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第1話「閉ざされた部屋」
――目を覚ます。
さくら「……ん?」
冷たい床。
さくらがゆっくり起き上がると、そこは見覚えのない白い部屋だった。
さくら「……どこ、ここ?」
少し離れた場所では、ひよこが床に座り込んでいる。
ひよこ「ここどこぉ!? 誰かいないの!?」
「うるさい。」
ひよこ「え?」
声のした方向を見る。
なみが壁にもたれながら立っていた。
なみ「叫んでも何も変わらないでしょ。」
ひよこ「だって怖いじゃん!」
さぶらく「……まず状況を確認しよう。」
さぶらくが部屋を見回す。
出口らしき扉は一つ。
窓はない。
天井には監視カメラのようなものが取り付けられている。
そして、最後に――
はるる「……5人、いるね。」
さくら「私たち、全員知らない場所に連れてこられたってこと?」
はるる「たぶん。」
ひよこ「じゃあ、みんなで協力して出ようよ!」
さぶらく「それが一番だな。」
なみ「賛成。」
さくら「まあ、協力するしかないか。」
5人は扉の前に集まる。
さぶらく「鍵は……電子ロックか。」
ひよこ「壊せない?」
さくら「じゃあ、やってみれば?」
ひよこ「僕が!?」
さくら「言い出したのひよこじゃん。」
ひよこ「無理だよ!」
はるる「役に立たないね。」
ひよこ「はるるまで!?」
少しずつ空気が悪くなっていく。
さぶらく「待て。今は喧嘩してる場合じゃない。」
なみ「でも、このままここにいても何も分からないよ。」
さくら「じゃあどうする?」
なみ「……」
さくら「何もないじゃん。」
なみ「……言い方。」
さくら「事実でしょ?」
空気がピリッとする。
はるる「……仲悪すぎ。」
ひよこ「僕たち、本当に脱出できるのな……。」
その瞬間。
カチッ。
部屋の奥の壁が突然開いた。
全員が振り返る。
???「――お困りのようですね。」
そこから、一人の男が歩いてくる。
黒い服。
落ち着いた表情。
少年は5人を見渡して、静かに口を開いた。
???「僕は――瀬名。」
さぶらく「瀬名……?」
瀬名「そう。君たちをここへ連れてきた側の人間だ。」
さくら「……は?」
なみ「じゃあ、ここから出して。」
瀬名「もちろん。」
ひよこ「ほんと!?」
瀬名「ただし――条件がある。」
全員が黙る。
瀬名「君たちには、これから闘技場へ行ってもらう。」
はるる「闘技場?」
瀬名「そこで君たちは戦う。」
さぶらく「……何のために?」
瀬名「最後の一人になるまで。」
ひよこ「……え?」
瀬名「5人のうち、最後まで残った一人だけがここから出られる。」
沈黙。
さくら「……冗談でしょ?」
瀬名「残念ながら、本当だ。」
なみ「じゃあ、戦わなかったら?」
瀬名「出られない。」
はるる「5人で協力したら?」
瀬名「出られない。」
さぶらく「……つまり、どちらかが倒れるまで戦えってことか。」
瀬名「その通り。」
ひよこ「嫌だよ……!」
瀬名は淡々と扉を開く。
その先には、長い暗い通路が続いていた。
瀬名「さあ、行こう。」
5人は動かない。
瀬名「ここに残っていても構わないよ。」
そして振り返る。
「ただし――扉は二度と開かない。」
ガシャン。
背後の出口が閉じる。
さくら「……最悪。」
なみ「……行くしかない。」
はるる「こんなところで終わりたくないしね。」
さぶらく「5人で脱出する方法は……ないのか。」
ひよこ「……みんな、本当に戦うの?」
誰も答えない。
ただ、5人は瀬名の後を歩き始める。
長い通路の先。
巨大な扉が見えてくる。
瀬名「ここが――闘技場だ。」
ゴゴゴゴゴ……
巨大な扉が開く。
その先に広がっていたのは――
5人が最後の一人になるまで戦うための、巨大な闘技場だった。
――第1話・終
コメント
3件
おお、第1話お疲れ様です!閉ざされた部屋に5人、しかもバトロワ展開か…冒頭から緊迫感がすごい。キャラの性格が会話だけでバシッと伝わってくるのがいいですね。特にひよこの軽さとさくらのキレの良さ対比が好き。瀬名の淡々とした冷酷さも効いてて、続きが気になる導入でした🔥