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注意 トラウマ モブ?(首絞め) 嘔吐
ハピエンのはず。
好きな物てんこ盛りですよ。
でも元気な時にこれみたら…は?ってなる未来が見えます。
気分によってBLだとしても見たいプレイとかって変わりますよね。なんでだろ。
ワンクも良い長さになってきたので。
大丈夫な方は見てってください。
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「…、ねえ、」
「え…あー、また今度な、」
「…ん、」
今日も傷つけてしまった。
付き合ってから数ヶ月が経って。たまに彼が夜誘ってくれる。
それ自体は嬉しいのだけれど。
しょうもない、トラウマというのだろうか。それがフラッシュバックしてくる。
そのせいで彼と営めずにいる。
本当は身体を委ねたい。
なんでこんな。最低だ。
「っ…よっ…、」
生活用品の買い出しが終わって袋を持ち上げる。色々入っててるが、もう成人済み。
困難なく、片手で持ち上げた。
昔は重たかったな、と成長を感じる。
昔たまに買い出しに行かされた時、手伝えと持たされたが重たくて、片手で持てたものの、腕が痛くなったのを覚えている。
…今は痛いなんて思えないな。
そんな昔話に浸っていると、カップルだろうか。幸せそうに腕組んで笑っていて。
羨ましい。
俺は…俺には相手がいるけど、実際。
付き合って、同棲してるだけで。
手を繋いだこともない。
絶対同棲と手を繋ぐのは逆だろう。
世間から見たら。
まあそんなのどうでもいいけど。
「ニキ〜帰ったぞ〜」
「ん、ボビー、おかえり」
何度も誘いを断ってるのに、彼は傍にいてくれる。
…本当は俺から離れたいんじゃ、
まだ決まってないのに決めつけんな、と頭を振って考えを飛ばす。
「…?どうしたの?」
「…え、あ、いや、」
変なのー、と笑って彼は生活用品をありがとうと受け取った。
夜。彼は編集したまま寝落ちしたようだった。デスクの灯がついたまま、椅子に座って目を閉じていた。
その寝顔はあまりに綺麗で、触れたくなるレベルだ。
自分のトラウマも忘れる程。
『ゆーた、っ!』
『ん?』
まだ小学低学年だった頃。友達の家で遊んでいた時。その時が来るまでは、ごくごく普通の子供だった。
『…、っ、う”…、!?』
『はは、w』
今思い返せば相当気が狂っていたと思う。
遊んでたはずが相手の手が俺の首にかかって。
『…かは…っ、え、な、…』
今だったら何すんじゃボケとでも言って顔面をぶん殴って終わりにしただろう。
でもあの時は人生もクソもない。
まだ何も知らない。何も知らないけど、まずい状況だったというのは理解出来た。
そのまま腕を掴まれて。何度も殴られて。
言いなりになって。そいつの白濁液をぶっかけられた。
抵抗できなかった俺も俺だが。
…それが酷いトラウマになって。
大人になった今でも、手を握ったり、抱きしめ合ったりすることが苦手だ。
苦手と言うか、出来ない。
運良くなのか、仕掛けてきた相手は同性だったから、異性とやることには困難はなかった。たまに吐き気はしたが。
でも、今現在好きなのは同性。
相手も俺に答えてくれているのに。
悔しさと申し訳なさ、色々な感情が混ざる。
「…、う”っ、」
思い出すタイミングが悪かった。
酷い吐き気と頭痛がして階段を駆け下りる。
ガチャン、と手洗い場の扉を開けてその場にしゃがみこむ。
「っ…お”え”…、う”…げほ、っ… 」
胃がねじ曲がる感覚がする。
あまりの激痛から床を思いっきり殴った。
「ひゅー、っ…かは、っ…」
息ができない。苦しい。
助けて。…言えない。言えるはずがない。
だって、
助けて貰ったところで人と触れるんだから、また吐き気のループだ。
自分でなんとかするしかない、と思った時、階段をこれまた勢いよく駆け下りる音がした。
「っ、ボビー、?」
まずい。やらかした。
「っ…、は、っ…はー、っ…」
「え、え?、ど、どうし…」
ニキは状況が上手く飲み込めないのか、言葉が詰まっているようだった。
「っ…だいじょう…ぶ、だから、」
「ど、どこが大丈夫なの、?」
「だから、とっとと、寝ろ…、っ、」
俺は彼をきつく睨んだ。
こうするしかなかったんだ。
ずっと自分が人に触れられないと言ってしまいたかった。楽になりたかった。
でも人と触れられないのに付き合う意味はどこにある?
そう捨てられるのが怖くて。ずっと言い出せなかった。
触れられないままだけど。彼のことは本当に大好きで。脳と身体が一致しなくて、今すぐに引き裂いてやりたかった。
どうして傷つける言い方でしか言えないんだろうか。
どうして傷つける言い方でしか生きられない人生なんだろうか。
悔しくて涙が出る。全部が矛盾していて嫌になる。
「こっち向いて…、」
彼の声につられて顔の向きを変える。
「ん”ん”、…!?」
振り向いた瞬間タオルで口を拭かれた。
彼は察してくれているのだろうか。
触れているのはタオルのみで俺と彼の間には距離がある。
もしかしたら嫌いなんじゃ、というまた矛盾したくだらない考えに涙が出る。
人には触れられないくせに距離があると苦しくなる。馬鹿みたいだ。
「…よし、ひとまず綺麗になった、」
「…、え、あ…」
「とりあえず風呂入ろ、立てる?」
「…、ん、」
ニキに連れられ、ゆっくりと立ち上がる。
ニキは俺があまり動かなくてもいいようになのか、ドアを開けて、シャワーの水を温めてくれた。
「…着替え置いとくから、着替えたら出てきて。それと、何かあったら呼んで。すぐそこにいるから。」
「…、ん…」
多分これは気づいてくれている。
でもどうして。
こんな矛盾してるのにこれを察せる人間はまあ少ない。
少なくとも、俺の周りは。
「ニキ…着替えありがと、」
「あ、おかえり。体調はどう?」
「ん…大丈夫、」
「そ、良かった。じゃあ寝ようか」
ベッドに入った時向かい合わせではあるが多少の距離はあった。
こんなに気遣ってくれているのに進めない自分に腹が立つ。そしてまた悔しさから涙が出た。
「…、大丈夫?」
優しい顔で聞いてくれるが、声は震えていて。きっと彼も同じ感情だろう。
進みたいけど、進めない。
彼の期待に答えられないのが悔しくて。
ずっと辛かった。
自分を、彼を。楽にしてやりたい。
「ん…、」
「…ちょ、え?ボビー、?」
彼は動揺しているのかまた言葉が詰まってる。
そりゃあ困惑だってするわな。
だって今の今まで、手すら繋がなかった相手が。
触れたこともない相手が、自分に飛びついているんだから。
暖かい。
少しゆっくりだが、ニキも同じくらいの力で抱きしめ返してくれた。
ああ、ずっと逃げてたんだな。
今凄く驚いてる。きっと、彼の何倍も。
人に触れなくなったのはその件の後。
人と触れ合うと吐き気と、身体に激痛が走って。そのまま倒れてしまいそうになったこともあった。
でも、今。触れるを通り越して抱き合ってると言うのに、どこも痛くない。なんなら心地良い。
ずっと同性はダメだと。敵だと言い聞かせてただけだった。
同じ過ちを繰り返したくなくて。
もっと早くこいつを信じるべきだった。
信じてない訳じゃなかったけど。
「え、ボビー、大丈夫、なの…、?」
「…おう。もう…もう、大丈夫」
「今、ニキのおかげで幸せになれたわ」
「…え?、そ、そう…?」
少し自分らしくないセリフが出て互いに驚いている。
「なあ…ニキ?」
「なあに?」
「もう一つ頼み事あるんやけど…」
「ん、いいよ、なに?」
「…俺の事、抱いて。」
「…え?」
「っ…はやく」
「あ、え、っ…いいの?」
「いいからいってんやけど…嫌…、?」
「…ほんと、?」
「おう、俺は本気」
「…そ、じゃあ、…」
夜が明けた、 あの後。
これまでにない程優しく抱かれた。
まだ相手は眠ったまま。
繋がれたことが嬉しくて。
寝てるのをいいことに抱きついた。
「…、愛してる」
返事は帰ってこない。当然だ。寝てるんだから。
「…、っ、!?」
そのまま幸せに浸ろうとしたその瞬間、身体を抱きしめ返された。
そして耳元で小さく言われた。
「僕も」
コメント
3件
新作待ってました.. ほんとこの切ない雰囲気だけどハピエンに持っていく辺り天才すぎませんか..、