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:Prolog
🌷「はぁ ,…はぁ、ッ…__。」
自身の手首を切れば開かれた傷口から
ポタポタと深紅の液体が
列を成して垂れ落ちる
自然と潤む瞳に違和感を抱き乍も彼は
唯切り口を呆然と見詰める。その目に光、
憂い等の陽気な言葉は似合わないのだろう。
荒々しく流れる吐息の音は徐々に弱くなり乍
彼は顔を上げ唯虚空を見詰めるのだった。
ダラダラと流れる血は止まらない。
然し彼はピクリとも動かない
常人であれば痛みに悶え涙を
流し地にひれ伏す という所であろう。
🌷「 … __。」
彼は口を開いた。
🌷「もう,疲れたなあ … 。」
乾いた夜の空気が窓を透け、彼の
美しい蒼の毛髪を吹き抜けて行く。
そう呟く彼の表情は無く、
群青の瞳は濁りきっていた。
彼の心の状態は生き物と言うより、
無機物等 と言う方がわかりやすい様に
凍えきってしまった。
彼を壊したもの_
それは ”???“ という立場である。