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なっちゃん
543
MAKO
216
ドアが開く。正面のベッドに、ボスキがこちらに右半身が見えるように腰掛けている。
「ボスキ。何があったんだ。なんで俺にだけ言わない」
次々に疑問が生まれ、そのまま口から出ていく。ボスキは目線だけをこちらに向け、口を閉ざしている。
「…怪我をしたんだろう?せめて、どのくらいで回復しそうかは分からないのか?」
ボスキはこっちを見ない。ただ、沈黙が流れている。
「ハウレスくん、戻ってください」
ベリアンさんが部屋に入ってきた。どうやら俺が入って行ったのを見て、慌てて戻ってきたようだ。
「お願いです…戻ってください、ハウレスくん。貴方のためでもあるんです。」
「……もう、大丈夫です。ベリアンさん」
ボスキがようやく口を開いた。いつものような活気のある声ではなく、掠れた低い声が響いた。
「しかし…」
「ここにいる以上、いつかは話すことになる…なら、今話しちまった方が、いいかもしれねぇ」
「…分かりました。何かあったら呼んでくださいね。」
ベリアンさんが部屋から出ていく。改めてボスキを見ると、目の周りが少し赤くなっている。「…先に言っておく。これは、お前のせいじゃない。俺の実力不足だ。」
ボスキが、ゆっくりこちらを見る。義手の右手だけで、動きづらそうに、体をこちらに向ける。
一瞬、時が止まった。
そこにあるはずの左腕は──
信じられない、信じたくない。まさか、そんなはずがない。きっと、何かの間違いだ。どうか
夢であってくれ
「…ボスキ─その、左腕は」
「──あのとき、持っていかれた」
…嗚呼、また また、俺の せい、 で
「…なぁ、俺、これからどうすればいいんだろうな─ハウレス。」
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