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桃赤
地雷さん 🔙 推奨
雨の音が 、 やけに煩い夜だった 。
「 また連絡無視してたでしょ 」
玄関の扉を開けた瞬間飛んできた言葉にびく 、 と肩が震える 。
部屋の中は暗いのに 、 ソファに腰掛ける桃の輪郭だけがやけにくっきり見える 。
… 電気を付けずにずっと待っていたらしい 。
「 … 仕事で忙しくて 、 」
「 嘘 」
俺の言い訳は一蹴される 。
靴を脱ぐ手が止まる 。 言い訳なんて通じないと最初から分かっているのに 。
「 赤はどれだけ忙しくてもちゃんと返信してくれてたじゃん 」
「 … ちょっと 、 疲れてて 」
「 俺より ? 」
その一言で息が詰まる 。
桃がゆっくり立ち上がって近付いてくる 。
逃げようと思えばいくらでも逃げられるのに 、 足が動かない 。
顎を掴まれて 、 無理矢理顔を上げさせられる 。
「 ね 、 どっち ? 」
光のない瞳が 、 逃げ場を奪うみたいに覗き込んでくる 。
「 仕事と俺 、 どっちが大事 ? 」
声が出ない 。 沈黙が 1番 いけないと分かっているのに 。
次の瞬間 、 壁に押し付けられる 。
「 … っ 」
「 答えないってことはさ 」
耳元で囁く声がやけに優しい 。
「 俺の事軽く見てるんだよね 」
ぎゅ 、 と手首を掴まれる 。 強くは無いけれど 、 逃がさない 、 とでも言うように 。
「 俺 、 赤が居ないとだめなんだよ 」
その言葉は今まで何度も聞いてきたはずなのに 、 今日はやけに重く落ちてくる 。
「 赤が誰と話したとかどこに居るとか全部知りたいし 、 外にも出したくない 」
顔は冗談っぽく笑っているけれど 、 目が笑っていない 。
「 俺の事だけ見てよ 」
心臓が嫌の音を立てる 。
怖いはずなのに 。 逃げ出したいと思っていたはずなのに 。
____ 心のどこかで安心してしまう自分がいる 。
「 離れないでよ 」
更に畳み掛けてくる桃に俺は小さく零す 。
「 … 逃げねぇって 」
「 ほんと ? 」
「 うん 」
嘘じゃない 。 たぶん 。
怖いけど 、 息苦しいけど 、 でも 。
この執着の中にいると自分が必要とされている気がしてしまう 。
「 … じゃあ 、 証明して 」
「 え ? 」
「 全部俺にちょうだい 」
桃が真っ直ぐ俺の目を見詰める 。
「 時間も 、 連絡も 、 優先順位も 」
指が絡め取られる 。
「 全部俺が 1番 だって言って 」
逃げれば楽になれるのに 。
それでも 、 俺の口から出てきた言葉は ____
「 … 1番 だよ 。 桃が 1番 」
自分でも驚くくらい 、 はっきりした声だった 。
その瞬間 、 桃は笑った 。
今までで 1番 、 満足そうに 。
「 よかったぁ 」
俺の頬に触れる手はこんなにも優しいのに 。
「 これで安心して赤のこと愛せるね 」
鍵のかかる音が真っ暗な部屋に響く 。
雨はまだ 、 止みそうにない 。
コメント
3件
めためた 好き っ て お友達が 言ってた 😖💞 ましろ 桃 彡 左 ちょっと 地雷だけど ぱむさん が かくのは 全然 見れる 👀