テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『きっかけ、なんて。』
“あさぎりゲン”という名前が売れてから
ほぼ毎日乗ってる…普段通りの、ロケバス。
今日も番組の収録。
今日の収録は_
『天才科学者の研究室に潜入!〜マジシャンが挑む科学の世界〜』
ってゆー、よくあるバラエティ番組。
天才科学者ねぇ…年下とは聞いたけど、一体どんな子なんだろ。
「現地到着です!」
スタッフが ガチャッと、研究室のドアを開けると…
「…ぇえ?」
整った顔、赤色の瞳…
何より、奇抜な髪型と髪色。
そんな、芸能界にもなかなか居ないような特徴を持っている子が、黙々と研究をしていた。
…この子があの例の、天才科学者なのだと直感で分かった。
「やっほー!」
「今回共演する、あさぎりゲンです♪」
「よろしくね?」
スタッフと打ち合わせをする時以外は、ずっと研究に没頭していたその子は、俺の方を向いて…
「あ”〜、石神千空だ。」
「こちとら、地上波なんぞ初でな。」
「よろしく頼むわ」
…石神千空ちゃん…か…
「本番入りまーす!」
「じゃ、がんばろーね 千空ちゃん♪」
「へーぇ!これが噂の、”人間の感情を数値化するマシン”〜?」
「ゴイスーねぇ…でもでも、それって思い込みも数値になっちゃったりして…」
「要するに、俺のメンタリズムテクで数字イジれちゃったりするんじゃなぁい?千空ちゃん♪」
千空ちゃんはこっちに目をくれず、モニターだけを見て…
「ならやってみやがれ。」
「…あ”〜、そうだな。ついでに…」
「テメーのマジックの中身も数値で分解してやってもいいぞ?マジシャン様。」
…と言って、こっちを向いてニヤッと笑った。
「…ひぇ〜、それはご勘弁!」
「マジックのタネ明かしはご法度よ?」
カメラが止まった後。
今は休憩時間。水分をとりながら、千空ちゃんと話してる。
「や〜、千空ちゃん、面白いねぇ!」
「あ”?俺は1mmも笑いなんか狙ってねぇよ。」
「そーゆーことじゃなくて…」
「千空ちゃんの本質…みたいな部分のこと♪」
「LINE交換しない?もっと千空ちゃんのこと知りたいな♪」
「…ま、いいぞ。」
それから千空とゲンは頻繁に連絡をとるようになり…
あの日の収録日がなかったら、一生関わることがなかったであろう
天才科学者と、今旬の芸能人は仲良くなった。
数ヶ月後…
ピコンッ
「…あ、千空ちゃんからのLINE。」
『ゲン』
『なぁに?』
『テメー、恋人いるか?』
『いないよー』
『性欲あるか?』
『え??まぁ、それなりには』
『男いけるか?』
『んー、いけるかなぁ』
『いきなりどしたの?千空ちゃんらしくないね』
「…まさか付き合いたいとか言わないよね…」
『セフレにならねぇか?俺と』
「………え?」
「…んー、とりあえずお話聞かなきゃねぇ」
『どうして?』
『前提として、俺ももちろん性欲がある』
『その欲求を満たしたい』
『わざわざ恋人を作って欲求を満たすのは面倒』
『俺はそれだけだ』
『んで、テメーも性欲がある』
『だが、テメーがそこらの女とホテル入ったり、街歩いてたらどうだ?』
『熱愛報道で終わり だねぇ』
『男の俺なら、ホテル入っても「泊まるだけか」』
『街歩いてても「遊んでるだけか」で済む』
『利害一致してんだろ』
『だから、俺とセフレにならねぇか?』
『なるほどねぇ…』
『うん、いいよー』
『俺も恋愛とか、「今はまだいいかなー」って感じだし』
『じゃ、”週1”、”体だけ”がルールな』
『了解〜 これからよろ♪』
「…はー、」
「まさか、あの千空ちゃんとセフレになるなんてねぇ」
こうして、千空とゲンは体だけの関係になった。
新連載でーーす!!
『たった一語、たったの二文字。』
です!
今回は、第1話『きっかけ、なんて。』でしたー
一応最終話まで書けてるので、
まぁ…次回投稿するのは そろそろかなーーってなったら投稿します
前作に比べたら話数少ないですが許してください
(…なんか最近投稿頻度高すぎてごめんなさい…)
ではではまた次回🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️
コメント
4件
うわぁぁぁ!!!!!!😭😭✨ 新作嬉しすぎます🥺🥺💕 セフレっていいですよね…🤦♀️💘💘💘 ロケから関係深くなるのリアルで好きすぎます🥺💕 次回も楽しみにしてます~!🫶🫶🫶
最新作…っ!最高です!“恋人”じゃなくて体だけの“セフレ”ってのが個人的にぶっ刺さりました… 次回も楽しみに待ってます!