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青黄
承認欲求が強すぎていっぱい褒めてもらわないと足りないし満たされない。いっぱい褒められてもそれ以上のものが欲しくなる。だからどんだけ褒めてもらったり認めてもらっても喪失感は埋まらない。僕はいつからこうなってしまったんだろう。
きっとあの日からだ。
「新生徒会長になった一ノ瀬黄です」
「これからよろしくお願いします」ニコッ
僕は先生に推薦され生徒会長になった。先生、生徒みんなの期待に応えるために僕はいっぱい頑張ってきた。
学校の風紀を守るために見回り、
学校行事等の整備、などなど
学校を仕切るリーダーになっていた、
そんな僕のことをみんなは頼れる生徒会長と褒めてくれていた、だけど一部では、先生の機嫌取り、先生たちの下僕、など言われていた。そういう人たちにも僕のことを認めて欲しい。会長頑張ってるって思って欲しい。そんな一心で頑張ってきた。だけど状況は悪化した。僕が頑張れば頑張るほどみんな離れていった。僕が頑張って仕事をこなすと完璧すぎて怖いと言われ、ちょっとミスをするとそれでも生徒会長なの?と罵られ、僕に告白してきた人を振ると人の心あるの?と軽蔑され、
僕はどうしたらいいのか分からなくなっていた。こんなことになるならもう辞めたい。この気持ちを先生に言うと期待してたのに残念。と冷たく言われ。まだ頑張りますと言うと期待してるよと言われ、やめたくても辞められない。そんな生活を続けていると僕は先生の言うことだけを聞くロボットになっていた。もちろん僕の周りからは人が寄り付かなくなった。それでいい。先生からの期待さえあれば、それで、。
<今日は転校生を紹介する
転校生そんな言葉にみんなが騒ぐ。それを止め転校生を呼ぶ先生の声。転校生なんて僕には関係ない。ただのクラスメイト。たまたま同じクラスになっただけの他人。どうでもいい。
転校生が教室に入ってきたのかみんながより大きな声で騒ぐ。
<はーい静かに。自己紹介して
「はい。転校してきました朝比青です。よろくしお願いします」ニコッ
歓声や質問が飛び交う中先生が中断する
<静かに〜、じゃあ朝比の席はー、
<一ノ瀬のとなりだな
『え、』
そして一斉にみんなが僕を見る。
そのざわつきには僕に対しての悪口が囁かれている。なんで僕の隣なんだ、確かに隣の席空いてるけども、なんで僕の隣、?席替えとかでも良かったのではないか、?そんなことを考えていると転校生が喋った
「一ノ瀬、?って誰ですか?」
<一ノ瀬ー手あげてやれ
『…』手を上げる
そして転校生が僕の元に歩き出す
「一ノ瀬くん?よろしくね!」
『はぃ、』
<一ノ瀬隣の席だし、生徒会長として朝比に学校の案内もしてやれよ
『わかりました、』
HRが終わると転校生の周りに一斉に人が集まる。だけど転校生はそんな人たちを押しのけて僕に話しかけてきた
「ねぇ、一ノ瀬くんの下の名前って何?」
『へ、僕の名前、?』
『えっと、黄です、』
「黄くん!可愛い名前だね」
『ぁ、ありがとうございます、』
こんな会話をしてる中クラスの人達が僕を睨む。やめてよ、もっと悪口増えちゃうじゃん、
「早速だけど学校案内して欲しいなー」
『今からですか、?』
「ダメ、?」
『僕はいいですけど、…』
「やった!じゃあ行こ!」グイグイ
『あの、クラスの人と話さなくてよかったんですか、?』
「ん?あーいいのいいの」
「僕ああいう人たち嫌いなんだよね」
「僕が黄くんと隣の席になった時一斉に黄くんのこと睨んでたし」
「そういう雰囲気ほんと無理」
『へー、』
変な人だな、周りの雰囲気より自分の意思を優先できる人なんだ、
『ここが、購買です』
「へー!このパン美味しそう!」
「そうだ今日一緒にお昼食べようよ!」
『え、なんで僕と、?』
「黄くんと仲良くなりたいんだよ」
『僕なんかと仲良くなんて、しない方がいいですよ、』
『僕みんなに嫌われてるし、』
『青くんまで嫌われちゃいますよ?』
「黄くんと仲良くできたら他の人なんかどうでもいいよ」
『…そうですか、』