チャイムが鳴り響き、お弁当を友達と持って行ったりしてる人が次々と教室を後にする。
「すーずめ~!!って、どこ行くと?」
廊下にでようとした時、絢に尋ねられスマホを取り出す。勝手に草太さんが泊まる事になったから(私がやった)環さんに確認の電話を取らないと、怒られてしまう。
「ちょっと、電話してくるから食べて!」
分かった~、と聞こえパパっと人影が少ないところに行く。LINEから、環さんに電話ボタンを押す。きっと今はお昼の時間帯だからきっとでてくれるだろう。プルルルッ、とコールが鳴り響き耳元にスマホを当てる。もしもし、すずめ?、といつも通りの環さんの声がスピーカーから出てくる。
「あ、環さん今大丈夫?」
「大丈夫やけんど、どんげしたん?」
泊まる、って事に怒られそうだが言わなければ、大変な事になると想像し、恐る恐る口を開く。
「えっとね、今日草太さんが、来てくれてねー、それで~泊まるところが無いらしいから、泊まるところどうしよう!ってなって!」
若干冷や汗あせをかきながら、次々と話す。
「だ、だからぁ!わ、私の家に泊まるって事になったの~!あははぁ、、」
「ちょっと、急すぎひん?!」
「あ、あはは!!そうだよねぇ…」
や、やばい!どうしよう!!、と頭の中がぐるぐるとし、焦り始める。
「草太さんって、黒髪で、髪が長え人やろ?」
う、うん、と少し戸惑いながら返事をし話の続きを聴く。はぁっ、と、ため息が聞こえ、だめだったかぁな、と少し悲しくなった、がその時。
「まぁいいよ、鈴芽..私も草太さんに話をしてぇかい。」
「え!!本当に!?..やったぁ!!環さん大好き~!!」
きっと環さんは、電話越しで呆れて苦笑いで話を聞いてるだろう。
「次からは、ちゃんと私に言うてから約束しちゃ?こっちにも色々あるかぃ!」
「はいはい!!分かった分かった!!環さんもお仕事頑張ってね!!」
と話を進め、切るね!、と言い、プチッと切り、急いで草太さんのメッセージ画面を開く。カッカッカッ、とキーボードの音が聞こえ。“環さんに、お泊まりの許可貰いました!!”とメッセージと、可愛らしい猫のOKスタンプを、ポン、と送る。すぐに、既読が付き“分かった”と短い1文が送られる。草太さんから返信きた!、と嬉しく思い口元が緩む。
その場から離れ、教室に戻る。早く、早く、草太さんに逢いたいなぁ、という想いが込み上げてくる。
「鈴芽~、早うご飯食べんと、時間無ぇなってしまうちゃ?」
と絢に言われ、いつも通り環さんの、重めのお弁当の蓋を、パカッ、と開く。
「いただきます!!」
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