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辰美sid
第三セット。後半。30―31
あと一点取られると雀鉢高校が勝つ。
長いラリーも増えて来て体力も限界に近い。
「 あぁ…もうやだ…ついていけない… 」
早いボールのラリーが続いて、体力も集中力も削られて行く。
きっとみんなそうだろう。
もうやだ。止まりたい。止まってしまいたい。
意識が遠くなるような感覚に微かに漱の声が聞こえた。
漱だ…トス…かな。打たないと。打たないと。動け。
「 辰!いったん止まれ! 」
漱の言葉は俺の思ってる言葉じゃなかった。
…あ。そっか。焦らなくたっていいんだもんね。
「 ありがと。 」
そして俺はフォローに回る。
でもその心配はいらなかった。
「 やったんねん…!!! 」
輝が大きく振りかぶりスパイクを打つ。
その姿は大空に羽搏く様で綺麗だった。
燕帝山高校一点。