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「ひかる!好きです!!」
「⋯は??」
それは、何の変哲もない、ただの放課後に起きたこと。
「ひかる⋯俺と⋯」
「付き合ってください!!」
「⋯え、普通に無理⋯」
「じゃあ落とす!」
「⋯え?」
「ひかるに好きになってもらう!!」
「え?は?」
「また明日!」
「え?え、あぁ⋯」
「⋯え?」
「⋯ただいま〜」
俺は多々光。ついさっき男友達に告白された男子高校生だ。
「⋯えぇ⋯」
さっきのことを思い出し、誰もいない空間に向かって、静かでも存在感の強いため息を吐いた。
明日からどう接すれば良いんだろう、とか黒井っていつから俺のことを「そういう」目で見てたんだろうとか、そもそもアイツってゲイだったのか⋯とか。
不安とか疑問とかが入り混じって変な感じがする。
スピード感が凄すぎて全然ついていけなかったし。
まあ男友達に告白するんだもんな、緊張くらいするよな。
「⋯どうしよ⋯」
俺は再度、誰もいない空間に向かってため息を吐いた。
「ひかるー!おっはよー!」
少し冷たい朝の空気が感じられるくらいのいつもの数分の時間。
しかし今日は、いつもと違うように感じた。
「⋯おう」
「ひかるー?なんか元気なくね?」
「いや⋯」
「昨日告白してきた奴が隣にいたら誰でも落ち着かないだろ⋯」
「昨日のこと覚えてくれてたの!?嬉しい!」
この瞬間、何となく分かった。
コイツ、本気で俺を落とそうとしてる。
なんで分かったかって?だって俺より身長高いはずの黒井の顔が俺の視線のやや下にあるんだよ。
そしてどこか愛らしさを覚えるこの目線⋯
これが上目遣いって奴なのか。
⋯愛らしさ?
いやないわ。別に俺は黒井のこと好きなんて思ってない。
⋯思ってない。
そうこうしてるうちに学校に着いた。
今日一日大丈夫かな⋯
それから黒井は目が合うと少し間を空けて
「⋯ニコッ」
ってしてきたり、いつも以上に話しかけてきて、俺の容姿を褒めてきたりする。
問題はその黒井の行動ではない。
それにときめきを感じている気がする俺だ。
黒井が微笑みかけてくるとふいに俯いてしまったり、
⋯もう普通に言うわ。
あの笑顏に少し母性が湧いてる気がする。
「⋯やべ⋯」
「ごめんひかる!先食っといて!」
昼食の時間になって黒井と食堂に行こうとしたけど、急用だって。
⋯あ、早川。
「よーひかる」
「黒井と一緒じゃないの珍しいなー。」
早川。それなりに仲は良い男友達。
「黒井急用だってさ」
「⋯ちょっと相談したいことがあるんだけどさ⋯」
「何々?」
早川はストローが刺さった紙パックタイプのジュースを飲みながら、俺と向かい合う席に座った。
「昨日の帰りに黒井に告白されて⋯」
「おー遂に」
「⋯え?」
「?どしたひかる?」
「あんま驚いてないし⋯え、遂にって何??」
おかしいって。こういう時普通はもっと驚くだろ。おかしい。
「⋯え?」
早川のジュースを飲んでいたはずの手が止まる。
「え、何早川今この俺より驚く事態が起きてるの??」
「⋯お前気付いて無かったの?え、無自覚?」
「え?」
「え?」
「⋯」
二人の間にしばらく沈黙が流れる。
その空気に耐えられず、先に口を開いたのは早川だった。
「⋯だってこの際言うけどさあ、お前らって相思相愛なのに好きなのは自分だけだと思い込んでずっと友達のままだった系のカップルじゃなかったの?」
「え?は?え?カップル?相思相愛??」
「んで、『告白されたから付き合ったけどー⋯』っていうグチを聞かされた俺に『リア充爆破しろ!!!!』って言ってもらうための場なのかと思ってた⋯」
「いや違う違う!?」
「ただこれからどうすればいいか相談しようとしただけ!!」
身体が熱くなっているのを感じる。
この熱さが何によるものかは解らなかったが、そのせいで余計に熱さを感じてしまう。
「返事に困ってるってこと?⋯まあ普通にOKすればいいんじゃない?」
「いやそんな⋯」
「どう考えても相思相愛だし気づいてないだけでひかるむっちゃマサのこと好きだよ」
「お前らお似合いだよ」
「もし婚姻届出すなら教えろよ 祝いたいから」
「いや、ええ…」
「なんかあった?」
「あの⋯自分がゲイだって初めて知ったから⋯」
「いや、たぶんひかるはゲイじゃないよ」
「え?でも俺黒井のこと好きなんだって⋯」
「そうだよ。」
「??どういうこと⋯?」
「ひかるはあくまでも“マサのことが”好きなんだよ思うから」
「へぇ⋯?」
「じゃ、俺もう行くな」
「ああ、うん⋯」
「ごめんひかる!待った〜?」
「いや、大丈夫⋯」
「⋯どうしたのひかる〜なんか俯いてない?」
「いや別に⋯」
なんか⋯あんな事言われると⋯思ってなくても意識しちゃう⋯
黒井って顔整ってるから⋯直視できない⋯
⋯ああもう俺⋯黒井のこと好きだったんだな⋯
今気づいた⋯
「おばちゃん!いつもの!」
もっと俺に可愛い笑顔を見せてほしい⋯
俺だけに⋯
放課後。
いつも通りの道。
いつも通りの空気。
なのに違和感を感じているのは、黒井のことを完全に好きだと思ってしまった俺のせいだと思った。
そうじゃなくても違和感ないくらい、俺は黒井にときめいていた。
「⋯黒井⋯」
「なあに?ひかる」
「⋯付き合ってあげても⋯いいけど⋯」
「⋯ひかるがデレたぁー!!」
「うるさっ⋯」
「⋯これで俺らって恋人同士になったんだよね?」
「うん、まあ⋯」
次の瞬間、唇に何かが触れた。
黒井の唇だ。
「は!?ちょ、お前⋯!」
「え?ダメだったぁ?」
そう悪戯に聞きながら、黒井は物惜しそうに自分の唇を舐める。
「⋯俺のファーストキス奪ったんだから、責任取れよ⋯」
「勿論だよひかる〜!」
そして俺らは、満足じゃないと言わんばかりに互いに相手の顔を寄せ付け合うのだった。
どうでしょうか⋯?
小説を書くのは初めてなので、なんかあったらアドバイスください!
♡多かったり続きの希望が多かったら続き描こうと思ってます!
その時はリクエストもください⋯
では、閲覧ありがとうございました!
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