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死が俺達を分かつまで

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死が俺達を分かつまで

3 - 規律の鬼はつながりたい

♥

58

2025年01月18日

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レナトスの告白をきっかけに二人は付き合い始め(周囲には秘密)、二人の間に少しずつ変化が起きた。

例えば、レナトスが書類を渡しに来た時。

以前であればオーターが書類を受け取った後、一言二言軽く会話をしてレナトスは持ち場に戻り、オーターも仕事に取りかかっていた。が、レナトスが書類を渡してもすぐに去ろうとはしなかったのである。それを不思議に思ったオーターが「戻らなくていいんですか?」と聞くと、「もう少しお前と居たいんだけど。」と頬をかきながら言った。

それを聞いたオーターはというと、「残業になっても知りませんよ。」と素っ気無い言い方をしていながらも頬は赤く染まっていて、照れ隠しだと分かったレナトスが嬉しそうに笑いながらオーターを抱きしめるという事があった。

その他にも、二人きりになるとレナトスがオーターの腰を抱き寄せて額または頬にキスをするなどのスキンシップが増え、それを受けオーターは改めてレナトスと恋人同士になれたのだと実感するのだった。



ー二人が交際を始めてから一ヶ月が過ぎた頃。


オーターは執務室でいつものように仕事をしていたが、珍しく仕事の進みが遅かった。

何故かというとオーターはある事で思い悩んでいた。

それは、


(交際を始めてからもう一ヶ月は経っているというのに、一向に手を出してこない。)


そう、オーターはまだレナトスに抱かれていなかった。初めのうちはレナトスと話したり、スキンシップを嬉しく思っていたオーターだったが、もうそれだけでは満足出来なくなっていた。

レナトスにもっと身体の奥まで触れてほしい、愛されたい、そう思うようになっていたのだ。


(私から誘ったりしたら、はしたないと思われてしまうだろうか?ですがそれでも・・・私はあの人が欲しい。『本当に』あの人のものになりたい。)


仕事中に考える事ではないと頭で分かっていながらも、オーターは考えるのを止められなかった。

すると、


コンコン。


とドアをノックする音がした。


「どうぞ。」


ガチャ。


「よっ!お疲れさん。」

「・・・お疲れ様です。」


入ってきたのは、オーターの頭の中を占めていたレナトスその人だった。


「どうしました、急ぎの書類でも?」

「いんや?お前の顔を見に来た。」

「ああいつものサボリですか。」

「まあそう言うなよ。可愛い恋人の顔見てやる気スイッチ入れに来たって、あれ?」

「?」

「珍しいな、お前が仕事進んでねえなんて。」


減っていない書類の山を顎でクイッと指しながらレナトスが言った。


「・・・・・。」

「どうした。どっか具合でも悪いのか?」

「いえ。」

「なら、何か悩み事か?」


(貴方との事で悩んでいるんですよ。)


「・・・・・。」

「オーター。」

「!」


オーターが口を閉ざしていると、レナトスが名を呼びながら優しい眼差しでオーターを見つめ、そのまま話を続ける。


「何か悩んでんなら俺に聞かせてくれ。一人で抱えんな。」

「・・・レナトス。」


レナトスの優しい眼差しと言葉に背中を押され、オーターは少しずつ悩み事を口にした。


「その・・・私達が交際を始めてから一ヶ月経ちましたよね?」

「ん?そういやそうだな。早いな、もう一ヶ月になんのか。・・・それで?」

「それで、私達そろそろ先に進んでも良いのではないかと。」

「先ってえと・・・・・・ああ。」


話している内に頬を赤く染めていくオーターに、彼が何の事で悩んでいたのか何となく察してレナトスは天を仰いだ。

が、すぐにオーターの方を向き口を開いた。


「悪い。」

「え?」

「お前の事を大事にしたかったし、男同士だと受け入れる側の負担がすげえらしいからお前の事抱かなかった。でもそれが逆にお前を悩ませてたんだな。悪かった。」


眉を八の字に下げながら謝るレナトスにオーターは小さく首を横に振った。


「謝らないで下さい。貴方が私の事を考えてくれていたと分かり嬉しいです。」

「そうか。」

「はい。」

「なあオーター。」

「何ですか?」

「今週末、お前の都合がよければ俺ん家に泊まりに来ないか?」


急なレナトスの誘いにオーターは目をぱちくりさせた。


「それは。」

「お前と過ごしたいのもあるけど、もうお前を悩ませたくねえ。・・・それに。」

「それに?」

「俺ももう我慢の限界だ。」

「!?」


先程の優しい眼差しから一変して欲の混じった熱い眼差しでレナトスがオーターを見つめてきて、オーターの心臓がドキッと跳ねた。


「なぁ・・・どうする?」


(どうするってそんなの、決まっている。)


「・・ます。」

「ん?」

「貴方の家に泊まりに行きます。」

「決まりだな。準備とかちゃんとしとけよ。」

「貴方のほうこそ、きちんと仕事を終わらせて下さいね。」

「分かってる。じゃあ週末に俺ん家な。」

「はい。」

「じゃあ俺仕事に戻るわ。」

「はい。」


いつもの調子に戻ったレナトスが踵を返し、執務室を出て行った。

それを見届けてからオーターはふうと息を吐いてから、ギュッと手を握ってこう思った。


(やっとあの人に抱いてもらえる。)


と。


「週末までに仕事を終わらせなければ。」


そう呟くと、オーターは気持ちを切り替え仕事に取りかかるのだった。




ーそして週末の金曜日の夕方午後6時過ぎ。


ピンポーン。

ガチャ。


「よお、よく来たな。入れよ。」

「お邪魔します。」


約束通りオーターは、レナトスの家へと泊まりに来た。

二人は話をしながら早めの夕食を取り、少し経ってから交代で入浴し、そのあとは二人でソファで並んで座りくつろぎながら、二人共通の趣味である読書を楽しんだあと寝室へと向かった。


ーそしてついにその時は来た。


レナトスは、唇で、手で、優しく触れながらオーターの身体を少しずつ開いていく。

その間オーターはキュッと目を閉じ、声を出すまいと手で口を塞ぎながら必死に堪えていて、その様子はどこかいじらしさを感じさせる。


(可愛いな。 )


そう思いながら、レナトスはオーターと一つになる為に彼の秘所を解していく。

そして十分に解すと、勃起した性器をオーターの秘所に当てがい埋め込んでいった。


「ぅ・・・ぁ・・・おっきい、やぁ。」

「悪りぃ。痛えよな、苦しいよな。こればっかりは俺にもどうにも出来ねえ。すまねえが耐えてくれ。」

「んん。」


指よりもはるかに質量があるものが中に入ってきてオーターが苦しそうな声をあげると、レナトスが謝りながら少しでも気が紛れるようにとオーターの顔中にキスの雨を降らせる。

そしてその間に腰を進めて行き、全てをオーターの中へと挿入した。


「はぁ・・・オーター。全部、入ったぞ。」


それを聞いたオーターの瞳から一筋の涙が流れる。

それを見たレナトスが、


「痛いか?」


と聞くと、オーターはゆるゆると首を横に振ってから言った。


「ち、がいます。貴方と・・・一つになれた事が嬉し、んあっ!」

「お前、それ反則。」

「・・・!」


中を圧迫されて思わず目を開けたオーターの視界に入ったのは、オーターの言葉に照れて頬を赤く染めたレナトスだった。


「・・・ッ。」


あまりレナトスの照れた顔を見た事のないオーターの胸がキュンとし、無意識に中を締め付けてしまった。


「んっ。・・・おい、オーター。締め付けるなよ。」

「そ、んな事、言われ、ましても。」

「はぁ。初めては優しくするって決めてたのによ。あんま煽るような事言うなよ。」

「私、そんなつもりは。」

「お前にそんなつもりはなくても、十分煽ってんだよ。・・・好きな奴に『一つになれて嬉しい』なんて言われたら誰だってこうなるっての。」

「レナトス。」


レナトスが頬を赤く染めたまま、くしゃりと髪を乱した。そんな余裕のないレナトスを見て、オーターがまた中の彼を締めつけてしまった。


「・・・ッ。オーター。」

「わ、わざとじゃないです。」

「はあ。まさかお前がこんな煽り上手とは知らなかったぜ。」

「ちが「違わない。」


否定しようとするオーターの言葉をレナトスの低い声が遮り、レナトスの大きな手がするりとオーターの頬を撫でた。


「ぁ。」


そのいつもと違う触れ方にピクンとオーターの身体が震えた。


「もう動くけど・・・いいよな?」

「・・・はい。」


オーターの無意識の煽りにより、何やらスイッチが入ってしまったレナトスにオーターはただ頷いた。



「オーター、オーター。」

「あっ、あっ、レナ・・・トス、んんっ、きもちい、あん!」


レナトスがオーターの名を呼びながら、彼の身体を揺すり時々悪戯に強く突き上げる。オーターは甘く瞳をとろけさせ、瞳からは涙がポロポロと零れる。

その零れ落ちる涙をレナトスが指で優しく掬ってやると、猫のようにスリっとすり寄って甘えてくる。


(やべえ、すんげえ可愛い。)


オーターの普段とのギャップにレナトスがドスッと胸を撃ち抜かれていると、オーターが声をかけた。


「レナ、トス。」

「ん?」

「あ、なたも、きもちい、ですか?」


快楽に身を任せながらも、レナトスもちゃんと快楽を得られているのかとオーターが聞いてくる。

レナトスはフッと笑いながら応えた。


「気持ちいいよ。」

「本当、に?」

「ああ、本当。」

「良かっ、た・・・あっ、やぁ!」


レナトスが先程よりも揺するスピードを上げ、オーターを絶頂へと導いていく。


「あっ!あっ!だめ・・・だめ・・・イく。」

「いいぞ、イって。」

「イっ・・・・あああ!」

「・・・・ッ。」


ビクン、ビクンと大きく揺れながら絶頂を迎えたオーターの身体をレナトスが抱きしめ、彼も遅れてイきオーターの中へと熱を注ぎ込む。


(ああ、熱い。でも・・・幸せだ。)


まだ止まる事なく注ぎ込まれ続けるレナトスの熱をうっとりとしながら受けとめ、オーターはこれで本当にレナトスのものになれたのだと幸せを噛みしめるのだった。


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