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スマホが鳴る、画面に映るのは1人からの通知だった
「ごめん、乗り換えミスって遅れる」
「近くで座ってて」
今日は、二人で水族館に行く約束をしてた。地元からちょっと離れたところにある水族館に行くんだ
「分かりました。__喫茶店にいますね」
返事はなかった。既読マークだけが私のメッセージに着いた
店の入口に付いているベルがカラン、となる
「ごめん、遅れた」
そういう貴方は、汗一つかいていない
「いや、大丈夫です。」
「行きましょう、」
「_先生」
いつも、学校で見てた黒パーカーにスラックス
手荷物は何一つない。きっと、最低限の荷物で来たんだね
卒業式の日、桜が満開だった
卒業式が終わって、みんなが写真を撮ってる時私は校舎裏である人を待ってた
「ごめん、ちょっと仕事長引いて……待った?」
「んーん、待ってないですよ!」
「そっか、それで用って? 」
「あのさ、先生。最後に一緒に水族館に行こう」
そういうと、先生は固まった。何を言っているのかわからない、と訴えてくるように
「えっと……?」
「クラゲとか、クマノミとか、そーいうの全部見よう」
「あぁ、……」
この時、どんな表情してたのかな。きっと困らせたよね。
「水族館いってくれたら、全部諦めます。」
館内に入ると、外の世界とはまるで違くて暗く神秘的な場所だった
「綺麗ですね」
「そうだね」
先生、ずっと時計みてるね
「これ、食べられちゃうのかな」
「そーかも?そーいうもんだよ」
先生、他の魚を食べちゃうような魚、この水槽にはどこにもいないよ
「こっち行きたいです!」
「ん、わかった」
廊下で歩いた時よりも距離を感じた
数ヶ月前の方が、一緒に歩いてくれたな
あたりは薄暗くなって、最後の時間は終わった
私の最寄りまで送ってくれて、先生は言った
「どう、満足?」
何かが、壊れるような音がしたんだ
あぁ、この人は今日1日楽しむ気は微塵もなかったんだな
ただ、しょうがなくで付き合ってくれたんだな
「そんなの、さいてい」
その一言は、電車の音でかき消された