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#胸キュン
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第一章 嵐は突然に
「凛!おはよ!」
「おはよう美織、朝から元気だね」
「おっ気づいた?気づいた?実は!何と!」
おおかた想像がつく。推しのライブにでも当たったんだろうな。
「推しのライブに当たりました!まじ人生の運使い切ったわ〜」
やっぱりね笑
「推しって前言ってた平◯紫◯?ほんと一途だね〜」
「そう言う凛は最近どうなの?好きな人できたとか?笑」
「残念ながら一切なーし。言ってる自分が悲しくなるレベルだよ」
「だと思った〜凛に好きな人ができたら大ニュースだかんね!絶対報告してね!約束!」
「はいはい。約束約束〜」
「嘘くさー!」
そうこう言ってる間に教室に着いた。ドアを通って自分の席の方を見ると私の前の席の九条大輝《くじょうだいき》と仲がいい霜月蓮也《しもつきれんや》が座っていた。
はぁとため息をついてどうしようか考える。
そういえば私の親友の中宮美織《なかみやみおり》の後ろの席が霜月蓮也だったのを思い出す。
(やり返しだ)
そう思い、美織の後ろの蓮也の席へと当たり前かのように座る
。
美織は一瞬驚いた表情を浮かべて私の席を見ると納得したようににやついている。
そして美織が口を開く。
「霜月っていつも凛の席座って九条と話してるよね〜私後ろの席だけど霜月とほとんど喋ってたことなくてどんなやつなのかわかんないんだよね〜」
そうなのだ。迷惑なことにあの霜月蓮也とかいう男は毎朝私の席に座っては九条と話している。九条の横に男子の席があるにも関わらず。
「凛的にはどう思ってるの?嫌なら九条に相談してみたら?」
「そう言われると迷惑ではあるけどわざわざ言うほどでもないから良いかなって。実際私も今霜月の席に座ってるしね。」
「もしかして凛のこと好きだったりしてね?笑」
でたでた。美織の恋バナ好き。
「何でもかんでも恋愛に繋げないの笑そんなわけ無いし。」
「そっかー意外とあると思うけどなー」
「ないって笑」
話してるうちに始業3分前のチャイムがなった。やべ、と思い、席に戻ろうと私の席を見ると、相手も私の方を見ていて口パクで「変われ!」とやった。
すると少しびっくりした顔で手を縦にし、ごめん、とエアーで伝えてきた。それに対して私は許す。と手で丸を作ってエアー会話は終わった。
何気に初めて関わった気がする。
席に戻り、いつも通り九条に「ごめんな」と言われて気になったのでちょっと聞いてみた。
「私、霜月君と喋ったことないんだけどどう言う人なの?いつも私の席座ってるけど」
何気なく聞いてみたら、それに対して九条は
「ごめんな?嫌だったか?」
と言われて「そういう訳じゃないよ。なんで私の先に座るのかなって思って。横に山田君の席あるのに。」
「えっ」
「え、どうしたのいきなり」
「いや、俺には分からん。本人に聞いてみたらどうだ?」
「喋ってたことなくてどんな人なのか分からないのに、いきなり話しかけたら、なんだこいつってならない?」
「蓮也は、んーどんなやつかって聞かれるとムズイけど、なんて言うか良いやつだよ。話しかけたら普通に答えてくれると思うぞ。特にお前なら」
「特に私ならってなに?まあいいや。じゃあちょっと後で話しかけてみるね。ありがとう。」
「おう。」
そう言って会話が終わり、担任が入ってきた。通称谷セン。
「はい席着いて。ホームルーム始めるぞー日直誰だー」
(あっ私じゃん。)
自分が日直なことをすっかり忘れていた。やばい。記録何もかいてない。
ひとまず挨拶を済ませようと思い、席を立って壇上に上がる。
「朝の挨拶をします。おはようございなす。」
『おはようございます』
みんなが続く。
(噛んだ)
何がおはようございなすだ。よりによって恥ずかしい噛み方をしてそそくさと壇上から下り、自分の席に戻る。席に着くと、九条が「噛んでたべ笑」と煽ってきて「うるさい」
と静かに会話を交わしつつ椅子に座った。
「はい宮下ありがとう。おはようございなす、じゃなくておはようございます。」
谷センにもいじられて恥ずかしさで下を向く。みんなの笑い声が聞こえて恥ずかしさが増した。本当ににやめて欲しい。
「今日の連絡は…あー、もうすぐ体育祭があるからその種目決めするぞー」
「もうそんな季節かー」とみんなが話している。
「はい静かにー決める種目はリレーとペアダンス決めるからなーペアダンスは誘いたい人いたら早めに誘っとけよー」
担任がそう言い、教室がわっと盛り上がる。
「お前誘う人いる?」や「テンション上がるよなこういう行事!」など私には無縁な話が所々で聞こえてくる。
「それじゃあホームルーム終わり。宮本ー挨拶ー」
「これでホームルームを終わります。ありがとうございました。」
『ありがとうございました』
終わると同時に九条が振り返ってきて
「なあ、谷セン今のホームルームで「はい」って何回言ったか分かるか?」
「いや分かる訳ないでしょ。もしかして数えてたの?」
「あったりめーよ!正解は3回でした!」
「こういうのは相場もっと言ってるんじゃないの?3回って別に多くなくない?」
「いやいや今の短い時間で3回も言ってるんだぞ?多い方だろ」
「ていうか九条、先生の話聞いてた?どうせそんなしょうもないことばっか考えてて聞いてなかったんでしょ?」
「失礼なやつだな。ちゃんと聞いてたに決まってるだろ?あれだろ?文化祭の合唱の話だろ?」
なぜこんなにも自信満々に言い切れたのか、もはや関心するレベルに達してる。
「最初から最後まで全部違いますよ。体育祭のリレーとペアダンスの話だよ」
「あ、そうそうそう言おうとしたんだよ!」
無理がある言い訳をしつつ続けて「え、ペアダンスって言った!?なにその青春行事アツ過ぎるだろ」
「誰か誘うの?」
「いやー実は最近気になる人がいてだな、」
「中宮だろ」
突然聞こえてきた聞き慣れない声に咄嗟に顔が声の方向に向いた。
そこには例の霜月蓮也が立っていた。
「ちょ蓮也大きい声で言うなって!てか何で知ってんだよ!?」
「バレバレだっつーの。お前中宮の事見過ぎ。」
「まじか、なあ俺そんなわかりやすい?」
いまいち状況を理解できないまま私に話が振られて、頑張って状況を理解した上で
「いや、全く分かんなかった。なんで霜月君分かったの?」
私も会話を振ってみたら霜月は一瞬黙って「いや、見てたらわかる。授業中とか見過ぎだし。」
「なんで授業中俺のこと見てんだよ笑」
「いや、お前のことは見てねえよ笑」
「じゃあ誰のこと見てんだよ?」
「お前が中宮の方向くから俺も気になってそっち見ちゃうんだよ。俺中宮の後ろの席だし。」
「あーそう言うことか、なんかごめん笑」
「いや認めるのかよ」
いやいやそれより私は聞き捨てならないことがある。
「待って、九条、美織の事好きだったの?」
「実は入学式の時からかわいいなって思ってた笑で、凛と仲良くなって凛の席に中宮さんが来るようになって性格もちょっと知れて、もっと好きになった笑」
「これまじ極秘事項だから内密に頼む」
だから九条授業中あんなに後ろ向いてたのか。時間割見るふりして美織の事見てたと。
「そう言う事なら早く言いなさいよ!私も協力するに決まってるでしょ」
「え、がち!?」
「この凛様を舐めてもらっちゃ困りますって。とりあえず美織は平◯紫〇みたいな男の人が好きって言ってたから自分磨きから頑張りなさいよ」
「ハードル高くね?俺平〇紫〇と勝負してんの?勝ち目なくね?」
「大丈夫だよ。多分。分からんけど。私は応援してる。」
「おい後半諦めムード入ってるだろ」
そんなバカみたいな会話をして三人で笑い合った。そしたら九条が私も少し気になってたことを聞いてくれた。
「そいえば霜月なんでこっち来たん?」
「あ、いやちょっと」
「何だよ、なんか話聞こっか?」
「いや、お前じゃなくて、宮本さんの方に用があって、」
「え、私?」
何だろう。いつも席座ってごめんなさい的な意味合いの菓子折りでも持ってきたのか?。
「あの、全然嫌だったらいいんすけど、ペアダンス一緒に組みませんか」
聞き間違いか?今のは私に言ったのか?
九条が隣で「おいどうなんだよ凛〜」と煽ってきてうざいので頭が回る。
「あ、いやあの私でよければって感じなんだけど私で良いの?」
「宮本さんがいいから誘いに来たっす」
「あ、じゃあよろしくお願いします」
「うっす。じゃあ」
「おい後で詳しいこと聞かせろよ?」
「うるせえ」
と、二人の会話が聞こえてくるが、頭の整理は何も追いついてない。
これはもしかしてもしかするのか?いやいや調子乗るな凛。そんな訳ないっての。
…いやそういうことなのか?
コメント
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お疲れさまです、はくさん。第1話、読ませていただきました🌷 凛の「おはようございなす」で噛むシーン、めちゃくちゃ共感しました……焦ってる感じが伝わってきて思わず笑顔になりました。あと、九条の「谷セン『はい』何回数えた」ってくだり、完全に男子のノリで好きです笑 霜月くんが突然ペアダンスを誘いに来たときの凛の「え、私?」って戸惑い、すごくリアルでした。まだ喋ったこともほぼないのに誘うって、彼なりに思い切ったんだろうな。最後の送りのシーンで「ギャップ」って言葉が出てきたところ、ちょっと胸が温かくなりました。 何より、凛が「なんで私会話が終わって寂しがってるのかな」と自分で気づき始めるところ、恋の始まりの予感がしてドキドキしました。続きが気になります!