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3日目の朝
カーテンの隙間から差し込む朝日が眩しくて目が覚めた。聞こえてきたのはチュンチュン…と小鳥のさえずりではなく腕の中からすんすんと啜り泣くような、そんな声だった。
「……なんだ?…って、え?」
「……っぁ、…」
なんでだか俺の腕の中で眠っていたはずの仁人が泣いているのだ。ギョッと目を丸くするがそんな俺と目が合って更にぽろぽろ泣き出してしまった。
「え!?仁人どうした!?」
「〜〜〜ぅうう…」
「泣いてちゃわかんない、……どうした?」
「……おれ、はやとで、シちゃって…最低だよね…」
「…は?」
「〜〜だから!写真集の勇斗をオカズにして、オナニーしてたの……好きでもない相手にそんなことされて……しかも、エ、エッチもされて…嫌だったよね、勇斗……キモいよね…俺」
「…何言ってんだ」
もぞもぞ…と掛け布団を被って隠れようとするから、それを奪い取って床へ投げ落とす。
「…ひッ!」
「…仁人は、俺が好きでもない奴と風呂に入ったり、キスをしたり、セックスをしたり……そんなことする奴だと思ってるのか?」
「………ッ」
真面目で嘘がつけない勇斗が、そんな不誠実なことできるわけないのはわかっている。わかっているけど、返事がうまくできなくて勇斗見れば悲しそうな顔をしていた。
「…、あッ……勇斗…」
「ちょっと、外、出てくる」
なにか言わなければ。
きっと勇斗は何も言わない俺に何か感じ取ったのかこの場から離れようとする。
違う、きっと勘違いしている。
部屋から出て行こうとする、寂しそうな背中に思い切り抱きついた。
行かないでという気持ちを込めて。
「……待って、」
「…じんと?」
「……好きなんだ…勇斗のこと…ごめん、好きになっちゃって……ごめん」
「…なんで謝るの?」
「だって、気持ち悪くないの?オカズにするような奴…」
「いや、むしろ…最高に嬉しい」
「うそだ、」
「本当だよ」
勇斗はこちらを向いて、仁人の手をとって心臓の辺りに手のひらが触れるように置いた。
「わかる?俺の心臓の音」
「……うん…」
ドクンドクン…鼓動が早い。
手からそれが伝わってきて、自分まで緊張してしまう。
「仁人が好きって言ってくれて、めちゃくちゃ嬉しい。嬉しくてこんなにドキドキしてる。それがどういう意味かわかる?」
「……」
自惚れてもいいのだろうか。
それってつまり、勇斗もーー…
「俺も好きだよ、仁人」
「…ッあ、…」
頬に手を添えらえて、少し強引に唇が重ねられる。舌の先でぺろっと唇を舐められれば、隙間からその舌をねじ込んできて絡められる。混ざり合った唾液が顎を伝う。
「…はやと、くるしい…」
「ん、ごめん…もう少しだけ…」
「…んッ」
確かめ合うようなキス。
気持ち良い、ちょっと苦しいけど、このままずっとしていたい、離さないで欲しい…
「…集合時間何時だっけ…」
「ん…ッ、確か、…7時に、…ロビー集合ぉ…ってさっきからどこ触って…ッ!」
「あと1時間ちょい時間あるか…」
「聞いてんのかッ…ひゃあッ!…っておい!勇斗!お尻、揉むなッ」
「せーっかく仁人が俺のために開発したココ、もっかいいじめたいなぁって♡」
勇斗のゴツい指先がズボン越しに尻の割れ目をなぞって、その奥にある穴にぐりっと刺激する。昨日の行為を体がまだ覚えていてキュンと甘く疼く。
「…ダメ、遅れたら怒られちゃう」
「だいじょーぶだって、お願い、せっかく恋人同士になったんだからさ、…ね?」
「こいびと…」
「まぁ俺は前から気づいていたけどね」
「え?」
「そういえば仁人のために買った桃のソルベ、後で食べるか?」
「食べる!…じゃなくって!…気づいてたってどういうこと…」
「ほら、仁人…」
手を引かれ、再びベッドでふたり向かい合って座る。真面目な表情をする勇斗にドキッとしてしまう。
「好きだよ、今も、これから先もずっと」
「………俺も」
指を絡めあって、キスをして、体がベッドに沈む。あっという間に服を脱がされ、あちこちに口付けをされた。
「夢じゃないよね…?」
「ふふ、夢じゃないよ」
頬を軽くつねる。
ただそこは少し痛いだけだった。
想いが通じ合うってこんな幸せなことなんだと胸があたかかく幸せな気持ちで溢れて、目を瞑った。
※
jyu視点
ロビーにて、年下組は上の2人が来るのを待っていた。あと数分で集合時間になるところである。
「勇ちゃんと仁ちゃん、もう時間になるけど、大丈夫かな?」
「勇ちゃんはまだしも、よっしーが時間ギリギリって珍しいね」
「ほんまや……って、あっ!やーっと来た!」
「ごめーんお待たせ、ギリセーフ?」
「ん〜セーフ寄りのアウトってとこかな」
「ダメじゃねぇかそれ」
「よっしーおはよう、なんかちょっと顔赤いけど大丈夫?」
「…えっ!?…大丈夫、だよ…」
仁人にしては珍しく、慌てて出てきたような着衣が乱れたような格好に柔太朗は不思議に思った。
チラッとうなじ辺りに見えたキスマークのようなもの。
(あー…なるほどね)
きっとよっしーは気づいてないんだろうな。
今教えてあげたら勇ちゃん、きっと怒られちゃうだろうから、内緒にしておくか。
終
無事完結しました。
読んでいただきありがとうございました!
コメント
2件
完結! お疲れ様でした!✨ かなさんのかく物語がめちゃくちゃ大好きです!! これからも楽しみにしています!
おお、完結おめでとうございます…! 第3話、一気に恋人同士になってからの朝の甘さと切なさのバランスがたまらなかったです。仁人が「オカズにしてた」って自白するシーン、すごくリアルで胸が締め付けられました。でも勇斗の「最高に嬉しい」の返しが優しくて、心臓の鼓動を伝える仕草もロマンチック…! 最後の柔太朗の「内緒にしておくか」の視線もニクい演出で、読み終えてほっこりしました。短い作品ながら、感情の機微がしっかり詰まっていて素敵でした。
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#ご本人様には関係ありません
透楽※お知らせ必読願います
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