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「 …北さん 」
オレは、もう我慢できへん。
無意識のうちに、オレは北さんの腰に腕を回していた。北さんは少し目を見開いたものの、その動きを止めることはなかった。オレはそのまま、ぐっと引き寄せる。北さんの身体がオレの胸にぴったりと密着し、練習後の熱と、柔らかな肌の感触がダイレクトに伝わってきた。
「 侑… 」
北さんの声が、甘く震える。その隙を逃さず、オレは北さんの唇に自分の唇を重ねた。最初は戸惑うような、しかしすぐに受け入れるように、北さんの唇が開く。深く、貪るようなキス。部室に響くのは、濡れた唇が擦れ合う音と、お互いの荒い息遣いだけ。
北さんの腕が、オレの首に回される。背中に回された指先が、ユニフォームの上からでも分かるほど、オレの肌を掻くように動いた。その熱に、オレの身体はさらに熱くなる。理性なんて、とうの昔に吹き飛んでいた。
キスをしながら、オレはゆっくりと北さんを後ろへ押しやった。北さんの背中が、壁に当たる。そのまま、オレは一歩も引かず、さらに深く口付けながら、北さんの身体を床へと押し倒した。
ドサリ、と鈍い音がして、北さんの背中が沈む。オレは、その上体を覆いかぶさるように、北さんの上に乗り上げた。視線が絡み合う。乱れた前髪の隙間から覗く北さんの瞳は、熱を帯び、感情が揺らいでいるのがはっきりと見て取れた。
「 北さん… 」
もう一度、名前を呼ぶ。掠れた声は、情熱で震えていた。北さんは何も言わず、ただオレの顔をじっと見上げとった。その視線の意味を、オレはもう、間違えることはなかった。
その時、北さんの唇が、僅かに震えながら言葉を紡いだ。
「 ええよ…来て、 」
その言葉は、オレの耳に届いた瞬間、全身を痺れさせた。許しと、誘い。それは、北さんの感情の奥底にある、隠された情熱が解き放たれた瞬間やった。
オレは、北さんの唇からゆっくりと顔を離し、その澄んだ瞳を覗き込む。そこに映るのは、熱に浮かされたオレの顔と、そして、今まで見たことのないほどに、感情が揺らぐ北さんの表情。
オレは、もう一度、深く北さんの唇にキスをした。今度は、もっと優しく、もっと深く。まるで、その言葉の重さを噛み締めるように。オレの腕は、北さんの腰を強く抱きしめ、もう、離すことはできひんかった。
キスの合間に、オレはそっと、北さんのユニフォームの裾に指を滑り込ませた。ひんやりとした指先が、汗で湿った肌に触れる。北さんの身体が、ピクリと小さく震えた。オレの指は、そのままゆっくりと、北さんの肌の上を這い上がっていく。硬く引き締まった腹筋、そして、そこから続く腰のライン。肌が触れ合うたびに、北さんの息が、短く漏れた。
オレはキスを途切れさせず、そのまま北さんのユニフォームを捲り上げた。北さんがわずかに身体を浮かせ、脱がせる手伝いをしてくれる。練習着が、熱を帯びた肌から剥がされていく。そして、露わになった北さんの胸が、部室の薄暗がりの中に浮かび上がった。
引き締まった胸板の中心には、熱を帯びて少しばかり主張する、淡いピンク色の胸の突起があった。
オレは視線をそこに固定したまま、ゆっくりと片手を伸ばし、その中心を優しく、しかし確かな熱をもって弄り始めた。
北さんの身体が、大きく震える。小さな吐息が、オレの耳元で熱く響いた。オレの指の動きに合わせて、北さんの胸の突起がさらに硬く、敏感になっていくのが分かった。それと同時に、オレの身体に密着している北さんの下も、熱を帯びて、段々と確かな硬さを持っていくのをはっきりと感じた。
オレはフッと笑みを零した。
「 ふふ…北さん、えっちですね。 」
挑発的な言葉に、北さんの眉がピクリと動いた。しかし、その瞳はオレから逸らされることはない。むしろ、さらに熱を帯びたように感じた。オレは、その反応に満足して、胸の突起を弄る指に、さらに力を込めた。北さんの喉から、堪えきれないような甘い声が漏れ出す。オレの身体もまた、北さんの熱に煽られ、限界まで昂ぶっていくのを感じた。
オレはゆっくりと顔を上げ、北さんの瞳を見つめながら、低い声で囁いた。
「 ね、二人でイイコトしましょっか。 」
その言葉に、北さんの瞳が揺らぐ。返事を待たずに、オレは片手を北さんのズボンに伸ばし、躊躇うことなくそのベルトを緩めた。同時に、自分のジャージの紐にも手をかけ、するりと解く。
練習で汗ばんだ布地が、二人の熱を帯びた肌からゆっくりと離れていく。そして、オレは躊躇なく自分自身のズボンも、その下着と共に勢いよく足元へと脱ぎ捨てた。部室の薄暗がりの中、露わになったオレの熱を帯びたモノが、北さんの顔のすぐ傍に迫る。北さんの瞳が、それを見上げたまま、大きく見開かれた。
オレは、そのままにや、と笑いかけ、少し掠れた声で囁いた。
「 んね、コレ…舐めてほしいなぁ。 」
北さんの表情が、一瞬で固まる。しかし、その瞳はオレのモノから目を逸らすことはなかった。むしろ、その奥に、抗いがい欲求の炎が燃え上がっているのが見て取れた。部室の空気は、熱と期待で満たされていく。
北さんが、ゆっくりと、おそるおそる、オレのモノに顔を近づけた。そして、恐る恐る、その先端に舌を伸ばし、触れてみる。熱い、湿った感触が、オレの全身を駆け巡った。北さんの舌の動きに合わせて、オレの身体が大きく震える。
「 っん…北さん、じょーず。 」
オレは、思わず漏れた甘い声と共に、北さんの頭を優しく撫でた。北さんは、一度舌を離すと、今度は少し大胆に、全体を包み込むように口に含んだ。ひゅ、とオレの喉から息が漏れる。北さんの温かい口の中の感触が、オレのモノを刺激する。
吸い付くような舌の動き、そして時折、その舌先が先端を優しく突くたびに、オレの腰は勝手に浮きそうになる。オレは堪らず、北さんの髪を掴み、その動きを促した。同時に、もう片方の手は、北さんの下へと伸ばされ、硬くなったソレを、服の上から優しく、そして力強く握りしめた。北さんの口から、甘い喘ぎ声が微かに漏れ出し、それがオレの耳に直接響く。オレの指が、北さんの下で忙しなく動き、その反応を楽しむように、さらに刺激を与えた。北さんの動きが、さらに加速する。
北さんは、まるで捧げ物を受け入れるかのように、オレの要求に応え続けてくれた。深く、強く、そして丁寧に。その唇と舌は、オレのモノのすべてを熟知しているかのように、完璧な刺激を与え続ける。オレは、その熱烈な御奉仕に、何度も身体を弓なりに反らせ、堪えきれない吐息を漏らした。北さんの口元から、艶かしい水音が響く。
オレの指が、北さんの熱を帯びた下を何度も往復し、その先端を優しく撫でるたびに、北さんの身体が震え、オレの口の中の快感はさらに増していく。オレは、もう限界やった。
「 っぁぁ〜…..北さん、射精る。 」
掠れた声で、オレは北さんに告げた。北さんは、一瞬動きを止めたものの、すぐに深く吸い上げるようにオレのモノを迎え入れた。その直後、オレの身体から、白く濁った液体が勢いよく噴き出した。北さんの口の中いっぱいに広がる、熱くて甘い液体。北さんは、それを少しも零すことなく、すべて受け止めようと努力してくれた。
オレは、その熱に震えながら、北さんの頭をしっかりと抱きしめた。全身の力が抜け、どっと疲れが押し寄せる。北さんの口の中の感触と、その温かさが、オレの身体の芯まで染み渡るようやった。
しばらくして、北さんがゆっくりと顔を上げた。口元には、オレの証が僅かに付着していて、それが妙に色っぽい。オレはぐったりと身体を横たえ、天井を仰いだ。もう、これ以上は動ける気がせえへん。完全に萎えてしまったオレのモノは、もはや何の主張もせず、ただ横たわっているだけや。
けれど、視線を下げると、オレの腰に触れていた北さんの下半身が、まだパンツを履いたままであることに気づいた。そして、そのパンツ越しでもはっきりとわかるほど、北さんのモノは、既に完全に勃ち上がっていた。
北さんは、オレの視線に気づいたんやろう。フイ、と顔を背ける。普段の冷静沈着な主将からは想像もできへんくらい、その耳から首筋にかけてが、真っ赤に染まっていた。恥ずかしそうに、少しだけ身体を捩る北さんの姿に、オレは思わず小さく笑ってしもうた。
そして、その震える手が、自分のパンツをずり下げていく。熱を帯びた肌から解放された。露わになった北さんのモノは、まるでオレを呼んでいるかのように、大きく、力強く、そして艶めかしく、その存在を主張していた。
北さんが、オレの目をじっと見つめる。そして、その唇が、震えながら、しかしはっきりと、オレに告げた。
「 なあ、侑…ココ、来て? 」
そう言って、北さんは自分の股を、恥ずかしそうに、だけど迷いなく、ゆっくりと開いた。部室の薄暗がりの中、広がる北さんの太腿の間に、オレの熱を呼ぶ場所が、甘く誘っていた。
その光景を見て、オレの身体は、不思議とまた熱を帯び始めた。さっきまでぐったりと萎れていたオレのモノが、自然と、ゆっくりと、しかし確実に、再び勃ち上がっていくのを感じる。
「 ホンマッ、アンタって人は… 」
オレは、呆れたような、それでいて愛おしいような声で呟いた。今すぐにでも、この熱い衝動のままに北さんの奥へと挿入したい。だが、それでは北さんを傷つけてしまうかもしれへん。焦る気持ちを抑え、オレはゆっくりと、北さんの開かれた股へと手を伸ばした。
そして、その指先が、北さんの熱を帯びた入り口にそっと触れる。僅かに震える指を、さらに奥へと押し進める。一指、また一指と、慎重に、そして優しく、北さんの身体を、オレを受け入れるためにほぐしていく。
「 ん…っ… 」
北さんの喉から、甘い声が漏れる。それは痛みではなく、快感に変わっていく前触れのようやった。オレは、その声に導かれるように、さらに深く、北さんの内側を探っていった。
男には、前立腺なるものがあるらしい。そこは、一度触れただけで快感を呼び起こしてしまうほどの、敏感な場所。オレは、その知識を思い出し、指先でその一点を探るように、そして確かめるように、ゆっくりとほぐしていった。
触れるたびに、北さんの身体が大きく震える。普段は決して見せないような、乱れた吐息が、部室に響き渡った。そして、オレの指が、その敏感な場所、前立腺に触れた瞬間、北さんの身体が大きく跳ねた。
「 っぁ”!?そこっ、いややぁっ♡♡ 」
普段の落ち着いた北さんの声からは想像もつかへん、甘く、そして抗いがたい嬌声が、部室に響き渡った。オレは、その声を聞いて、確信した。
…北さんの、一番敏感なところを、見つけてしまった。
オレは、そんな北さんを見てニヤッと笑った。抵抗するように身体を捩る北さんの腰を、オレはしっかりと掴んで固定する。逃がすもんか。こんなにも可愛らしい北さんを、オレが手放すわけがない。
オレの指先は、その見つけたばかりの敏感な場所を、さらに優しく、しかし確実に、刺激し続けた。北さんの身体が、ピクピクと痙攣するように震え、瞳の奥に涙が滲んでいるのが見えた。普段は決して見せることのない、剥き出しの感情。オレは、それを独り占めしているという事実に、ゾクゾクするほどの興奮を覚えた。
「 北さん、ここ、気持ちええんやろ? 」
オレは、耳元で囁きかける。北さんは、言葉にならない甘い呻き声を上げるだけで、何も返せへん。その反応が、さらにオレを煽った。そして、オレの指の動きが、一段と速く、そして深くなった、その時。
「 ぁっ、いくっ、いくからっ、なぁッ、あつむっっ….! 」
北さんの、今まで聞いたことのない、切羽詰まった声が、オレの名前を呼んだ。普段は冷静な北さんが、こんなにもオレに全てを晒してくれている。その事実が、オレの理性を完全に吹き飛ばした。
オレが指を動かすたび、北さんの腰が大きく跳ねる。もう、理性なんてどこにも残っていないように、ただ快感に身を委ねていた。瞳は潤み、口からは止めどなく甘い吐息が漏れる。
そして、そのまま北さんは、何も言わずに、勢いよく果ててしまった。びくん、と大きく身体を震わせ、北さんのモノから、白く濁った液体がぴゅっと噴き出す。それは、オレの指先にかかり、温かい感触がした。
「 はぁ…はぁ…っ… 」
全身の力が抜け、北さんはだらりと腕を投げ出し、ゆっくりと身体の力が抜けていく。呼吸は荒く、完全に無防備な状態。そんな、普段絶対に見せない北さんの姿に、オレの胸は締め付けられるような愛おしさと、そして抑えきれない欲情でいっぱいになった。
オレのモノは、先ほどよりもさらに大きく、熱く、北さんの入り口を今か今かと待ち望んでいる。
オレは、濡れた指を北さんの入り口から抜き取り、そのままオレの勃ち上がったモノの先端にゆっくりと滑らせた。北さんの体から出たばかりの熱が、オレのモノにまとわりつく。その潤滑を確かめるように、ゆっくりと、北さんの、開かれた股の間に、オレの熱を帯びたモノの先端をそっと当てる。
ぐぽッッ♡♡
躊躇なく、オレは北さんの奥へと、オレのモノを、一気に、深く、挿入した。
北さんの身体が、大きく弓なりに反る。甘く、苦しげな吐息が、北さんの唇から漏れ出た。しかし、その声は、拒絶ではなく、むしろ熱い快感に満ちていた。オレのモノは、北さんの内側で、まるで居場所を見つけたかのように、ぴたりと吸い付いた。内壁の熱と、吸い付くような粘膜の感触が、オレのモノを締め付け、全身に電流が走る。
「 はぁ…っ、北さん…っ、気持ちええ…ッ 」
オレは、深く息を吐きながら、北さんの首筋に顔を埋めた。汗ばんだ肌の匂いと、北さんの甘い吐息が、オレの理性を完全に奪っていく。
オレは、ゆっくりと腰を動かし始めた。奥まで挿入されたオレのモノが、北さんの内側をじっくりと、そして確実に刺激する。
「 んぅ…ッ…あッ、ぁ…♡ 」
北さんの喉から、絞り出すような喘ぎ声が漏れる。オレは、その声にさらに煽られ、腰の動きを速めていった。
「 北さん…っ、ホンマにええ顔してますね… 」
挑発するように囁くと、北さんの身体がピクッと震える。オレは、空いた手で、北さんの勃ち上がったモノを優しく握り、さらに刺激を与えた。そして、もう片方の手は、今にも引きちぎれそうなほど硬くなった北さんの胸の突起を、親指と人差し指で挟み、容赦なくグリグリと弄った。
「 ひぅッ…ぁっ、やめッ…っ、あつむッ…!♡ 」
北さんの声は、もう完全に乱れきっている。オレは、そんな北さんの反応に、さらに興奮を覚える。腰を激しく突き上げながら、オレは北さんの耳元で囁いた。
「 もっと、気持ちええ声聞かせてくださいよ、北さん… 」
オレは、そのまま腰を深く突き入れながら、容赦なく、北さんの前立腺を潰すように、グリグリとモノで突きまくってやった。
「 っぁ”あああああッッ!!♡そこっ、んんッ…!ふッ、やめぇ…っ、あつむぅ…ッ!♡あぁッ…!! 」
北さんの身体が、大きく震え、全身に鳥肌が立つのが分かった。顔は快感と苦悶に歪み、瞳からは生理的な涙がとめどなく溢れ出ている。普段の彼からは想像できない、あまりにも官能的な姿に、オレはさらに深く、熱く、北さんの中へと突き進んだ。
静かな部室には、
ばちゅッ♡ばちゅッッ♡
と、肉と肉がぶつかり合う、ねっとりとした水音が響き渡る。それに混じって、オレの荒い息遣いと、北さんの甘い嬌声が、ひたすらに空間を支配していた。
オレは、北さんの腰を掴む手をさらに強く握り締め、腰を高速で突き上げた。ひゅっ、ひゅっ、という呼吸音が、まるでこの行為を加速させるかのように、切迫していく。
「 ッッ、ん”ん〜〜〜…..!!!♡♡ 」
あまりの激しさに、北さんはすぐに果ててしまった。全身を震わせ、快感に身を任せて身体がぐったりとオレに預けられる。
───そうして、五回戦……..いや、それ以上かもしれんけど。それくらいの時間が経った。あまりにも、オレが絶倫すぎて。
北さんは、ずぅっと気持ちよさそうな顔しとった。もう抵抗なんてできひんまま、オレの身体に身を委ねとるなんてあまりにもエロすぎる!!
なんて関係ない話してしもたな。何やら、北さんがなにかキそうな顔しとんねん、オレは気になって、更に腰を早めた。
「 はぁ、はぁ…っ…侑、も、もう…ッ、くる…ッ、あッ、ぁぁッ!!♡ 」
北さんの身体が、再び大きく弓なりに反り、その喉から、堪えきれない絶叫が漏れ出した。オレのモノに絡みつく北さんの内壁が、痙攣するように締め付けられ、オレの快感も限界に達する。
その瞬間、北さんが出したものは、精子でもなんでもない、潮だった。女が吹くような、あの潮。
オレは目を丸くした。昔聞いたことがあるが、潮は尿が薄まったものらしい。実質、北さんがおもらしをしたということ。オレはそんなグズグズな北さんを見て、さらに興奮してしまった。
「 あぁッ、北さんッ…!オレもッ、イきますッ…!! 」
オレは、北さんの腰を掴む手に最後の力を込め、さらに深く、奥底まで突き上げた。北さんの内側から、また微かに水が噴き出す感触がした。そして、オレの身体もまた、限界を迎えた。
ずびゅっっ♡ずびゅ♡ぶちゅぅ..♡
熱い液体が、北さんの身体の奥深くに、何度も何度も、勢いよく叩きつけられる。オレは、全身の力が抜け落ちるのを感じながら、北さんの肩に顔を埋めた。北さんの身体もまた、びくん、びくん、と大きく震え、その熱い体温が、オレの肌にじんわりと伝わってくる。
部室には、先ほどまでの激しい水音と喘ぎ声に代わり、二人の荒い、しかし満たされた息遣いだけが響いていた。
オレと北さんはしばらく余韻に浸ったあと、ゆっくり北さんが腰を上げた。フラフラで倒れそうだったため、オレは北さんを支える。
「 侑…、なんであんなこと、したん。 」
北さんの声は、少し掠れていて、普段の凛とした声とはかけ離れていた。その瞳はまだ潤んでいて、オレをまっすぐに捉えている。オレは北さんの腰を支えながら、その身体を抱き寄せた。
「 なんでって…北さんを、抱きたかったからです。 」
オレの言葉に、北さんは何も言わない。ただ、オレの肩に顔を埋めるように、ぐっと身体を寄せた。その熱い身体が、オレにすべてを委ねているようで、たまらなく愛おしかった。
「 オレ、ずっと…北さんのこと、特別やと思ってました。 」
正直な気持ちが、口から溢れ出る。いつからやったやろうか。ただの主将と部員という関係では収まらない、もっと深い感情を抱くようになったのは。
「 練習熱心で、真面目で、誰よりもバレーに真剣で…そんな北さんが、オレは、ずっと、ずっと眩しかったんです。 」
北さんの髪に頬を擦り寄せながら、オレは続けた。
「 たまに、見せる優しい顔とか、たまに、オレらのアホな話に付き合ってくれるところとか…全部、全部、好きでした。 」
オレの言葉に、北さんの身体が小さく震える。
「 今日、北さんがあんなに乱れてくれたんが、めちゃくちゃ嬉しくて…オレ、もう、我慢できひんかった。 」
オレは、北さんの顔を上げさせ、その潤んだ瞳を見つめた。
「 北さん、オレ…あんたのことが、好きです。誰よりも、一番、好きです。 」
まっすぐなオレの告白に、北さんの瞳が大きく見開かれた。その表情は、驚きと戸惑い、そして微かな安堵が混じり合っているように見えた。
部室には、オレたちの荒い息遣いと、お互いの鼓動だけが響いている。北さんは、何も言わないまま、ただじっとオレの目を見つめ返していた。その沈黙が、ひどく長く感じられた。
やがて、北さんの唇が、ゆっくりと開いた。
北さんは、フフッと笑いながら答えた。
「 このタイミングで告白するなんて、びっくりしたわぁ。 」
そうやって笑うが、北さんの瞳の奥には真剣さを感じられた。
「 せやなぁ……..。お前が本気っちゅーんなら、叶えてあげへんこともないけどな。 」
なんて、悪戯に微笑む。ホンマにこの人は、オレを困らせる。
「 北さん…意地悪やなぁ 」
オレは、少し不貞腐れたように言った。しかし、その言葉とは裏腹に、オレの胸は高鳴っていた。北さんの瞳の奥に見えた真剣さが、オレの言葉を信じてくれている証拠のように思えたからだ。
「 意地悪ちゃうわ。ちゃんと、お前の本気、見極めとるんや。 」
北さんは、そう言ってオレの頬に手を伸ばし、親指で優しく撫でた。その指先から伝わる温かさに、オレは自然と目を閉じた。
「 オレは、本気です。北さん以外、考えられへんくらい、本気です。 」
オレは、もう一度、まっすぐに北さんの目を見て告げた。北さんの頬に触れるオレの手が、震えているのが自分でも分かった。
北さんは、オレの言葉に満足したように、ふわりと微笑んだ。そして、その表情は、今まで見たことのないくらい、柔らかく、そして少しだけ照れたような色を帯びていた。
「 …そうか。侑が、そこまで言うんやったら… 」
北さんは、一瞬視線を外し、それからゆっくりとオレの目に戻した。その瞳は、もう迷いを含んでいなかった。
「 ほな、オレも覚悟決めなあかんやろな。 」
その言葉と同時に、北さんの手がオレの首筋に回され、ぐっと引き寄せられた。そして、唇が重なる。今までの熱情的なキスとは違う、優しくて、甘いキス。それは、互いの心が通じ合ったことを確かめ合うような、誓いのキスだった。
オレは、北さんの身体を抱きしめる腕に、さらに力を込めた。この温かさを、この瞬間を、ずっと大切にしたい。部室の薄暗がりの中、オレたちの新たな関係が、静かに、そして確かに始まった。