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「好きだよ」
それが朱雀が俺に対する口癖だった。記憶が正しければ、1日1回はそう言っていた。いつものからかいだろ、と思って受け流していたが、やたらと距離感が近いし、俺を口説こうとするところを見て、「ああ、コイツ本気なんだ」とわかった。そう思ってから、だんだんと朱雀のことを意識するようになってしまった。
自分で言うのもなんだが、俺はすぐに顔に出てしまう。だから朱雀と一緒にいる時に意識したりして、照れるすると
「あれ?照れてる?」
と言われることがあった。そういう時はもちろん殴った。
俺は多分、朱雀のことが好きだ。でも朱雀には言えない。プライドもそうだが、1番の理由として、前に晴明に教えられたことがあったからだ。
「ねえ道満。なんで神様は恋をしちゃいけないんだと思う?」
「は?……初めて聞いたんだが。その話。」
「言ってなかったっけ。」
「言ってない。」
「じゃあ説明するね。神様の禁忌の一つに、『恋をしてはいけない』といったものがあるんだ。不思議だよねぇ。」
「……なんで俺に聞くんだよ。朱雀とか、白虎に聞けよ。」
「まともな回答が返ってくると思うかい?」
「……確かに。」
「で、なんでだと思う?」
「………七夕の話、あっただろ。ああいう感じじゃないのか?」
「おや。つまり浮かれて、仕事をしなくなる可能性があるからということかい?」
「ああ。」
「でもそれだけで禁忌になるかな。」
「あーもう!知らねぇよ!」
「そんなに怒らないでよ。カルシウム足りてないんじゃない?牛乳飲む?」
「お前もっと時代考えた発言しろよ。平安時代にカルシウムなんて詳しい元素なんてねぇだろ……。」
「はは、確かにね。」
そんな会話をした記憶がある。恋がどのラインまでいいのかは知らないが、確実に告ったりして付き合ったら、確実にアウトだろう。禁忌を犯した神がどうなるかは知らないが、いいことではないはずだ。だから、この気持ちは……隠しきってやる。
次回からネタバレ注意です!
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