どうも、消し炭になったもちもちです。
構想は溢れるほど出るのにそれを書き起こしに至らないことに悩んでいます。
この話は夢に見たものを約2週間かけて書いた挙句の果てにボツになったものです。
供養しに来ました。
変なとこがあってもスルーしてみて頂けると幸いです。
「君が新人?」
「あ、っはい…」
「こっち来て」
「道、狭いから。」
「は、はい」
「ココの梁を伝っていくの、お客様が下でお茶してるから落ちないように」
「…はぃ」
「名前は?」
「霧矢です…」
「…偽名は持ってる?あだ名とかでもいいんだけど」
「あります……きりやんです、」
「ココでは、糸結様って言う、神様が元締めなの。」
「でも、本名を覚えられたら気に入られる、すると加護とは名ばかりのハンデが付与される。」
「だから、ここにいるあいだは偽名を使う、それは従業員もお客様も同じ。」
「わかった?」
「…はい」
「ここ、降りるよ、高いけどした座布団あるから怪我はしないし、何かあったら俺が受け止める。」
「あの、」
「なに?」
「あなたは、なんて呼べば……」
「……時也、きんときでもいいし、先輩でもいい」
「…本名……」
「あぁ…俺はもう”加護”を受けてるから、人によって内容は違うんだ」
「そうなんですか…」
「敬語じゃなくていいよ、しばらく働かないとここからはでられないから。」
「は……、うん」
「……加護、何か気になってる?」
「……すこし」
「見る?」
「え、いいの……?」
「うん…ほら、」
「痣…?」
「でも痣にしては、なんだか細い糸で…」
「これね、見えないでしょ、糸がね巻きついてるの、上、見てご覧。」
「……天井が見えない」
「この見えない闇から伸びた長ーい糸が俺の体に巻き付いて、少しずつ締め付けてる。」
「いたく、ないの」
「痛いよ、痛いさ、でも、糸結様に気に入られてしまったら最後、ここが生涯の墓場になる。」
「二度とこの店から出られなくなるの。だから、絶対に本名を口にしてはいけない、わかった?」
「うん」
「よし、そろそろ時間、糸結様のとこ行くよ」
「なにをするの?」
「糸を編むの」
「糸結様のうしろにみんなで座って糸を編むの、まだまだできなくていいんだよ、8年目でできないって人もいるから」
「わかった、」
「お隣座って、はいこれ糸、あのすだれの向こう側にいるのが糸結様。あの動きを真似すればいいんだよ」
「困ったら呼んでね」
「………?」
「(なんか…糸が変形して…?)」
「(…糸結様が…こっち見てる…)」
「(……こわ…ぃ……)」
「(気にしたら負けだ、糸を…)」
「ッ……ぅあっ!?」
「っ!きりやん、…!?」
「み、みてる、こっちみてっ…」
「誰、誰が…」
「糸結様が、俺を見て、わら、って………」
「…まずっ、…きりやんごめん」ギュ
「目…閉じて耳もふさいで、息止めて、……大丈夫…止めても死なないし苦しくならないから…大丈夫…」
「…………っ、…っ…~…」
「………もう、大丈夫のはず……今日は帰ろう?」
「……っ…ぁ……」
「…どうしたの?なにが見えて…ぇ…」
「……いやっ、来ないで!やだ!」
「……!…あぁ……糸結様……どうか…どうか…彼には、優しい加護を……どうか…どうか…」
「っ……ぐす、ひぐっ……」
「…時也、俺らがどうにかする、から、新人を宿舎に」
「言われずとも、須磨居る?」
「案内する、新人は梁渡れるか」
「大丈夫俺が抱える」
「よし、じゃあ、残りの奴らと、俺と琉玖で糸結様、須磨、歩夢、時也で新人、」
「……新人君はどうやらお気に入り体質だったみたいだな、本名をこれだけ出しても、糸結様が反応しない」
「……、須磨」
「なんだ」
「俺がまた吊るされたら新人を頼む、」
「おまえがそういうの珍しいな」
「……もう、後輩が俺の加護で死ぬのは見たくない、それに、糸結様はきっと一番引き止めやすい俺を最初に止めるはずだ」
「…わかった、この命に変えてもその子を守ろう。歩夢、後ろ頼む」
「うん」
「須磨!」
「…うわっ!?」
「時也…っ…!」
「いけっ…!っん、ぐ、ぅ…」
「…!須磨!走れッ…!」
「……歩夢っ…」
「いいから!いいから走って!」
「っ…ごめん!」
「はぁっ、はぁっ……」
「…ここなら……」
「ん、ぅぅ……?」
「お、起きたか」
「…………おれ…」
「…大丈夫、糸は張ってないはず。」
「ぇ、…?、ッぁ、ん、ぅ”ッ………」
「…どうした……っ?」
「っ…ぐる、しぃ”…」
「…!鋏……あった…!」
「っ、かはっ、けほっ、けほっ……」
「大丈夫か」
「……っ、ぅ……」コク
「よし、とりあえず今日のとこは外に出るのはやめておこう…」
「………あの」
「どうした」
「俺、変な夢…見てました、」
「みんなが俺を守ってココまで運んでくれる夢」
「だけど、ここに着くまでのあいだに、みんな自分に巻きついた糸に絡め取られて、吊し上げられていく。」
「なすすべなく、俺はそのままここに運び込まれる……」
「………そうか」
「夢でよかったって思うたかったです。でも…」
「みんな、ここにいない、だから……」
「…だから…俺たちで今すぐ助けに行かないと…!」
「みんな、苦しそうで………でも、少し、うれしそうだった……」
「だけど、俺は新しくできた仲間を見殺しにしたくない…」
「……助けに行きたいのか」
「……はい…」
「…今はやめとけ、扉の外を見ろ」
「……っ…ぅわ…」
「糸でガチガチに固定されて開けようにも開けられない」
「だから今は明日に備えて眠っとけ」
「………おやすみなさい…」
「…あぁ」
「…ほら…起きろきりやん」
「………なんで、俺の名前…」
「あいつに聞いた、いつまでも新人呼ばわりは他人行儀すぎると思ってな」
「……」
「とりあえず、武器を持て、鋏でいい」
「…ハサミでどうにかなるものなんですか……」
「…まぁ、これ持ってみろ」
「……でかくないすか…」
「あぁ、基本は普通のハサミとは違う使い方をする。」
「二本でひとつじゃない、一本一本で持つんだ」
「この鞘に入れてけ、持ち運びやすいはずだ」
「……はあ…」
「………練習、してみるか?」
「ぇ…?」
「俺の手首から巻き付いてる糸、見えるか」
「はい…」
「切ってみろ」
「……こ、う、ですか、?」
「うまいな、心配は要らなさそうだ。」
「よし、行くぞ」
「………はい!」
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