キィ…
「ねぇ知ってる?あのメイド」
「知ってるわ!明日には死刑が執行されるんですってね!」
「まぁ、幹部様の殺害を狙った?みたいだし、当たり前よね」
?「…」
タッ…
トントントントン…
ガチャ…
?「…」
『…来てくださると思ってましたよ。
レウ・クラウド様』
レ「初めまして、だね」
『そうですね』
レ「ねぇ、あの言葉…どういう意味なの?」
『…そのままです。私はメイドなので。』
レ「違うでしょ。君はメイドだけど、メイドじゃない。殺し屋だ。コードネームは、エース。ダイアの、エースだよね。」
『そうですね。私は元殺し屋です。』
レ「…何が目的なの?暗殺?乗っ取り?ただでさえ、今、この国は不安定。知ってるよね。」
『はい。自分が仕えている国ですので』
レ「…俺さ、君のことが怖いんだよ。目的が見えない。俺たちを、壊しに来たようにうつる」
『…これは、私は証明のしようがありませんね。行動といっても信用稼ぎかもしれない。
言動は限界があります。』
『素直に、貴方様を尊敬致します。』
『素晴らしい警戒心です。私を捉えておくことで、国への干渉を防いだ。しかし、一つ見落としています』
レ「…それは?」
『私が殺し屋だということは、お二人も気づいています。』
レ「っ…?」
『レウ様のお考えでは、自分だけが気づいていて、他の幹部は絆されてきている。自分が行動に移して、国を守らなければ。と、』
『それは違います。お二人は…みどり様、コンタミ様は、殺し屋と承知の上で、私を信用してくださっています。』
『それは、私が行動したことにより得た、
確かな、まごうことなき信頼。』
『お二人は、先ほど、ここに来て下さいました。お二人とも、悲しそうな、心配そうな顔をして。それは、私に向けられたものとも自負していますし、貴方様に向けられたものでもあると、私は思います。』
『1人で抱え込んでしまった貴方様に。』
レ「…それは…っ、」
『レウ・クラウド様。私はこの場で無実を証明することはできませんが、私は、今、 メイドでございます。殺し屋ではありません。』
『信用しろとはいいません。私を本当に殺したければ、お二人を連れて、いいえ。この国の全員で、殺しに来て下さい。受け入れますから』
レ「…っ、いいの?君、死刑は、止められないかもしれないのに、今、そんなことを言って、いいの?きょーさんは、本気で、君を、殺しに、、、」
『…それは…。少しズルいですが、私、生きなければいけませんので。』
レ「…?」
『レウ様、貴方様さえよろしければ、きょー様に罪の取り消しを申請していただけませんか?』
レ「…っ、、」
『私は、生きたい。生きなければいけないのです。』
ガチャッ
バタンッ!
『…今夜はきっと月の綺麗ないい夜でしょうね』
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