テラーノベル
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1日1話投稿するのがめんどくさくなったので、全話繋げて投稿します。
政治意図関係なし
特定の政治家・国家への批判・侮辱なし
特定の宗教・思想への批判・侮辱なし
旧国あり
ニテイ受け(アメニテイ)
暴力的表現あり
ケーキバース
※一話は所々、AIを参考に描いております。
誤字脱字がある可能性あり
フィクションとしてお楽しみください
1, 灰色の味覚
アメリカの口に広がるものは、いつも等しく「砂」のようだった。
世界一の経済力を誇り、ありとあらゆる極上のグルメが集まる首都ワシントンD.A.。
最高級ステーキハウスの肉を噛みちぎろうが、色鮮やかなジャンクフードを詰め込もうが、彼の舌が感知するのは冷たい食感と、何の感情も湧かない無機質な物質の塊としての感覚だけ。
「……また残してるんですね…アメリカさん…勿体無いですよ」
隣で呆れたように声をかけてきたのは、同盟国であり、かつての宿敵の息子でもある日本だった。
アメリカはForkだった。
生まれつき、人間や国家が持つ「味覚」という機能が完全に壊れている存在。
何を食べても味がしない。生きるために仕方がなく、栄養素をただ胃袋へ流し込むだけの毎日。それがアメリカにとっての日常であり、世界は色を失った灰色の食卓だった。
「別に。お腹がいっぱいなだけさ」
ハンバーガーを紙に包み直し、アメリカは気怠げに笑う。
フォークにとって、世界で唯一「味」を感じられる対象がある。それはCakeと呼ばれる、甘い香りと特別な肉体を持った存在。
ケーキの血、汗、涙、そして肉。
それらだけが、飢えたフォークの舌に極上の甘みをもたらすという。
だが、現代においてケーキの存在は厳重に保護されており、フォークによる捕食事件は国際法でも厳しく取り締まられている。
アメリカのような大国が、本能に身を任せてケーキを貪るなど許されるはずがなかった。
(まあ、そもそも俺の周りにはそんな都合よくケーキなんて……)
そう思いながら、アメリカはふと、自国の地下深くに広がる「ある部屋」のことを考えた。
そこには、かつての戦争で敗れ、公式には歴史の表舞台から姿を消したはずの「彼」が、今もアメリカの監視下に置かれたまま生き長らえている。
大日本帝国。通称、日帝。
アメリカは席を立ち、日本に手を振って別れると、自らの執務室の奥にある、強固なセキュリティに守られた地下室へと足を向けた。
2, 地下の香気
重厚な鉄の扉が、電子音とともに解錠される。
冷気の張り詰めた薄暗い部屋の奥。
畳が敷かれた奇妙な空間の真ん中に、軍服を緩く着崩した男が座っていた。
背中には、かつての栄華を物語る巨大な白と赤の翼__いや、今や自由を奪われ、薄汚れてしまった旭日の翼が静かに佇んでいる。
「……また来たのか、不届き者が」
日帝は、部屋に入ってきたアメリカを鋭い眼光で睨みつけた。
その瞳には未だに強い誇りと、敗戦への消えない憎悪が宿っている。
アメリカはその視線を受け流しながら、日帝の前に歩み寄った。その瞬間だった。
アメリカの鼻腔を、凄まじい「匂い」が突き抜けた。
「っ……!?」
頭の芯が痺れるような、圧倒的な甘さ。
それは、焦がしたカラメルのような、あるいは最高級のチョコレートに洋酒を数滴垂らしたような、濃厚で、暴力的で、狂おしいほどに魅力的な香気だった。
アメリカの乾ききった口内に、ドロリとした唾液が溢れ出す。
(なんだ、これは……!?)
日帝の傍に近づくたびに、その匂いは強くなっていく。
今まで、日帝に会ってもこれほどの匂いを感じたことはなかった。
いや、日帝が長い幽閉生活の中で体調を崩し、その免疫の乱れから「ケーキ」としての本質が急激に開花してしまったのだ。
日帝自身は、自分が甘い匂いを放っていることに全く気づいていない。
ただ、アメリカが突然足を止め、獣のような目で自分を見つめてきたことに強い不快感を覚えたらしく、眉をひそめた。
「何だその目は。私を憐れむつもりか? それとも、また新たな条約の調印でも迫る気か」
「……日帝」
アメリカの声は、自分でも驚くほど低く、掠れていた。
理性が、頭の中で警報を鳴らしている。
こいつはケーキだ。
お前がずっと求め、決して手に入らなかった「味」そのものだ。
「おい、アメリカ? 何を__」
日帝が言いかけるより早く、アメリカは床を蹴った。
気がついた時には、日帝の細い身体を畳の上へ押し倒していた。
「なっ……放せ! 無礼者ッ!」
日帝が暴れ、アメリカの胸を拳で殴りつける。
だが、フォークとしての本能が覚醒したアメリカの怪力には敵わない。
アメリカは日帝の両手首を片手で掴み上げ、頭の上へ固定した。
至近距離。
日帝の首筋から、目眩がするほどの甘い香りが立ち上っている。
アメリカの理性の糸が、音を立てて千切れた。
3,禁断の晩餐
「すまない、日帝。だけど……俺はもう、我慢できないんだ」
「何を言って――ひっ!?」
日帝の悲鳴が響く。アメリカは、日帝の白く細い首筋に容赦なく噛みついた。
牙が皮膚を裂き、肉に食い込む。
その瞬間、アメリカの世界に、鮮烈な「色」が爆発した。
(あ、甘い……ッ‼︎‼︎)
脳髄が破裂するかと思うほどの衝撃だった。
それは、今まで食べてきたどんな人工的な砂糖の甘さとも違う。
深く、重厚で、どこか切なさを帯びた、命そのものの味。
噛み締めるたびに、日帝の傷口から溢れ出る温かい血液が、アメリカの壊れていた舌を極上の歓喜で満たしていく。
「あ、痛…う゛……! 止め、ろ……アメリカ……!」
日帝が激しく身体をのけぞらせ、苦痛に顔を歪める。
彼の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ち、畳を濡らした。
アメリカはその涙すらも、狂ったように舌で舐めとる。
塩気を含んでいるはずの涙さえ、アメリカにとっては最高級のハチミツのように甘美だった。
「美味い……美味すぎるよ、日帝……! お前、こんな味をしてたのか……!」
アメリカは、傷口から流れる血を貪欲に吸い上げた。
喉が鳴る。
胃袋が、生まれて初めて「本物の食事」を受け入れて歓喜に震えている。
日帝の身体から発せられる香気と味が、アメリカの理性を完全に消し去っていた。
「く、殺せ……! 捕食されるなど、我が誇りが許さぬ……! 殺せ、アメリカ!」
日帝はプライドを傷つけられ、屈辱と痛みで声を震わせながら叫ぶ。
しかし、アメリカは彼を殺すつもりなど毛頭なかった。
こんな極上のケーキを、一度の食事で殺して失うなど、あり得ない。
「殺さないさ。絶対に離さない」
アメリカは血に染まった唇を吊り上げ、 獰猛 に笑った。
手首の拘束を緩め、今度は日帝の衣服を乱暴に引き裂いていく。
露わになった白い胸元や、腹部に、次々と自身の歯型を刻み込んでいった。
「あぁっ! 止め……やめろ、頼む……っ」
かつてアジアを震撼させた冷徹な帝国は、今や一頭の飢えた獣に貪られるだけの、哀れな「菓子」へと成り下がっていた。
アメリカは日帝の細い指先を口に含み、爪の隙間から染み出す蜜を味わうように 舐 ぶる。
日帝はその快感とも苦痛ともつかない刺激に、次第に荒い息を漏らすようになっていった。
4,終わらない依存
数時間後。
嵐が去ったような部屋の中で、アメリカは満足感に包まれながら、日帝の身体を抱きしめていた。
日帝の全身は、アメリカによって付けられた 噛む傷や、 鬱血 した痕でひどく汚れていた。
血はすでに止まっているが、日帝は精神的な疲労と恐怖から、虚ろな目で天井を見つめたまま動かない。
「日帝」
アメリカが優しくその髪を撫でるが、返事はない。
しかし、アメリカの心は満たされていた。自分の味覚を狂わせるこの世界で、ようやく見つけた唯一の 「現実」。
それが、この腕の中にいる。
「これからは、毎日ここに来るよ。お前を誰にも渡さない。日本にも、他の奴らにもね」
アメリカは、日帝の耳元で囁いた。
日帝は小さく身震いし、絶望に染まった瞳でアメリカを見つめ返した。
「私は……お前の、餌になったというわけ…か…」
「違うよ。お前は俺の『世界』になったんだ」
アメリカは再び、日帝の 鎖骨 のあたりに小さく歯を立てた。
じわりと滲む甘い味。
それは、二人の歪んだ関係が、これから永遠に続いていくことを証明する、 甘美な契約の味だった。
公式には幽閉されているだけの亡国。
しかしその実態は、世界最強の国家をその身の「味」だけで支配し、縛り付ける、最も恐ろしい存在。
アメリカは日帝を抱きしめる腕に、さらに力を込めた。
外の世界がどれほど灰色であろうとも、この地下室がある限り、アメリカの渇きが訪れることは二度とないのだから。
コメント
3件
うっひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉもう口角が天井超えて宇宙に行きました!
うわあ…これ、めっちゃ重くてエモいやつだ…!ケーキバースの設定がガッチリ嵌ってて世界観に一気に引き込まれたよ。特に日帝の誇り高さと捕食される快楽/苦痛の狭間で揺れる描写が生々しくて、読んでて息が止まるかと思った。アメリカが「世界が灰色」って言う伏線を、日帝の「味」でぶち破る構成がめちゃくちゃ上手い。そして「♡♡♡ない」って言いながら永遠の依存関係を築く終わり方、痺れる…続きマジで気になるわ🔥