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神々(みわ)
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眩い光がスバルの身体を包み込む。
「――スバル!?」
真っ先に声を上げたのはエミリアだった。
伸ばした手は届かない。光は彼を飲み込み、その足元にはいつの間にか暗い穴が口を開けていた。
「待って!」
駆け出そうとしたエミリアを、パックが咄嗟に制する。
「危ない!」
次の瞬間、スバルの姿は穴の中へと吸い込まれていった。
「エミリアたん――!」
最後に聞こえた声も途中で途切れ、穴は閉じる。
静寂。
誰もすぐには現実を受け入れられなかった。
「……え?」
エミリアは呆然と立ち尽くす。
何が起きたのかわからない。
さっきまでそこにいたはずのスバルが、突然消えた。
「スバル……?」
返事はない。
その事実が理解できた瞬間、顔色が青ざめる。
「スバル! スバル!!」
呼びかけても、何も返ってこなかった。
「ラム」
ロズワールが目を細める。
「状況を整理しようか」
普段通りの口調だったが、その瞳には警戒があった。
「はい」
ラムもまた表情を険しくする。
あまりにも不可解な現象だった。
魔法か。
権能か。
あるいはそれ以外の何かなのか。
情報が少なすぎる。
「兄様……」
ベアトリスは小さく呟く。
いつもなら騒がしいほど喋る彼がいない。
その違和感が胸を締め付けた。
「何なのよ……あれ」
怒ったような声だった。
だが本当は不安だった。
誰よりも。
「今のは追跡できないの?」
ガーフィールが歯を剥く。
「無理だな」
オットーが首を振った。
「痕跡が完全に消えてます」
それが余計に不気味だった。
誘拐ならまだいい。
敵なら追える。
だが今の現象は、理解の範囲から外れている。
「スバル様……」
ペトラは震える声で呟く。
涙が溢れそうになる。
しかし必死に堪えた。
スバルはいつも帰ってくる。
どんな無茶をしても。
だから今回も――。
「きっと帰ってきますよね……?」
誰に向けたかわからない問いだった。
誰も答えられなかった。
そしてエミリアだけは、穴が消えた場所を見つめ続ける。
拳を強く握りしめながら。
「……帰ってきて」
その声は小さい。
けれど確かな願いだった。
「絶対に帰ってきて、スバル」
今は信じるしかなかった。
彼がまた笑いながら戻ってくることを。
コメント
1件
わあ…第12話、読み終えました。スバルが突然消えてしまうなんて、あまりにも衝撃的でしたね。エミリアが「待って!」と手を伸ばす場面、本当に切なかったです。光に飲み込まれて、穴に吸い込まれていく描写が鮮烈で、まるで自分もその場に立ち会っているような錯覚に陥りました。 特に心に残ったのは、その後訪れる静寂と、それぞれのキャラクターの反応です。ベアトリスが「兄様」と小さく呟くところ、ペトラが涙を堪えて「きっと帰ってきますよね…?」と問いかけるところ、どれも胸が締め付けられました。そして何より、エミリアが拳を握りしめて「絶対に帰ってきて、スバル」と願う姿に、彼女の強い意志と想いが感じられて、とても感動しました。 どんな状況でも信じ続けることの尊さを描いた、本当に素晴らしいエピソードでした。続きが待ち遠しいです!