思います!
このお話には..青赤てぇてぇも入れたので、楽しんでいただけたのではないでしょうか..、!?
それでは、また次のお話で_
コメント
2件
すっごく尊かったです⊂(☆∀☆⊂\\\ 次回楽しみにしてます