桃赤
いつもの事?
赤side
「赤ー!!」
「遅刻するわよー!」
母の声が下から聞こえてきて、目覚めるのはいつもの事だ。
自分なりに急いで支度をして、家を出る。
そして、つまらない学校に行く。
これも、いつもの事。
学校に着くと、周りからたくさんの声が聞こえてくる。
「やっぱ赤くん可愛い……」
「天使……!」
「抱きてぇー……」
これも、いつもの事。
俺は聞こえていないふりをして教室に向かう。
だが、教室でも俺の事を話している声は聞こえてきて。
正直、居心地は最悪だ。
この場所から逃げ出したくて
1人になりたくて
俺は急いで屋上に向かう。
どれもこれも、いつもの事。
勢いよく屋上の扉を開け、過呼吸を抑える。
いつもだったら、すぐになおる。
けれど、今日は違った。
いつもの事じゃなかった。
過呼吸はより増していくばかり。
止まれよ……
止まれよッ……!!
心の中で言い聞かせても、なおる気配はしない。
膝から崩れ落ち、胸元を必死に抑える。
「大丈夫…ではなさそうだな」
「落ち着けよ?吸ってー」
「……吐いてー」
いきなり男の人の声が前から聞こえてきて、
顔を見たくても見れない。
今はただ、呼吸を整えるだけで精一杯。
「……よし、もう大丈夫だな」
凄く安心する声で、俺はそっと顔を見る。
そこに居たのは、
学校一の不良。
桃だった。
「……あッあの……」
「……あッ……ありがとう…ございましたッ……」
自分でも驚くほど声が震えてしまう。
すると、魔王みたいな笑い声をして、にっこり笑っている彼がいた。
その笑顔はすごく可愛くて。
不良って、こんなんなのかなと思った。
「そんな怖がらなくてもw」
「……優しいですね」
「……へ?」
「俺、初めて人にこんなに優しくされました。」
「ありがとうございます。」
俺まで自然と笑顔になっていた。
本当に、久しぶりに笑った気がした。
「……」
「お前、笑ってた方がいいぞ」
「もっと笑え!」
そう言われ、ほっぺをつねられる。
初めて、人に興味が湧いたような気がした。
「あの時の赤、ほんとに可愛かった。」
「今もだけど」
そう言って、隣でお酒を飲む桃くん。
当時は長かった襟足も、
今はすっかり短くなった。
不良だったあの時には想像がつかないくらい真面目くんを醸し出していた。
「桃くんはほんとにかっこよくなったよね〜?」
そう言うと、いつも照れて顔が赤くなる桃くん。
「本当に、……」
「桃くんに出会えて良かったよ」
「……さっきからなに?」
「いつも以上に褒めてくれるけど」
「今日はたくさん褒めたい気分なのー!」
そのあとも、桃くんのことをずっと褒め続け、
黙らせるぞ、と
身体を重ねたのは、また別のお話。
end
みなさん、お久しぶりです!!
受験終わりましたー!
結果はまだ出ていないんですけど、
受験が終わったので、これからたくさん投稿していきたいなと思ってます!
よろしくお願いします!
短くてすみません💦
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント
17件
アー!!!!!!!!最高でした😇✨ブクマ失礼します🙇♀️
見るの遅れました💦今回の作品もめちゃ最高でした✨ そして受験お疲れ様でしたっ!! 受験合格する事祈ってます🙏
受験お疲れ様です! 華のjkになれるって妄想しましょう!絶対受かってます! 今回もお話最高に良かったです、、、💞