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あ゙あ゙っ尊いっっっっ
これだから作法委員会は尊いんだよな(◜¬◝ )
次に目を開けると、心配そうに僕の顔を覗き込む佐吉達の姿があった。
「佐吉、」
「伝七、大丈夫か?」
「うん。傷は痛むけど平気。」
体を起こすと、彦四郎が支えてくれた。
「まだ傷塞がってないんだから安静にしてないと。」
「そういえば伝七、立花先輩と仲良く寝たんでしょー。」
「なっ、何でそれを!」
「作法委員会の人達が言ってたんだよ。自分達も伝七といっしょに寝たかったーって。」
「綾部先輩なんて、すねて朝から立花先輩を落とし穴に落とそうとたくさん蛸壺を掘ってるよ。」
「まぁ、立花先輩が落ちることなんてなくて、全部不運委員会もとい保健委員会が落ちてるよ。」
「フッ、何だよそれ。」
「それだけ、愛されてるってことだね。」
一平がそう言うと、佐吉と彦四郎もニッコリ笑った。
「伝七が寝てる間、大変だったんだからね!委員会の先輩方にどれだけ僕が大切なのかを力説されてさ~。」
「そうそう、もう勘弁してって感じ。」
「あんな必死に言われると、自分は何も知らなかったんだなって思うよ。」
「ほんと、もう愛されてないなんて思えないし言えないよ。」
「だな。」
僕がそう言うと、襖が開いた。
「起きたのか、伝七。」
「立花先輩、」
「食堂のおばちゃんから握り飯を作ってもらったんだ。普通よりも小さく握ってもらったから食べやすいと思う。」
そう言って僕のそばに握り飯をおいた。
「お前達、委員会の奴らが探していたぞ。」
「「「えっ!?」」」
「早く行ったほうがいいんじゃないか?尾浜なんて泣きながら探してるぞ。」
「うそっ!たっ立花先輩、僕は失礼します!伝七また後で!」
「あっああ、」
「ちょっ、ちょっと彦四郎!」
「待ってよ!」
慌てて部屋を飛び出して行った3人を呆然と見ていると、急に頭を撫でられた。
「せっ先輩、」
「……私の聞き間違えか何かかな?伝七、お前は自分は愛されてないと思ってた、みたいな話をしてなかったか?」
「えっ、」
いつも通りの声色のはずなのに、場の空気が重くなった気がした。
恐る恐る先輩の顔を見ると、ニッコリ、という効果音がピッタリの顔をした立花先輩が僕の方を見ていた。
「ヒエッ。」
思わず体を縮こまらせると、頬に先輩のきれいな手が当てられた。
「馬鹿だな、伝七。愛してないわけ無いだろう。」
「ぇ、」
「愛せてないなら、雨の中お前達い組を探しに行ったりしないし、こうやって見舞いにも来ない。お前は私の大事な後輩だ。」
「先輩、」
「もう、そんなこと思わせないから覚悟しておけ。伝七。」
「……はい。」
こんな僕達も、愛してくれる人がいるんだ。