卯の花腐し

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地雷 閲覧注意

nk side＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

梅雨に入りそうで入らない、このジメジメとした気候。

いつも通りきんときとソファーに座る。

少しずつ身体と身体の間に暖かい膜ができていって汗ばんでくる。

俺は代謝がいい方だと思う、汗が気になれば気になるほど身体から出てくる。

皮膚と皮膚が重なり合えばこれでもかと汗ばむ。

kn「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿？」

汗の事を一心不乱に考えていたので、きんときの質問は俺の耳に届かない。

nk「え？ごめんなんて言った？」

kn「ううん、何も言ってないよ」

きんときは遠慮しがちの性格で、平和主義者。

人と争うことを嫌い俺と口喧嘩をする事が少ない。

喧嘩しないんじゃないさせてくれないんだ。

逆に俺と言うものは、メンバーの中で多分1番主張が強く、平和主義者と言うようり好戦的ではあると思う。

意志が固い分主張も強いし、俺はこうでありたいこうしたいと目的目標が予めある。

だからメンバーと衝突しやすい。

でもきんときとは中々衝突しない。

きんときに意志がないとかはないけど主張がない。

だから意見に呑まれて流される。

今もそう。気にせず俺になんでも言えばいいのに。

逆にこんな俺だから言い難い？

否定されると思うから？

違う意見が返って来ると思うから？

苦しいぐらいきんときの事が大好きでやまないのに、

きんときが俺に何も言えなくて嫌気が差すぐらいなら、

出会わなければよかった。

kn「なかむ、」

nk「っえ？」

今まで見た事のない困り顔に加えて動揺の眼

もしかして俺、、

「「口に出てる」」

nk「あっ、、ちがっ、」

kn「どうしてなかむが泣きそうなの？」

もし俺が恋人に、出会わなければよかった。なんて言われたら

相手がどう言おうが俺は苦しいと感じる

そう思うときんときもと考えればどんな気持ちぐらいかは安易に予想できる。

nk「ごめん、、」

kn「違うよなかむ。俺はそんな言葉は聞きたくない」

出会わなければよかったって言ってごめん？

こんな事考えてごめん？

ダメだ、きんときのそんな言葉は謝罪のはず。

なんて返せばいいんだ

kn「ふふっ、めっちゃ考えてんじゃん」

こんな雰囲気とは別にふわふわとしたきんとき

暖かくて、じんわりと目の奥に熱が籠る

nk「好きだから」

kn「知ってるよ。ねぇ、なかむ」

nk「どうしたの？」

きんときは汗をかいた俺をそっと抱き寄せて優しくキスをしてくれた。

暫く黙ったまま抱きしめてくれた

nk「汗かいてるから汚いよ」

kn「なかむだから汚くないよ」

nk「意味わかんない」

2人で目を合わせて笑うんだ

抱き締め合うのはこの季節に合わない

でも離れたくないってお互いが思っているのか俺たちは離れようとしない

kn「出会わなければよかったなんて言わないで」

nk「うん、」

kn「出会えて幸せだ。って言って」

nk「出会えて幸せ。出会えてよかった。きんとき大好きだよ」

kn「うん、俺もだよ」

身体を寄せ合うのは成人を超えた男ふたり。

夏の前の湿度の高い夜、

月明かりが俺たちを照らした。