「じゃあ行ってくるね!」
食べ切ったお皿を回収しながら玲は言う。
これで自由に動けるなと安心する優を察したのか玲は釘を刺す。
「私がいない間イタズラしちゃだめだよー?」
優は曖昧に返事をしながら思考を続ける。
まず最大の課題の足かせを如何するかだ。
昨日お風呂に入れてもらった時は外してもらえた。
でもその前に服を剥がされたし、体格差のせいでどうにもならない。
ちなみにこの部屋にはお風呂とトイレもある。
ここで生活を完結できるようになってるのだ。
そしたら誰かに助けを呼んでみる?
いやそれも無理だ。
玲の家は大きな庭に覆われている。
警察すら味方につけてる玲のことだ。
使用人もおそらく彼女の味方だ。
考えれば考えるほど無理な話だ。
でも、それでも諦めたくはない。
助けを呼ぶのは無理ならば自分で出るしかあるまい。
ひとまず鍵が必要だ。
玲のことだ。
鍵は予備があるはず。
それを探そう。
そして味方がほしい。
きっと良心に訴え掛ければ頷く人もいるはず。
泥中の中、少女は輝く。
そこに惹かれたとは知らずに。
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