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君はいつも雨が降っていないのに傘を持ってくる
薄紫の髪の毛に似合うとっても綺麗な傘だ
僕たちはいつも岐阜にあるとある和菓子屋で話をする
お互いの書いた話を持ち寄って、毎日話した
君の小説は重くて苦しくて、僕と比べられないくらいに書き込まれていて
僕の小説とは比べ物にならないくらい、才能と努力を感じて
何もかも中途半端な僕とは比べ物にならなくて
君の書く話が大好きで
仕事中も次の日に会うのが楽しみで仕方なくて
ある日自分の家に郵便が来て
病気の知らせが来て
病院に行ったとも書かれていて
僕はまた会える日を待ち遠しく思いながら日々を過ごして
ある日また君から郵便が来て
最近調子が悪いからしばらく小説を書けないと言われて
ガッカリしながらもいつかまたあの人の小説が読めると信じて
また和菓子を分けあえると信じて
ひたすらに待ち続けて
何十日も待って
君の弟が家に来た
『最近容体が悪化して山奥で静養するからもう会えないだろう』
小豆色と白色の瞳を寂しげに揺らして
そう言われて
僕は目の前が真っ暗になって
君の弟が帰った後
◯◯の準備をした。