彼の遺骨を受け取り、彼の親御さんはその場を出た。
俺は親御さんの寂しそうな背中を見つめ見送った。
薄暗く、静まり返った空間の席に腰掛ける。
俺は今日初めて口を開いた。
「久しぶりです。場地さん。」
やはり返事はなかった。
「覚えてますか?俺らが出会って間もない頃の話。」
俺は優しく語りかけるように呟き、話し出した。
「初めて場地さんと銭湯行った時、場地さんメガネかけたまんま風呂入ろうとしてメガネ真っ白に曇ってさ、俺そん時笑いすぎて死ぬかと思ったんすよ笑」
何気ない思い出がどんどん溢れかえってくる。
忘れていたはずの思い出すら今ではカンペがあるのかと言うぐらい鮮明に話せた。
彼の姿をもう一度みたい。
そう思ったのが悪かった。
俺は骨壺の蓋をゆっくりと開き彼の姿を見た。
彼の骨は凄く綺麗に残っていて、俺にはどれがどこの部位だかは分からないが、係員の人が丁寧に説明していたのを思い出す。
その中でも小さく金平糖程の大きさの骨を拾い上げじっと見つめた。本当にこのまま彼を見ることは無くなるのだろうか。
俺にはどうしても考えられない現実で、きっと気が狂っていたんだろう。
俺は拾い上げた彼の遺骨を口の中に入れてしまった。
どうしても離れたくなかった。愛おしくて、愛おしくて、こんな別れ方じゃ気がすまなかった。
彼の骨は固く、口の中で鈍い音が鳴った。
後々知った事だが、葬式で遺骨を食べる人は何人かいるらしい。
やはり味はなく彼を感じることも出来なかった。
けれど体の中に彼がいると思うだけで安心感は別物だった。
「場地さん」
「俺、まだ許してないんすからね。」
「ペヤング半分こって言ったのに場地さんの方が多く食ったこと。」
「大晦日一緒に初日の出見に行こうって行ったのに場地さん寒い寒いって結局すぐ帰ったこと。」
「学校行く時毎回五分以上待ち合わせ場所で待たされたこと。」
「俺を抱く度、、」
「ごめんなって…寂しそうに呟くこと…」
声が掠れる。締め付けられるような苦しさで何か込み上げてくるような感覚だ。
「今謝ってくれたら全部許しますよ笑」
「けど、」
「俺置いて先に違う場所に行くことは許せないなぁ…」
やはり涙は出なかった。
「好きです。さようなら場地さん。」
俺は遺骨を持ってその場を出た。
ここまでですー!
初めてラノベ??だったかなモードを使ってみたんですけど楽しいですねこれ!
所々誤字あるかもで申し訳ないです💦
この前母と葬式の話をした時に母が死んだら👨🌾は母の骨食べるだろうね笑笑って話してて、ばじふゆにしてみました😆
ここまでのご視聴ありがとうございました!
リクエストどんどん消費していきますね💦すみません!
コメント
3件
千冬が骨を食べた時、 えっ、ってなりましたw
ダメだ…泣きそう……😭😭 最近めちゃめちゃ投稿してくれるから嬉しいです……🥰🥰 愛してます…まじ大好きです……。