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あたたかい目で ご覧ください😖
🤪×🍣 約3400文字
⚠️ご本人様一切関係ございません
今日もカタカタ、とキーボードの音が 2人だけのリビングに響く。
最近まろが構ってくれない。
休日でも平日でも朝から晩まで仕事。
ずっと忙しそうにパソコンとにらめっこ。
もちろん俺が入る隙なんてない。
構ってほしいなんて、 めんどくさいし
恥ずかしいやつだなんて自分で思うけれど。
な「ね、ねぇ!まろ !」
い「…ん?どーしたん? 」
まろは目元にかかった髪質の良い黒髪をかきあげた。端正なまつ毛や鼻筋があらわになる。
な「最近さ!駅前に新しいカフェできたじゃん!そこ、まろと行きたいなぁ、なんて、」
い「ごめんなぁ、最近仕事終わらんくて
ここずっと出かけられそうにないかも」
な「…そっか…!また今度行ける時行こ!」
い「ん、ごめん」
…… 。
心のどこかで期待していたものはシャボン玉が割れるみたいに一気に崩れ落ちる。やっぱりそうだよね。
またパソコンに向き合う彼の横顔に、柄にもなく見惚れてはなぜか苦しくなる。
俺とまろは付き合ってるはずなのに、 それらしい事なに1つできてない。
それどころか距離を感じてしまう。
このままだと破局が近いかもしれない。
でも下手に行動を起こしてまろに嫌われたくはなかった。
どうしたら、何したらいいんだろう
俺まろにとって本当に特別な人なのだろうか
まろは俺の事どう思ってるのだろうか
な「ね、ちょっと外の空気吸ってくる!」
い「…?そっか。気をつけてな」
い「うん!いってきます」
思わず外に飛び出してしまった。
そして、なんでか俺は駅前にいる。
俺は2人で行きたかった駅前の店の目の前にやって来てしまった。
店の中には、お客さんがわいわいと談笑をする姿や、美味しそうにスイーツを食べる姿があった。
その姿に、自分と彼を重ねる。
ありもしない妄想。 幻想の姿。
俺は何がしたかったのか、そのまま店に背を向けて逃げるように反対方向へ向かった。
次にたどり着いたのは家の近くの公園だった。へなへなとベンチに1人座り込む。
な「ほんと何してんだ俺……」
今すぐにまろに抱きしめてほしかった。
あたたかい言葉をかけてほしかった。
全ては俺のわがままなのにな。
な「いい大人が、なに言ってんだか……笑」
自傷的な笑いが込み上げる。
な「のど、かわいたな……」
自動販売機でコーヒーを買う。ガタンと音がしてコーヒーを拾い上げる間も、ぼんやりと彼の事を考えてはため息をつく。
彼は優しいから言ったり態度に出さないだけで本当は「重いなぁ」とか「めんどくさいな」とか思っているんだろうか。
もしそうだったら辛いなぁなんて、他人事みたいに思っては乾いた笑いがもれた。
買ったそれを見つめて、このくらいなら、と思って もう1つコーヒーを買った。
2人分のコーヒー缶を握りしめる。
「このくらいなら、重くない、よね」
その時、2人の人影が俺の横を通り過ぎた。
手を繋いだ男女。おそらくカップルだろう。
楽しそうに会話をしながら俺のすぐ横を通り過ぎる。
その姿を見て勝手に辛くなる。
な「あぁ、…」
目の奥が熱くなって視界がぼやける。
家でも外でも情けない自分に腹がたつ。
な「…こんなとこで泣くな、ばか、」
自分の頭を振り払う。
だめだ。
もう帰ろう。
な「ただいま〜」
い「遅かったなぁ。おかえり」
な「これ、コーヒー良かったら飲んで!」
い「え、ええの!ありがとな、ないこ」
もう期待させないでくれ。
そんなふうに笑顔を向けないでくれ。
な「…うん、俺邪魔になるから部屋にいるね!」
い「…、わかった」
涙を悟られないように自分の部屋に逃げこんだ。 そのまま冷たい床にぺたりと座り込む。
な「俺ほんとにまろの恋人だよね…?」
震える声が情けなかった。
もう俺から別れを切り出したほうがいいのかもしれない。
妙に冷静な自分は全部わかっていた。
最初からこうすればよかったんだって。
重くてめんどくさい
邪魔、足でまとい
『構ってほしい、とか幼稚すぎ。都合良すぎ。
俺忙しいんだけど。分かってそれ言ってんの?』
な「いや、まろはそんな事言ってない…っ」
な「…っうぅ”……」
な「……っ”…ぅ…」
今くらい許して欲しかった。
な「…ひ…っゔ」
とめどなく涙が溢れて止まらなかった。
しばらくすると、もうそれを拭う気力もなかった。
溢れたそれが、床につめたく零れる。
それを他人事のように眺めているだけだった。
そんな時だった。
い「ないこ」
そんな声に思わず肩がびくっと跳ねる。
幻聴かと思った。
でも違った。
前触れも無く、音もなく部屋のドアが開いて
今、一番会いたくなかった彼が現れたのだった。
な「…ぇ、?え?なんでっ?なんで急に…?」
「まろ、?」
い「ないこ」
まろは驚く様子もなしに感情の読めない顔でなぜか少しずつ近づいてくる。
「……っ!」
俺のこんな姿を見て失望されたかもしれない。
いやだ。いやだ嫌われたくない。
咄嗟に手のひらで顔を覆って隠す。
な「まろは…っ!俺の事嫌いじゃないよね…?」
「俺は……っ!まろの恋人だよねっ……?」
思わず暗示をかけるように彼に問いかける。
い「ないこっ…!!」
な「……ぇ」
予期せぬ出来事だった。俺はいつの間にかまろの大きな腕の中に抱かれていた。
俺はまろを抱き返すことも出来ずに、
行き先を失った両腕が冷たい床の上につく。
な「…なんで、なんでっ?まろは俺のことーー」
い「大好きや」
俺の言葉をさえぎるようにまろは言った。
耳元で優しく震える声が響く。
理解が追いつかなかった。
い「本当にごめん。仕事ばっかりでいっぱいになって、いちばん大切な人の事…… 」
な「……」
い「仕事、やめたよ」
な「……ぇ」
い「大切な人のそばに居れへんなんて、やめた方がよっぽどマシや。」
「上司も大量の仕事押し付けてくるし、しかも上手くいかずに余裕無くて内心焦ってた」
「言い訳なってごめん。俺もっと早く気がつくべきやったっ」
な「まろは…俺の事嫌いじゃないの…?」
い「今までたくさん心配させてごめん。口下手でごめん。不器用でごめん…っ。そんな事ない。俺はないこが思ってる以上にないこのことが、」
い「大好きやで。」
一言。たったの一言。
俺が求めていた言葉だった。
な「まろ……っ」
また涙が溢れた。
い「ごめんなぁ、ごめん、ないこ」
な「よがっだ…嫌われちゃったのかと思ったんだよっ……」
い「ほんまにごめん。心配ばっかさせた。俺はないこのことが大好きやで。世界でいちばん」
俺はまろの身体をを力いっぱい抱き返す。
今まで背中に背負っていた何かがすっと消えていくのを感じた。
いつまでこうしていたのだろうか。
俺はまろの大きな身体に包まれている。
まろの左胸からの規則正しい鼓動が心地よい。
い「なぁ、ないこかわいい」
「キスしていい?」
な「……!?き、キス!?」
い「だめ?」
な「…..ッだめ…じゃない……」
まろは待ってましたといわんばかりに笑って顔を近づけてくる。
恥ずかしくなってつい目線を下にそらすと、 骨ばった彼の手のひらで視界を覆われた。
真っ暗の視界の中で唇の感触を感じる。
どうやら俺の初めては
彼に奪われてしまったらしい。
初めてに夢中になっていた次の瞬間
俺は天井を見上げていた。
そのまま床に押し倒されたのだ、と理解するのに時間がかかった。
な「……え」
身体が火照(ほて)っていくのを感じてさらに恥ずかしさに拍車がかかる。
至近距離で彼の整えられた髪が乱れてかきあげられる。
長く綺麗なまつ毛も目元も、高く通った鼻 も、何もかもがかっこよく見えて仕方ない。
俺の目の前で、まろはいたずらっぽく笑う。
い「ごめん、今日優しくできないかも」
コメント
9件
ずっと激しくでええのになって内心思ってる腐女子☆タグって前まで🐶×🤪やったけど何が違うんですか?
コメント失礼します…! え、あの…惚れました(?) めっちゃお話の世界に惹き込まれました✨ 素敵なお話ありがとうございました🥲🥲
あの、タグとか題名🐶×🤪じゃなくて逆だと思います、主様がよければ直していただけると幸いです