「かい、もう7時よ」
「うん、分かったよ、もう起きるから」
寝ぼけながら体を起こした少年林田かい。どこの家庭でも見るような朝だ。
「もう朝ごはん出来てるわよ」
制服に着替え、食卓についてトーストとベーコンを食べ始める。そう言えば昨日夜中に起きてまたあの夢を見たんだっけ。
ダラダラとご飯を食べている間にもう登校する時間だ。
「いってきまーす」
ドアを開けて歩き出した。そこにちょうど花沢 かれん(はなざわ かれん)が来た。かいとは同い年で、昔からの幼なじみだ。同じ高校に通っている。
かいは、かれんに中学生の頃から密かに思いを寄せていた。でもかいは、告白などの行動を起こすつもりは無かった。もう諦めていたのだ。かれんはとても可愛い。勉強もできるし、話しやすいし。色んな男からモテる。俺になんか無理だ。
それに今は彼氏もいるらしい。あまり上手くは言ってなさそうだけど……。
かれんはモテるくせに、そういう関係になった途端関係を崩す。
うん。付き合って関係が崩れるくらいなら、大人になっても友達でいたい。
「ねーかい?」
「どした」
「かいのお母さんってさー」
「うん。」
「昔から思ってたけど、美人だよね」
「そうなの?」
「え?」
あっ
「ま、まあ美人かもな」
どうやら俺の母さんは美人らしい。
ダラダラ歩いていると学校に着いた。
「じゃ、またね」
と言ってかれんは自分のクラスに入った。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!