黒「ねぇ、まろ」
青「ん?」
学校帰り。近くの駄菓子屋でバリバリくんを食べながら帰る帰り道
横にいるのは一瞬女の子だと疑うほどの容姿の彼
黒「……やっぱなんでもない」
青「なによ〜、」
青「あ、そういえばさ」
黒「ん?」
青「文化祭どうする?」
青「一緒に回る?」
黒「俺はどっちでも」
黒「まろがしたいのでいいよ。多分部活もないし」
青「じゃあ一緒に回ろ」
黒「おけ」
黒「あ、当たりや」
青「明日にでも替えに行こ」
黒「せやな」
黒「じゃあ、俺こっちやから」
青「うん」
黒「じゃ、また明日な」
青「気おつけてね〜!」
黒「ガキやないんやからさwww」
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彼を送ったあと文化祭をどのコースで回ろうかと考えた
あれ、そういえば
青「俺部活じゃね?」
やばいやばい。俺から言っといて申し訳なさすぎる
生憎今日は携帯の充電もない
まぁ、チャリあるし
俺は元来た道を全速力で戻り始めた
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青「はぁぁ……」
さすがにチャリでもきついものはきつい
明日足筋肉痛やな……
申し訳なささを噛み締めながらインターホンを鳴らす
ガチャ、
出てきたのは彼ではなく、
彼の母親だった
母親「どうかなさいましたか…?」
青「あ、すいません。僕悠佑さんのお友達なんですけど、」
母親「あぁー、悠のお友達ね、ちょっとまっててね、」
青「すいません💦」
ほんとに申し訳なさすぎる……
今度アイスでも奢ろうかな……
黒「……どしたん、まろ?」
青「いや、まじで申し訳なさすぎるんだけどさ、」
青「文化祭の日俺部活あったんだよね……、」
やべぇ、本気でアニキの顔が見れねぇ、
黒「あー、全然いいよ、俺先輩から雑用来たし」
青「ほんと?、まじ今度アイス奢るわ」
顔を勢いよくあげた
黒「じゃあ、ハーゲンダッツなw」
ちょっと冗談ぽく言う君
あれ?彼だよな、
青「……もう全然奢るわ」
黒「じゃあ、また明日な」
青「う、うん。」
黒「wそんな気にすんなって」
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そんな会話をしてわかれたが……
服装ってあんなのだったっけ?
なんか、ピンクのヒラヒラとか、黒のキュロットとか、
普段の彼からは想像が出来ない
いや、可愛かったからいいけど
アニキってごついの好きだよな……?
バンドのTシャツとかきてなかったっけ?
というか、あのお母さん初めて喋ったよな
確かお父さんが再婚したんだっけ……?
青「……やっぱおかしいよな、」
明日聞いてみるか、
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青「おはよー、」
黒「あ、おはよ」
青「……アニキ?その傷どうしたん?」
黒「…、いや、ちょっとね、」
愛想笑い
君の特技
アニキさ、
俺が口を開こうとした時、
黒「まろ。」
青「ぁ、どしたん?」
黒「……俺ってさ、キショいんかな」
青「……は?」
黒「いや、」
今すぐにでも、やっぱ忘れてと言わんばかりの君の口を塞ぐ
青「……キショくなんかないで?」
青「どっちかって言うとかっこいいし」
黒「……ほんま……?」
青「アニキさ、家で」
青「何があったの?」
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学校なんて今はどうでもいい
ただ、君のことについて知りたいだけ
ちょっと動揺してる君に水を渡す
青「ん、」
黒「……、ぁ、ごめん、ありがと」
青「……で、何があったん?」
黒「……まろは、俺の母さんが変わったことは、知っとるよな?」
青「たしか、再婚したんやろ?」
黒「そう。でな、俺の父さんさ、」
黒「3年前から入院しとるんよ」
青「……初めて聞いたんだけど、」
黒「そりゃ、言ってないもん」
黒「で、母さんが来たのが3年前」
黒「俺と、母さんの生活が始まったんだけどさ、」
黒「母さん、女の子やと思っとったんやって」
黒「娘ができるってウキウキしとったら、」
黒「俺やったからさ、w、」
黒「俺さ、髪の毛は、父さん譲りやから、色が好きなんよね、」
黒「伸ばしとる理由はこれだけなのにさ、」
黒「髪の毛は男の子が伸ばしとったらキモイって、」
黒「そん時何も言わんかったけどさ、」
黒「最近になってさ、」
黒「やたらと女物の服着せてくるしさ、」
黒「俺って言ったら怒られるしさ、」
黒「殴られるし、さ、」
君の瞳から、大粒の雫が溢れてる
無理もない。
自分が彼であることを否定され、
彼女にさせられようとしてる
自分が自分であることを否定される
人権ないやん
青「……アニキ」
黒「ごめん、」
青「なんでアニキが謝るん……?」
黒「……ッ、」
青「アニキは、何になりたい……?」
黒「俺はッッ、”男の子”になりたい、」
泣きながら発した言葉
紛れもなく本心で、
嘘なんか隠れてない
青「……気づいてやれんくてごめん、」
黒「なんで、まろ、が、」
青「大丈夫。俺は、悠佑のことちゃんと男の子やと思っとるよ」
青「可愛いとこもいっぱいあるけどさ、」
青「筋肉あるところとかさ、笑い方とかさ、言葉とかさ、人に対しての接し方とかさ、」
青「アニキは全部が男の子で、俺の大好きな存在だからさ」
青「俺は、アニキのなりたいものに協力するし、」
青「助けが欲しいなら何がなんでも助けるし」
黒「ッッッ、ほ、んま?」
黒「俺は、大切……?」
青「すっごく大切だよ、」
俺は君を力強く抱きしめた
ほら、受け止められる
君は紛れもなく
俺の大切な存在で、大切な人で、
大好きな人で、男の子だよ。
コメント
7件
青黒ちゃん良きだな 最後に男の子強調されててうるっときた