テラーノベル
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あっしは、他の人と比べて、学もなけりゃ、才能だってない。そんな自分が、嫌で嫌で堪らなくて、限界<キャパオーバー>に達したことなんていくつあっただろうか。好きなことができなくて、嫌いなことも嫌って言えない。
かと言って、親にだって言えやしない。
周りの人を信じるのが怖いが故に、ジブンに対してだってそうだ。期待?信頼?そんなもんどーだっていい。聞き飽きたんだ、全部、全部。あっしは、努力しないと恵まれない。今後は、努力したって恵まれないかもしれない。そんな不安にかられながら生きてゆく。それがあっしの自我<エゴ>ってやつ。
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1 無駄なことは意味が無い。
「ねぇ。あん人んち暴力家族てよ」
周りの全員、嘲笑うような目で俺を見る。いつもの事だ。気にすることない。
「怖かねぇ、近寄らんといてほしぃわ」
近寄ぉってくんのはそちやろもん。あほらしい。一々うっちゃってくるのは、嫉妬?それとも、ストレス発散?わけがわからない。
こんな毎日が続く一方、あっしは、メンタルをエライ鍛えられた。鍛えられたっていうニュアンスもどうかと思うが、遠回しに”慣れた”って言ってるもんか。まだまだあっし達も、14歳で、来年受験生。そんな時にこんな有様。普通おかしかよ。こっちだって自分らしく生きるのに精一杯考えて、人生謳歌してんのになんであん人たちは悪く言えんの?バカがうつる。
愚痴るのも、段々当たり前になってきて、そんなんもう、抜け出したいくらい。愚痴る友達もいねぇんに誰にぶつけてんだか。
家に帰っては、居場所はないし、その上物呼ばわりされるのにも飽き飽きする。そんな時に、こんなのが来た。
@旗井 巡様。
(なんや、これ?宗教勧誘かなんかか?)
その手紙の初めの文章は、
新世界のストライカーになる方々。
わけがわからない。勧誘やろこんなん。どっちにしろ、神には縋らないし、まずまず信じてもいない。絶対行かん。
恐る恐る読んでいく、巡。
貴方様は、たいへん優秀な人材なため、この”青い監獄<ブルーロック>“に招待いたします。貴方のサッカー技術はとても素晴らしいと評価致しました。是非お越しください。
あ?いやそもそも、サッカーなんてしとらんし。最少年コーチしとるだけであって、喘息持ちやから、いつもマネージャーの役割なのに?メンバー全員に作戦練ってただそれを伝えるだけの応援コーチなのに?
少し考えた末、
「人間に、限界なんてないのか、。」
1回、行ってみて、なんで招待されたのか、聞くのも、有り、?全然ありあり。つか招待されたのが意味不明だし。しかも14だし。よく分からない。未だに混乱している。何故サッカー選手でもない自分が招待されたのが。それを確かめるために、直接会いに行った。
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「ここ、か?」
山の奥にどデカい建物があった。普通にこれ、うん、どんだけ金使ったんだろう。考えるのにも呆れる。強化指定選手。選手ってことは、あっしみたいなマネージャーごっこしとる人じゃなくて、実際もっと凄くて、技術も高いんやろな。妬けるわ。
どこもかしこもイカついやつばっかで、話しかけるのも怖い。いいな____
『ゴッ』
『えー、あー、あー』
!
『おめでとう 才能の原石共よ』
周囲がざわめく。
『お前らは俺の独断と偏見で選ばれた優秀な18歳以下のストライカー』
『300名です』
いや、あっしに関しては関係なくて笑えてくる。一体なんのために?
『そして俺は 絵心甚八』
『日本をW杯優勝させるために雇われた人間だ 』
いやいや、は?W杯?優勝?あっしには何も関係ないじゃん。なんでよばれたのか意味不明だ。
『単刀直入に言おう』
『日本サッカーが世界一になるために必要なのはただ1つ___ 』
『革命的なストライカーの誕生です
俺はここにいる300人の中から』
『世界一のストライカーを創る実験をする』
『見ろ』
スクリーンに映像が映し出される。
『これがそのための施設、』
『”青い監獄”<ブルーロック>』
そうして、絵心甚八と名乗る男は、青い監獄、ブルーロックについての生活について話していった。あっしにはあまり関係ない話ばっかだったため、後半の方は聞くにも聞けなかった。
『説明は以上』
『よろしく』
やっと終わった。明かりがつくと共に、皆々ざわつき始めた。そして1人の勇気ある選手が言った。
「あの!すみません」
「今の説明では同意できません」
それはあっしも思った。と心の中で同感していた。その選手か言うことは、少なからずともどれも納得のいくものだった。その選手の言い分を聞くと共に周りの人もその意見に賛成し始めた。だが、あの男はこう言った。
『、そっか』
『重症だなぁ お前ら』
重症?何がどうで重症?
『帰れ<ファックオフ>』
『帰りたい奴は帰っていいよ』
言ってることがめちゃくちゃだと思ったのはあっしだけでは無いだろう。
『チームが大切、?お前らは自分が世界一のストライカーになることよりも』
『こんなサッカー後進国のハイスクールで1番になる方が大事か?』
『あ?』
針を刺すような言葉に皆驚きを隠せない様子だった。
『お前らみたいなのが日本の未来背負ってると思うと絶望だわ』
挑発するような口調。誰だって嫌だろう。憧れた選手がいたからここまでやってこれた人だっているのにそんなこと言われたら嫌な気持ちになる人も出てくるはず。
『いいか?』
『日本サッカーの組織力は世界一だ 』
『他人を思いやる国民性の賜物と言える』
『でもそれ以外は間違いなく』
『二流だ』
また画面が切り替わる。サムライブルーの集合写真が映し出された。
『お前らに訊く』
『サッカーとは何だ?』
『11人で力を合わせて戦うスポーツ?』
『「絆を大事に」?
「仲間のために」?』
『だからこの国のサッカーはいつまで経っても弱小なんだ』
『違うんだよ』
相手より多く点を取るスポーツだ
そう言われれば確かに、今まではずっと、11人で協力し合う、絆を大事とか、確かに思ってた。でも、点を入れないと勝てないよね。そういう理屈で行けば納得できるかも。
『点を取った人間<ヤツ>が一番偉いんだよ』
『仲良し絆ごっこしたいなら帰れ<ファックオフ>』
仲良し絆ごっこ、か。
「不快です」
「撤回してください」
またあの選手だ。この空気を変えてくれる。
「本田選手や 香川選手、、 他にも いっぱい いる、 代表イレブンが11人で戦う姿を・・・ 僕らは 今までの日本代表のチームプレーを見て育ったんです! 」
「彼らは僕の スターです!あんた間違ってるよ」
『ん?本田?香川?』
『んーー?』
『そいつらってW杯優勝してなくない?』
『じゃあカスでしょ 世界一になる話してんだけど?俺』
痛いところ突つかれたな。あの男は世界一のストライカーの話をすすめた。選手の最低さこそがストライカーだと。自分のエゴがなきゃストライカーにはなれないと。日本サッカー界には”エゴ”が必要ということを。
『世界一のエゴイストでなければ、
世界一のストライカーにはなれない』
『この国に俺は、そんな人間を誕生させたい。 この299名の屍の上に立つ、たった1人の英雄を』
『想像してみろ』
『ラストプレー。味方からのパスに抜け出したお前は、ゴールキーパーと1対1 右6メートルには味方が1人、パスを出せば確実に1点が奪える場面』
想像はできるが、実際には自分にとってありえない事だ。元はといえばここにいる方がおかしいんだ。
『全国民の期待、優勝の懸かったそんな局面で…迷わず打ち抜ける そんなイカれたエゴイストだけ…この先へ進め』
スクリーンが映し出されていたはずの場所が開いた。
『常識を捨てろ。ピッチの上ではお前が主役だ 己のゴールを何よりの喜びとし、その瞬間のためだけに生きろ』
『それが”ストライカー”だろ?』
鳥肌が経つほど唆られた。そう思った直後に、頭のてっぺんにぴょこんと双葉を生やした選手が誰よりも1番に動いた。それを見た選手たちはつられていくかのように連鎖して行った。会場に残ったのはあっしとあと2人。
『行かないのか?』
「行きます待ってください」
1人の方はもうひとりの方に声をかけていた。明らかに面倒くさそうな様子だ。
「ほら行くぞ”ナギ”」
「んえー、帰ろーよ”レオ”」
なにやら揉めてる様子だ。
『お前はどうした行かないのか』
「あっし?」
『あぁ』
「なんで呼ばれたのかも知らないで行くなんてありえない。今までサッカーなんて経験したこともないのに。知識はあっで技術がなきゃ出来ないでしょ」
『言ったろ?独断と偏見だ。と』
「いっちょったけどそれが何」
「知識があるのと技術があるのは大差がある」
『世界一のストライカーになりたくないのか。そうか。なら帰れ<ファックオフ>』
『やる気がない以前の問題だな 生まれなおしてこい』
そんなこと言われると、なんか腹たってきた。こいつ、絵心甚八を見返してやりたい気持ちがバンバン湧いてくる。何この気持ち。
「どうせ帰らせないつもりでしょ」
あっしは小声でそういった。
行かざるを負えなかった。いや、行かないとダメな気がした。無駄なことじゃないと思えた。あっしが変わったのはここからだと思う。
コメント
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うわあっこれめっちゃ重い…!!😭✨ 主人公の「あっし」の自己肯定感の低さとか、周りからの嘲笑とか、家でも居場所ない感じ…読んでて胸がぎゅーってなったよ… でもそんな中でブルーロックに呼ばれて、絵心の言葉に「腹立つ」って思えた瞬間、何かが変わり始めた感じがして熱かった!🔥 「無駄なことは意味が無い」って言い聞かせてた自分が、最後には「行かざるを得なかった」って思えるの、めっちゃエモい…! サッカー未経験なのに呼ばれた謎も気になるし、この先どうなるのかめっちゃ読みたい!!続き待ってます📖💕