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第10話【ぐちゃぐちゃ②】
〈ヒロイ〉
〈既読つけて〉
キヨからの連絡は、私の目には入っていたものの、返信しようという気力は起きなかった。
床、つめた…。
ーここからキヨ視点ですー
ヒロイ、お願いだから既読をつけてくれ…。
俺は、何度もそう願ったが、既読が着くことは無かった。………… いっその事、ヒロイの家に行けばいいのでは……?…と、天才的な考えを思いついた俺は、早速ヒロイに連絡をしてみた。
<ヒロイ、今から家行っていい?>
すると、既読が着いた。
さすがに着くか、これは。
<知ってるの?ばしょ>
<教えて欲しい>
<ここ>
5分ぐらい経って、〈ここ〉と言われ送られてきたのは、URLだった。タップしてみると、ヒロイの家周辺の地図で、ヒロイに<ありがとう、今すぐ向かう>と連絡をして、すぐ向かった。
『ヒロイ!!!!!!』
俺は、玄関が空いていたのに気づき、急いで駆け込んだら床に倒れ込んでるヒロイを見つけた。
『ヒロイ!ヒロイ!!!』
「ん……あぁ…キヨ…?いらっしゃい、!」
『……はぁ、焦った…。寝てたのか?』
「あぁうん…!えっと、。……ごめんね、」
『いや…全然いいんだ。』
「あ、あの…そろそろ、離してくれへん…かな、?」
『っ!!?ご、ごめんっ!』
ヒロイを抱きしめていた手を離して、すぐ離れる。すると、ヒロイは顔が赤くなっていた。それに連れて、俺も自分の頬に手を当ててみると、熱くなっていた。
『ぷっ……あはは、ははっ…ははは!』
「えっ、な、なに」
『いやぁ、2人とも顔真っ赤だなって』
「ふふ、確かに。んふふっ」
二人で笑いあっていたこの空間が、俺にとって幸せの時間だった。ずっと、このままがいいのにな…。
「っ!?」
『え、どうした?』
「いぇ、え、や、あの、」
「ずっとこのままがいいって…」
『えっ……まじ、俺、声に出てた、?』
ヒロイが、また顔を赤くしてこくこく、と激しく頷いた。俺は、自分の感情がバレた、と思って右手で顔を覆い、見られないようにした。
『ご、ごめんっ!そういうつもりじゃなかった!気にしないで!!』
「いや、あの……うれしい、よ」
『え……?』
ヒロイが言った言葉に驚いて、俺は瞬きをせずに、ヒロイを見つめた。
あぁ、その顔、ヒロイのその、優しい顔が好きだ。
『俺……』
「…うん?」
『……やっぱなんでもない、ごめん』
いや、まだ早い。
まだ、ダメだ…。ヒロイは、俺の事、友達としてみてる…。
「…そっか。なら、言えるときになったら、私も言うね?」
『…………え?』
「ふふ、待っててな。」
そういって、ヒロイはいたずらな顔をして俺の頬をつん、と指でつついた。その仕草にキュン、としてしまって、気付かれている恥ずかしい気持ちも、どこかへ吹っ飛んでいった。
あぁ……好きだなぁ。
ーここからヒロイ視点ですー
ああああぁ、ついあんなこと言っちゃった…!どうしよどうしよ恥ずかしいよ…!!!!!
てか、何言おうとしてたの!!!
告白、だよね、あれって……!!!
キヨ、帰っちゃった…。抱きしめられちゃった…。
あああああああああああ!もうー!!!!
…………すき…………………………!!!
私は、キヨに対しての気持ちに気づいた。そして、キヨが私に言おうとしていたことも。私とキヨはまだ出会って間もない…そんな薄い関係なのに、好きになっていいのだろうか?そう思いながらも、嬉しい気持ちでいっぱいで、もういいや!と投げやりにしそうになる。
ぴこん!
『ん?』
〈ゆいちゃぁあん〉
〈どぉしたんだいこーすけくん〉
〈今度牛沢くんと飯行くんだけど、どうだい?〉
〈いいね、君天才〉
〈いきます〉
〈了解🫡〉
気晴らしにでも、飯行くか!