出会いは突然だった
あるなんでもないような清々しい朝に姉ちゃんズの1人がこう言った
「けーくん!新しいパパ来るって!」
“新しいパパ”?
当時のオレには理解出来なかった
母さんが”猫連れの男性”を連れてくるまでは
時刻は確か夕方頃だった気がする
母さんが帰って来て出迎えようとした時に
“あの人”は居た
勿論猫も居た
「ケイト」
優しい声でオレを呼ぶ
母さんだ
「ケイト、新しいパパよ」
父さんよりは年上そうだった
それと何となく
かっこいいと思ってしまうほどに
魔力の強さが伝わってきた
そして
猫連れの男性は、母さんの新しいパパの言い終わりに合わせて、口を開いた
「申し遅れたな」
口調が達者だった
「私の名はモーゼズ、モーゼズ・トレイン」
モーゼズ・トレイン……
当時のオレは多分”鉄道みたいだなぁ”って
無邪気に思ってたんだろうな
「今日から君らの義父に当る」
まだ幼かったオレの前で、”新しいパパ”ではなく”義父”とはっきり言ってた
「こっちは使い魔のルチウス」
ブサカワな猫の使い魔のルチウスくんは当時はフサフサというかサラサラだった
それから数年後
母さんは他界した
そして
義父さんが
“冷たくなった”
「義父さん!見て!80点取れた!」
いつものように明るく飛びつくように義父に
テストを見せた
「80…?」
80を聞いた途端、義父の声はいつもよりもっと低くなった
「何故残りの20点分は取れなかった?」
その言葉は当時のオレを怯えさせた
だって
姉ちゃんズが80点取っても言われてない言葉だから
「え…だって……分からなくて……」
タジタジしながら言ってたのを覚えてる
「なら100点を取れるまで…いや、分かるまで勉強時間を増やせ」
「はい……」
褒めて欲しかった
母さんがもう居ないし
姉ちゃんズに頼らずに
80点も取れたんだから
ねぇ……
褒めてよ……
オレ頑張ったよ……?
コメント
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Good morning! 朝から最高なもの見せてくれてありがとう ピグパはアプデしてないw 昨日投稿したやつ見てほし、、、