コメント
0件
嗚呼つまらない
なんでこんなにつまらないんだろう
不老不死になって、初めて思った事だった
確かに、今までだって、つまらないと思うことはあった
でも、それに色を無理矢理付けて、それらしく見せて、つまらない人生を豊かにした
塗り絵を出されて、色鉛筆も、なにも出されていない気分だった
晴れない空を眺めて、ふと口から零れた
「…こんな色じゃ、ないのに」
塗り絵は自由な遊びだ
薔薇を虹色に塗ったって、人の肌を緑にしたって、魚を赤で塗ったっていい
自由だから、直感で選んでいいのだから
でも、今私は「空は青色」という固定観念に囚われている
そうだ
私が、人生に対してつまらないと思ったのはきっと
「普通の色」で、景色を塗っていたからなんだろう
ビルは灰色、空は青色、家は木造なら茶色、ベージュ色もそうかもしれない、草木は緑、血は赤
人間は肌色
そうか、そうだったんだ、
きっとみんなの目にはもっともっと色々な色で溢れていたんだろう
空は赤色、ビルはピンク、人は紫、草木は青色
そんなふうに見えていたんだろう
嗚呼、悲しいなぁ
もうその色を共有できる人がいない
みんな私が殺してしまったから
他の人から見えた世界が見えない
その目を貰ったって、変わらない
真っ白の塗り絵に、みんなはどんな色をつけていたんだろう
見てみたいなぁ
私が塗った色は、他の人にとっては「おかしい色」なのだろうか
嗚呼、知りたい
貴方の目に映るその世界は、どんな色で、どんな風に塗られているのだろう