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あれから数週間。
あの、高すぎた警戒心も無くなり今では一緒に帰ったり遊ぶ仲になった。
そろそろ僕と契約してくれてもいいと思うのだが、なかなか契約してくれようとはしない。血も吸わせてくれないため、最近はずっとあの不味い血液パックを飲んでいる。
本当は人の血が飲みたいから、るぅとくんと出逢う前にしていたようにそこら辺の人達の血を飲みたい。
僕が、人の血を吸わなくなった理由は転校してから2日目のこと。
るぅとくんにまとわりついて「血吸わせてよ」とずっと言っていたがわかっての通り血を吸わせてくれなかった。
その時は、今まで通りその辺にいる人の血を吸って過ごしていた。
だが、3日目の日。
また、るぅとくんにまとわりついていた時彼から「まとわりついてこないでください」と言われた。僕はそれは無理だったため「なんでダメなの?」と聞くとるぅとくんは「人の血を吸って生きてるような人と一緒に歩きたくはないです」と言われたことがきっかけだった。
だから、僕はその時以来人の血を吸うのは辞めるぅとくんにまとわりつく日々を送っている。
「ころちゃん?帰りますよ」
気がつくとるぅとくんは僕の目の前で顔を覗かせていた。
「置いて帰っていいんですか?」
僕が何も返さないでいると、顔をむっとさせて続けてそんな事を言う。
「ごめんごめん。帰ろ」
少し笑いながら言うと
「何笑ってるんですか」と突っ込まれる。僕は曖昧に返しながら席をたち、教室を後にする。
「ねえ、そろそろ契約してくれて良くない?」
帰り道、るぅとくんに文句のように言う。
「自分のメリットしか考えてないじゃないですか」
「別にメリットなんて」
「じゃあ!なんで契約して欲しい理由が、血が美味しいからなんですか!?」
僕が言いかけた言葉に、重ねて言うるぅとくん。確かに、1度理由を聞かれた時るぅとくんの血が美味しいからと答えた。
僕の友達のヴァンパイアは、その人間のことが好きだから契約していた。
大抵のヴァンパイアはお互いが、好き同士なら契約をするらしい。
だが、僕は好きとかよく分からないため自分のメリットだけで動こうとしたがそれは彼にとっては不満だったらしい。
「てか、普通は好きだから契約するものなんじゃないんですか?」
「うーん、まあ大体はそうだけど…。どうせなら相性がいい人と契約したいじゃん?」
「なんか、嫌です」
「てか、2日か3日に1回血をくれるだけでいいんだよ?」
「嫌です」
「なんで即答するの?」
るぅとくんは、僕のことを睨みそっぽを向いて歩き出した。
「惚れさせればいいんでしょ?」
僕は勝手に、るぅとくんが惚れれば契約してくれるのだと解釈をしてるぅとくんを僕に惚れさせることにした。
✘✘✘
転校してきてから、数週間。
ころちゃんがそこまで、悪い人ではないと言うことは分かったがずっと契約をしろも迫られる日々。
僕は、ころちゃんと契約するつもりはないので断っているが、彼は諦めが悪いようで何度も諦めずに聞いてくる。そんな、諦めないところがこういう所になければいいなと思わなくもない…。
だが、初めはずっと契約を持ちかけてきていたがここ数日は契約を持ちかけてこなくなった。
逆に、何か守ってくれているような気もしなくもない。例えば…。
「るぅとくん!先生がクラス全員分のノート回収して職員室まで運んでだって」
「あ、分かりました!」
僕が先生に頼まれたので、回収して職員室まで運ぶ途中ころちゃんと出会うと「るぅとくんそれ持ってあげる」と今までであればありえないことをするようになったころちゃんに少し胸がときめいたような気がした。
そんな妙な行動も日常生活へと変わった頃。
「ころちゃん、急に優しくなってどうしたんですか?」
「は?!急じゃないだろ」
僕は、ふと思い浮かんだ疑問をころちやんに投げかけていた。
「いや、だって初めはただ契約迫ってくる変な人だったじゃないですか」
「え、変な人?!」
ころちゃんは少し、びっくりしたような表情で聞き返されたので僕は頷くと「マジか…」と項垂れていた。
「僕もるぅとくんに聞きたいことあるんだけどいい?」
「…?いいですよ」
ころちゃんはその聞きたいことが、聞きにくいのが僕が返事をしてから数秒の沈黙が流れた。
そして、沈黙の中ころちゃんが口を開いた。
「るぅとくんはさ…ヴァンパイア怖くないの?あ、ほらはじめこそは怯えてたけど2回目からあんまり怯えてないというか…いや、少し怯えてたけどそんなに怯えなかったからさ」
ヴァンパイアだとはっきりわかった人はころちゃんが初めてだった。
ここは、ヴァンパイアの学校と人間の学校が別れている学校が多く、僕の学校はヴァンパイアも人間も入学できる学校だがヴァンパイアがいるということは聞いたことがなかった。
「初めは、凄く怖かったですよ。でも、ヴァンパイアも普通の人間のと同じなんだなって分かったのであまり怖くないですよ」
僕が答えると「そっか」と少しほっとしたような、優しい顔をしていた。
そんな表情に、胸がドキドキと音をたてる。
(なんでこんなにドキドキしてるんだろう…)
「るぅとくん?どうかした?」
僕が、ずっと立ち止まったままでいるのが不思議だったのか顔を覗き込むころちゃん。
「へっ!?いや、!なっ、なんでもないですっ!」
僕は焦ってそう返すと不思議そうな顔を浮かべたが、直ぐにいつもの表情に戻り「早く帰ろ!」と言う彼に僕は「はい」と頷き一緒に帰った。
✘✘✘
最近、るぅとくんの挙動がおかしくなった気がする。
僕が少し話しかけただけで、少し顔を赤くして焦ったように返事を返してくる。
特に何かしてしまった自覚もないため、僕の親友恋愛マスターのさとみくんに相談することにした。
「ふーん。それで俺のところに来たんだ?」
今までの出来事を彼に話すとそんな、言葉が返ってきた。
「で?ころんはその…るぅと?ってやつのこと好きじゃないの?」
さとみくんは、ニヤニヤしながら僕に聞いてくるが好きなどよく分からないため曖昧な返事をする。
「好きとかよくわかんないし。」
「ふーん?じゃあ、俺が恋とは何か教えてやるよ」
少し、ドヤ顔をして言うさとみくん。僕も恋がなんなのか知りたいため、目を輝かせながら彼に聞く。
「恋とは、気づいたらその人の事を目で追っていて気づいたらそいつの事を考えて、一緒にいるとドキドキする…みたいな感じ?」
「ほー…」
るぅとくんといる時そんなことがあったかと思い浮かべると、確かにあった。
常にるぅとくんのことを目で追っていて、気づいたらるぅとくんのことを考えている。
「ころんはるぅとのこと好きじゃないの?」
「多分…好き」
「だったら告白すれば?」
「え!?」
予想外すぎた彼の言葉に、思わずそんな声がもれる。
「いや、だってさ告白する方がスッキリするよ?あ、それともころんにはそんな勇気ないか」
少し、煽りのような言い方をする彼に僕はムキになり「いいよ!告白してやるよ」と返すと「そのいきそのいき」と陽気な声が聞こえたが僕は無視して、立ち去った。
「絶対上手くいくから。がんばれよ」
そんなさとみくんの声は、僕には届かなかった。
さとみくんと、話してから数日。
僕はるぅとくんに告白をしようと、るぅとくんを屋上に呼び出していた。
約束の時間の10分前。
僕が心を落ち着かせるための深呼吸をしている時、彼は来た。
「お待たせしました。どうしたんですか?」
「あ、る、るぅとくん…」
るぅとくんは僕の方へ歩み寄ると、僕が言い出すのを静かに待ってくれた。
「る、るぅとくんのことが好きです!付き合ってください!」
るぅとくんは、目を見開き驚いたような顔をして次に目に涙をためて「よろしくお願いします」と返してくれた。
僕は信じられなくて何度か本当か確かめたが、彼はずっと頷いてくれたので本当なのだと思えた。
「るぅとくん、改めて僕と契約してくれますか?」
「~~っ…はい」
僕はるぅとくんの返事を聞き、るぅとくんと契約を交わした。
るぅとくんの首筋には、僕色の青い紋章が浮き出ていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
おそくなっちゃってすみません!
ヴァンパイアパロ難しいね
なんか、無理矢理感半端ないきがするし私の書くような短編で直ぐに話飛んじゃうから分かりにくそう…
良ければ感想書いてください!