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壊れる。壊れていく。わかっているのに、止められない。きっかけは何だったか──いや、きっかけなど無かったのだろう。日常の些細な痛みが、苦しみが、積み重なって軋みを上げる。
「辛いのは皆同じだよ」
「君だけが苦しい訳じゃないだろう」
「貴女だって、悪かったんじゃない」
頭の中を反響する、無数の声達。彼らに悪意など無い。害意など無い。彼らの言う事は正しい。間違っているのは私だ。私が全て悪いんだ。悪気の無い弄りに耐えかねて、手を出してしまった。私が悪い。私が加害者だ。でも、でも、でも──!
私が悪なら、この涙はどうして出るんだ。私のせいなら、どうしてこんなに苦しいんだ。
毎夜泣き明かす私の気持ちなど、誰も知ろうとはしない。涙の事さえ、きっと誰も知らない。それで良い、それで良いんだ、だって私が悪なのだから。これは罰だ。自業自得の報いなんだ。
明日は、また学校だ。行きたくない。いや、生きたくない。
この世界にさよならを告げられる勇気さえ、愚かで弱い私は持っていないと言うのに。